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「選挙と民主主義を考える」 [2017年10月20日(Fri)]

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2017年度 第4回授業  

10月7日(土) 川越南文化会館

「選挙と民主主義を考える」
講師:池上彰・東京工業大学教授

授業は「学ぶ力と生きる力」を予定していましたが、国会解散で衆院選が近づいたので、急きょ、「選挙と民主主義を考える」に変更になりました。このへんはジャーナリスト(元NHK記者)らしい発想です。

 「衆議院議員の任期は4年。今の議員の任期は来年12月までありますが、安倍さんが突然、衆議院を解散したので、475人の議員は、ただの人になります」。なぜ安倍首相は解散したのか。加計学園問題などで支持率が低下したものの、内閣改造で支持率が回復したので、「いまなら勝てる」と判断したから。

 そこで学生に向かって「解散総選挙になったことについて、みなさんの感想を聞きたい」と問いました。学生たちは「政治家は勝手。自分の都合のいい時に解散する」「任期いっぱいやればいいのに」などと言いました。これを受けて池上さんは「任期4年いっぱいで解散総選挙したのは、これまで何回あったかな」と質問すると、「一回だけ」という答えが。「さすがだね」と感心する池上さん。「三木武夫首相の時にやりました」。

 なぜ「総選挙」というのか。「議員全員が選挙によって選び直されるからです」
では参議院はどうか。「議員の任期は6年。任期を長くしてあるのは、政策をじっくり話し合うためです。3年ごとに議員の半数を選び直します」。それはどうしてか。「衆参同日選挙があったとき、国会が空っぽにならないように、参議院の半数を残すことになっているのです」。参議院議員に立候補できるのは30歳になってから。「大人の立場で衆議院をチェックする役割があるからです」

 なぜ政党があるのか。議員が自分の意見を政策に反映させるために、同じ考えの人と組んだ方がいい。政策は多数決で決めるから、大勢いた方が有利。だから政党をつくる。安倍さんは憲法を変えたいといい、憲法を変えなくてもいいという政党もある。「これを今度の選挙で国民に判断してもらおうということになりました」。
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 2時間目は学生の質問に答える形で授業が進みました。いくつかの質疑を紹介します。
Q 選挙の時、「これを実現します」と言っておきながら、やらない人がいます。
A 選挙公約だね。国会で多数のならないと実現が難しいね。

Q 国会で採決したとき、同数になったら?
A 議長が決めます。

Q 小池さんはなぜ新しい党をつくったのですか?
A 将来、総理大臣になりたいからです。仲間を増やすために「希望の党」をつくりました。

Q ひどい総理大臣をやめさせられますか?
A 国会の不信任決議でやめさせられます。その時は国会を解散して選び直します。
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池上さんは最後に「君たちは18歳になると選挙ができるようになります。それまでに世の中のことをよく勉強して、これからの日本をよくするためにどうすればよいかを考えて、その考えに合った候補者を自分で選べる力をつけてください」と締めくくりました。



「感性をはぐくむ美術鑑賞」 [2017年10月02日(Mon)]

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2017年 第3回授業

9月23日(土)
東京国際大学 第 1 キャンパス 3 号館 314 教室

「感性をはぐくむ美術鑑賞」

講師:荻原延元/川村学園女子大学特任教授
   武蔵野美術大学出身で日本画家で、10年前から東京で「子ども美術館」という名前の  美術教室を開いています。

 「美しいものだけでなく、不思議なもの、怖いものも芸術。心の中の思いを表現するのが芸術です」と話した上で、日本や西洋の名画40点を一点ずつスクリーンに映して、ていねいに説明しながら授業が進みました。
 最初は「こども」をテーマにした絵画。アメリカの女流画家メアリー・カサットの「母子」と日本画家・上村松園の「母子」が映され、描かれた母子の様子や表情が違うことを指摘しました。ほかにピカソ「初めての雪」、フェルメールの「真珠の首飾り」など4点の紹介がありました。
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 次のテーマ「動物・鳥・魚」では、初めに「鳥獣戯画」(甲巻)が紹介されました。10メートルもある複製の絵巻物を教壇の前で広げて説明がありました。ほかに荻原先生が学生時代に指導を受けた奥村土牛の「牝牛(こうし)」など6点。「美しい季節と絵のものがたり」では、ブリューゲルの「冬の狩人」などを8点、
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「浮世絵」(6点)では、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」が登場しました。大きな波の向こうに富士山が小さく描かれた絵に、学生たちは「うぁー」と歓声を上げていました。最後のテーマは「不思議な絵・彫刻」(14点)。縄文土器からはじまって、奈良・興福寺の「阿修羅像」、俵屋宗達の「風神雷神」、ロダンの「考える人」、レオナルド・ダビンチの「モナリザ」、そして最後に川越出身の画家・小茂田青樹の「中魚画巻」(夜の昆虫)が紹介され、それぞれ見どころの説明がありました。
 「人々が大切にしてきた芸術作品は、人を感動させる力を持ち、心に響き、伝わる何かを持っています。紹介した絵で気に入った作品があれば、自分の思いを感想文に書いてくださいね」と話していました。
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講義の後、新聞部の学生が萩原先生にインタビューしていました。
 出席者は4年生53人、5年生47人、6年生44人の計144人。ほかに保護者など多数が参観しました。