★理事長の個人のSNSで発信した記事の内容を転載します。
最初のニュースを聞いた時に、あの高さでジャングルジムで落ちて亡くなるって不自然やな。小学1年生の妹と高2(最初のニュースでは17歳の兄という報道だったので)の兄と公園で遊ぶかな? と違和感を感じつつ、大津市内という身近なところで小学生が亡くなったことにそれなりに悲しい気持ちでいましたが、昨日にはこのニュースの内容は変わって「妹に日常的な暴行の容疑で兄(無職)が逮捕」というセンセーショナルな事件になっていました。また母子家庭であったことも報道から見えてきました。さらに衝撃を受けたのは、すでに夏休みに入ってすぐに警察から児童相談所に通告されていた
児童福祉が関わっているという事実でした。
まだ報道された情報しか入っていませんが、日常的に妹に暴力をふるっていたとする無職の17歳の兄は、そもそも高校に行ってなかったのか、中退したのか、彼はこれから加害者という大きな十字架を背負うのでしょうけど、そもそも家で弱い立場であった妹に暴力をふるうという行動から、彼自身がおそらく中学時代から抱えていたと考えられる孤立や孤独やストレスを学校をはじめまわりの大人が気がついていたのだろうか? そもそも児童相談所は、7月末に警察から通告があってこのきょうだいに面談をしたのだろうか? いろんな疑問が頭をめぐります。そして亡くなった小学生の妹については学校が気がついていたのだろうか? 3月まで通っていた保育所はどうなのか? そもそも母子家庭でありながら、夏休みに学童保育を利用していなかったのか? そして被害者と加害者の親となってしまった母親。おそらく母親はこの暴力に気がついていた可能性は高いだろうけど、相談することは出来なかったのか?
そしてこの報道がこれからどこへ向かうかはわかりませんが、かわいそうな妹、ひどい兄、母親というところに集約はさせてはいけないと事件です。はっきり言ってしまえば、
大津市の子ども若者支援の弱さが顕著に出ている事件と感じるからです。これは以前から何度もあちこちで訴えていますが、
大津市は中学校卒業後の若者支援のメニューがほぼないということです。児童館、子ども食堂・寺子屋、無料学習支援など小中学生なら参加の機会はあれど高校生、まして中退した高校生が利用する社会資源が公的には少年センターしかありません。公的な機関が無理なら、民間団体で若者支援を広げるなら、そこを資金面で支援しなければ広がるわけがありません。この数日のつぶやきからわかるように、そのような活動をしようと思えば、結局支援団体自身が寄付を集めなければならない現状です。
続いて、亡くなった小学生の子どものような子がほっと出来る場や早い段階で暴行に気がつくような社会資源があまりにないということです。県の児童相談所はそもそもこのケースでもおそらくそうでしょうけど、なかなか一時保護や本人面談で困りごとを引き出す関係づくりが難しい。見守り支援に終わりがちな市の要対協の支援ですが、大津市にはやっと、先日の議会で昨年度から要望していた「支援対象児童等の見守り強化事業」がはじまり、うち(浜大津エリアで堅田から膳所あたりをカバー)と瀬田のNPOさんが委託を受けることになりましたが、当然それだけでは全く足りていませんし、今回はちょうどうちのNPOと瀬田のNPOの間の空白エリアで起こった事件でした。せめて、
瀬田・石山・浜大津・堅田の4カ所に「支援対象児童等の見守り強化事業」の拠点が必要になるはずです。
言えることは決して特別な事件ではなく、この
大津市内には同じような状況でこの夏休みを過ごしている子どもたちがたくさんいるということです。亡くなってから悲しむのも犯人さがしをしても、そのような環境にいる子どもたちを救うことは出来ません! まずはそれぞれの持ち場でやれることとして、うちは今こどもソーシャルワークセンターに来ている30人の子どもたちがこのような事件に巻き込まれないように、しっかり活動していくこと(そしてそのために不足している寄付を必死で集めること)。また夏休みの終わりに同じように命を亡くす子ども若者を一人でも減らすための
新たなアクションを起こしたいと考えています。一人やひとつの団体で出来ることは限られていますが、ぜひみなさんの力を貸してください。
今日はボランティアたちと様々な家庭や学校での生きづらさを抱える小学生たちを連れて高島でキャンプです。子どもたちには自然の中でいっぱいそのエネルギーを発散して、ボランティアの大人たちにいっぱいの愛情を受けてもらえるように頑張ります!
★この投稿の元になった時事通信社(8月4日)
「6歳妹に暴行、死なす 傷害致死容疑で17歳少年逮捕 滋賀県警」
についてはこの後に追記