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■ノミネート企業15 [2008年08月12日(Tue)]

有限会社ワッツビジョン


全ての子どもが夢をもって学び合い、支えあい、笑顔があふれる社会を目指して、地域と共に生きる企業です。



国産唯一の手づくりタイルメーカーながら、目指すは子どもの笑顔あふれるまちづくり。創業から14年、子育てをしながらでも働くことのできるやさしい作業環境づくりに取り組んできました。自由な日程、時間で働くことができる完全フレックス制、作業効率を社員に託す出来高報酬制、子どもを会社に連れてきてもよい子ども同伴出勤制度など、ワーク・ライフ・バランスを考えたこれからの企業のあり方を実践しつつ地域に提案しています。



ものづくりは人づくり、人づくりはまちづくり


うちの仕事は『埃まるけ』

 「うちの仕事は『埃まるけ』なんですよ。」社長の横井さんが自社の話をする時、いつも最初にこう言う。

 しかしそういう横井さんの顔はいつも笑顔。埃が舞う仕事は普通だったら敬遠されそうなものだが、従業員集めに困っているようには全く見えない。働いている人も不満なんて感じてなさそう。

 『埃まるけ』の仕事場でみんなが生き生きと誇りを持って働ける秘訣は何なのだろうか。


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従業員との3つの約束

 ワッツビジョンは、従業員に対して3つの約束をしている。
ワッツビジョンの工房で
手作りタイルを作る従業員さんたち

@「働く時間は自由です。」
つまり、完全フレックス制なのだ。
例えば家庭のある女性だと、家事や子育てとの両立も容易になる。長期休暇を取ることも難しいことではない。

A「報酬は出来高制です。」
最低限の賃金は保障されるが、基本は自分が製造した分が給与となる、ということだ。この

 @とAにより、従業員は自分に合った働き方を選択することができる。時間があってのんびり働きたい、家事や地域活動もしたいのでテキパキ仕事をしたい、今月だけ少し多めに報酬が欲しいから頑張って働きたいなど、一人一人が自分の作業効率を考えて働くことができるようにしている。

B「子ども同伴出勤OK。」子どもを会社に連れてきてもらっても全然構わないのだ。
むしろ、親の働いている姿を子どもに見せることは大事なこととして、子ども同伴出勤を奨励しているぐらいだ。とはいえ、社内に託児所があるわけでもなく、専門の職員がいるわけでもない。工場の片隅にある社長室(という名の普通の事務室)で子どもを勝手に遊ばせておくだけ。何かあっても親が近くにいるので特に問題もなく過ごすことができる。

 その他にも、横井さんはよく従業員の話に耳を傾ける。対話を通じてよい意見などはどんどん取り入れることで、従業員も納得して働けるし、ひとりひとりの自主性も高まる。そうすることでコストダウンにもつながるので、かえって会社にもメリットが大きいのだという。

「会社で働く人にとっては会社の業績をあげるために働いているのでなく、“幸せになる”ために働いているのですよ。それが結果的に会社の業績につながっている。会社がそのための環境を用意するのは当然のことです。」


横井さんのいる社長室兼事務室が託児ルームとなる


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社会のあらゆる課題の源流が“教育”にある

一日中会社にいることがほとんどない横井さんは、よく地域に出かけていく。

 社長としてというより、地域社会の一員として、これまでにも様々な取り組みをしてきた。そうした活動の中で思い至ったのが「最終的に『教育』がまちづくりの源流」ということ。教育は地域全体で行うものと、週一回のペースで近隣の学校に行ってキャリア教育を実践するなど、毎日のように主に教育を中心とした市民活動をしている。

 それだけでも熱心さが伝わってくるが、さらに驚くのがそのプログラムの多彩さ。やきもの体験はもちろんのこと、マナー講座もすれば企業経営の体験プログラムをすることも。
 しかも横井さんの教育プログラムの特長は、ただ単に働く楽しさを教えるだけではない。働く厳しさも教えた上で仕事をやり遂げる達成感を味あわせ、厳しさの中にある自分の役割、自分のやりがいを感じてもらおうとしているのだ。


“ものづくり・人づくり・まちづくり”窯業の町瀬戸地域に根ざすワッツビジョン

「地域の教育力の低下は、将来間違いなく地域全体の企業力の衰えにつながります。」
たった従業員8人の企業だが、それでも地域のことを考えるのは、横井さんにとって至極当然のこと。横井さんにとって地域貢献ができない理由などないのだ。


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ワーク・ライフ・バランスが伝統産業を救う?!

 日本の伝統産業である窯業。しかし、「せともの」で有名な瀬戸地域に限らずどの地域でも衰退の一途を辿っている産業でもある。
 「伝統」を維持したいという意志がいくらあっても、変わり行く社会情勢についていくことができず、産業復興施策は空振りばかり。これは窯業に限らず多くの伝統産業がそうではないだろうか。

 しかし横井さんは言う。
「誠実に地域や家庭とつながる職場環境を考えれば、必ず、企業と共に伝統産業は発展していきます。」

 仕事が自分の住む地域の伝統産業を守ることにつながっているのなら、こんな素敵なことはない。


特定非営利活動法人 地域の未来・志援センターからのコメント

 ワッツビジョンは国内唯一の手づくりタイルメーカーなので、それこそ日本中から注文が殺到している。「仕事がたくさんあるのですから8人だと少ないのでは?規模を大きくはしないのですか?」と問いかけると、「今の規模が適切なんですよ。」と穏やかに答える横井さん。会社は大きくするためにあるのではなく人が幸せに働くためにある、という信念がここでも窺えた。「足るを知る」経営。わざわざCSRと呼ぶ必要がないほどの、力強い経営の原点がここにある、そう感じた。




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