CANPAN第2回CSRプラス大賞授賞式が開催されました!(パネルディスカッションその2) [2008年12月14日(Sun)]
「事業活動をしている地域の様子が見えているか?」
田村 CSR大賞は、20社のノミネート企業に対して市民が投票を行いました。今年は、取り組みから投票してもらう工夫をして、その結果、大賞はワッツビジョンでした。 投票者の人たちが、子育てをしながら働くことに価値観を持っていると同時に、会社の地域での様子が見えるということもあったのではないでしょうか。 大阪ガスやサラヤも、具体的に活動の地域が見えてきます。サッポロホールディングの協働契約栽培も、どの農家なのかということまで見えてきます。市民にとっては、「地域が見える」ということは、非常に評価・関心が高いということでしょう。 NPOや企業が何らかの形でつながれば、もっと地域が良く見えてくるように思います。 企業の方々に一言いただきたいと思いますが、企業からNPOに期待すること、逆に一緒に仕事をするにあたって引っ掛かることがあればお話しいただけますか。 企業であるがゆえの壁をNPOと一緒に乗り越える(横井) 横井 正直、まだまだ勉強不足のところもあります。 私自身もいくつかの団体に所属していますが、正直、企業からNPOは見えにくいです。何をしているのかわからないNPOや、中にはお金だけを求めて会社のことを見てくれないこともあります。 ただ、教育活動を続ける中で、会社であるがゆえに乗り越えられなかった壁が、NPO法人アスクネット(愛知市民教育ネット)と一緒になることでネットワークが広がり、思い描いていたことが実現できました。 経営者というのは、なかなかフラットな付き合いが少ないものですが、NPOとはフラットに付き合いができますし、その中から活動が生まれていきます。 田村 お金を求めるNPOが多いというのは良く耳にします。一方で、やっぱりNPOは経済的に困っているという現状があります。そこのミスマッチを埋めることは、社会全体の課題のようです。 横井 企業も多様化していますし、企業、NPO、ボランティアの境界がなくなってきていると思います。NPOも、「思い」だけではなくて、ある程度の自主財源を確保しながら、お互いにつながることができればと思います。 何をしているNPOなのかが見えること。対外的な発信力に期待(松本) 松本 当社には、「小さな灯運動」というものがあります。社員のボランティア活動を支援する組織を、会社の中に持ち続けています。ボランティア、NPOという意味では境界はないですね。 NPOとパートナーとしてお付き合いをする基準としては、まず何をしているNPOなのかが見えることです。他には、活動がごく一部に限られるよりも、社会全体に広がることの方が良いです。地域との関係性の強化や社員の成長、対外的な発信力という部分では、NPOに期待をしています。 社内には、NPOとの活動がいろいろありますが、すべてを把握できているわけではありません。各組織のNPOとの活動を洗い出して、見える化をして、素晴らしい活動は褒めることが大切かなと思っています。 田村 大きな会社になるほど、現場で起こっていることが分かりにくくなるかもしれません。報告書に書かれていることと、現場の人の行動が同じかどうか。見る側が気にしているのはそこです。NPOにも同じことが言えるでしょう。 お互いをよく知ってこそ、パートナーになれる(小辻) 小辻 出来ることには限りがあります。私たちもNPOが何をしているのかを良く知って、NPOも私たちの会社が何をしているのかを知っていただいてからでなければ、お付き合いは始まりません。NPOには、企業に出来ないことを可能にするパートナーとしての存在を期待します。 田村 企業には出来ないけれど、NPOには出来そうなことがあれば教えてください。 小辻 そこがなかなかわからないのです。ボルネオの取り組みも、サラヤだけの取り組みで終わらせてしまってはいけないのですが、企業同士のつながりを企業が生むというのは難しいようです。 田村 社会全体に広がりを持って活動をしているNPOに可能性を感じるということですね。 逆に、NPOの方から、「地域はこう思っているよ」というのはありますか? 井上 子育てというキーワードで、企業のCSRと合致してネットワークができればと思っています。 佐々木 私たちは、自然と農的な就労体験ができるフィールドを持っています。学習塾とはお付き合いがあり、子どもたちが植樹をするための苗の管理や関係者との橋渡しをさせていただいています。ニートの子どもたちを預かっていますが、企業とつながることで就労に結びつく橋渡しができるのではと思っています。 町田 渡良瀬エコビレッジは、7月に倒産した会社の保養所として里山整備からスタートしました。少しずつ、会社のお客さんに開放するようになっていきました。これからは私たちが維持することになるので、大変な面もありますが、行政や企業とつながりあって、地域活性化ができればと思います。 田村 是非つながりたいという企業も現れそうですね。市民の中にも応援したい方もおられるかもしれません。情報発信することがますます大切になります。 前のページに戻る 次のページに進む 授賞式開催報告TOPへ戻る 受賞企業発表&プレゼンテーションへ |