子ども大学かわごえ 2017年度第2回授業
7月15日(土) 東京国際大学第1キャンパス314教室
「ゴム動力車を作って学ぶ『力』の科学」
山田和明・東洋大学理工学部機械工学科准教授
「身の回りにあるが、目に見えないモノ。それは何でしょう」。
はじめに先生は学生に問いかけました。「幽霊」「空気」などの答えが出ました。先生は「『力』もあるね」と言い、階段を上る、引っ張ったり、押したり、回したりなどの「力」を使う動作を挙げました。そして、モノを動かすのに力=エネルギーが必要で、それを蓄えるには、どうすればよいかについて説明がありました。
まず電気を蓄える。それは「電池」や「バッテリー」などで蓄えます。電気を起こすにはどうするか。水の力を利用した水力発電がそうです。水を高い所から流し落としてタービンを回し、電気を起こします。夜間はモーターで水を高い所に汲み上げ、それを落として発電し、足りない電力を補います。これを揚水式発電と言います。黒いパネルを使った太陽光による発電も、いまあちこちにありますね。
次に、引っ張る力を、どのようにして起こし、蓄えるか。(画面に「からくり人形」を写しました)、ぜんまいを巻いてバネに力を蓄え、これを使って人形を動かします。
押す力をどう作り、蓄えるか。(助手が大きな風船に空気を押し入れて、ふくらませます)。風船に入った空気を「圧縮空気」といいます。おもちゃの車に乗せたペットボトルに空気を圧縮して入れ、栓を抜くと、空気がボトルの口から強く噴き出して、その力で車が走ります。これで50mは走ります。圧縮空気だけで走るエコカーや、圧縮空気を使ってタービンを回して発電することも、いま実験中です。
回す力をどう蓄えるか。回転エネルギーですね。コマを回すと、やがて止まります。抵抗があるからです。その抵抗がなければ、いつまでもコマは回り続けます。太陽光で直径2mのコマを回転させて発電し、その電力を蓄えることも研究中です。太陽光を利用する自然エネルギーです。ただし、天候が悪いと、コマは回りません。それが難点です。
暑さ・寒さも蓄えられます。夜中に余った電気で氷をつくり、それを冷房に使います。寒さを保存できるわけです。電気で水を温めて温水にして使うこともできるわけです。
このように、身の回りにある「力」を利用して、明るい未来を築いてください。
2時間目はゴム動力車の模型づくりをしました。先生が設計した画用紙のシートを部品ごとに切り離し、組み立てて、輪ゴムで動かす工作。みんな一生懸命に取り組んでいました。時間切れで家に持ち帰った学生もいました)
授業で作成した、ゴム動力車作成動画は下記から