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愛知CSRセミナー開催レポート [2008年07月30日(Wed)]

第2回 日本財団CANPANCSRプラス大賞 連動企画

地域企業のCSRセミナーin東海



【日 時】 2008年7月30日(水) 13:30〜16:30

【参加者数】61名

【主 催】 NPO法人 地域の未来・志援センター

【地域協力】サステナブル経営研究会

【協 力】 日本財団(公益コミュニティサイトCANPAN
      ダイバーシティ研究所





【内容】
<第1部>
■ 基調講演:
 「これからの企業経営とCSRについて」 
 田村太郎氏(ダイバーシティ研究所代表、甲南女子大非常勤講師)


田村氏は、この地域の特徴として、「東海地方では、多文化共生に力をいれて
いる地域です。今後、外国人労働者に限らず、地域でCSRを考えることが大切
でしょう。」と話した。

海外では、CSRとSRIが一緒に広がっています。どういうことかというと、
投資先は儲かっているのはもちろんですが、どのように儲けているのかという
視点でもみています。そのときには、CSRに注目しています。

日本の企業では環境面では力を入れており、環境報告書が出ている企業が大変
多くなっています。一方ダイバーシティなどの社会面についての取り組みは
まだまだ進んでいません。

海外の企業は、どの民族が何パーセント、男女比がどれくらいなどの社会面を
開示しています。日本は文化の違いもあり社会面については世界から遅れて
います。

最後に「地域全体で総合的な取り組みをし、地域SRの視点で取り組むことが
大切」と話した。「東海地方のトリプルボトムラインは、みんなの責任で!」


<第2部>
■ 地域の企業のCSR取組事例発表・パネルディスカッション
  事例紹介企業3社



株式会社山田組 代表取締役 山田厚志氏


もっと「つながろう」ということを考えて活動しています。つまり、現場を見てもらう、地域に飛び込むことをしています。自分たちが一番かわろうとしています。たとえば、市民の方が自分たちが行きたい場所(現場)を企画してそれにこたえるかたちで講座を開催しています。

なかでも300人から400人くらい地域の人を巻き込んで、防災の訓練は地域に根差してきたと感じています。どのようなことをするかというと、体育館に畳を引いてそこで実際に過ごす、炊き出しをしてみるなどと実際を想定して、行っています。
また、これに関連して「地域防災大会」を行いました。地域の意識が芽生え、またマスコミに取材されました。

このことがさらに防災の意識が高まると感じています。このような活動が若手社員の定着にもなっているのは大きな効果だと思います。


有限会社ワッツビジョン 代表取締役社長 横井暢彦氏

家庭環境と教育の充実を考え、会社をたちあげました。収益は社会に還元する経営を目指しています。経営理念には、「ものづくり・ひとづくり・まちづくり」を考えています。たとえば、女性が子育てしながら働ける職場づくりとして、社員が働きたい日程、時間を自由に決めて出勤するなどの取り組みをしています。子ども同伴出勤も可能です。

また、全ての子供が自由に学べる教育環境の実現に向けての支援として、職業体験の受け入れを通じ、陶磁器産業の振興にも力を入れています。


鍋屋バイテック会社 取締役会長 岡本太一氏

創業450を迎えるものづくりの老舗企業です。ゆっくり、必要なだけ、つくり、無駄を出さないことをしています。社員が世間とのつながりを大切にし、工場もオープンハウスで見せながら地域の方を招いた花見などのイベントをしています。楽しく仕事し、世間様にいいことをするという会社経営をしています。

「売り上げ目標・利益目標を設定しない。」「結果より、手順を大事にする。」売り込むのではなく、売れるものをつくり、利益を出すのではなく、利益が出るものを作ります。社員が地域とつながっていることで、生きがいをもつような仕組みを考えています。

社長だけが誇れる会社ではなく、社員も誇れる会社にしたいです。


左から 岡本太一氏、横井暢彦氏、山田厚志氏


■ パネルディスカッション

・各社採用基準はどのようなことがありますか?
→一生懸命働ける人。(横井氏)
→愛情と、情報が集まる人を採用する(岡本氏)
→工夫をした。たとえば、1時間150円の退職金制度。
 あと何日働いたら退職金がもらえるということをしている(岡本氏)

・地域からの見え方はどうなったか?
→地域から声をかけられるようになった。(山田氏)
→社員の地域を見る目がかわった。(山田氏)

・外部株主の影響は?(会場)
→企業の収益性を社会に還元できる、CSRをしているというのは、株主に対してメッセー
ジを出すことと等しい(全員)


選ぶ基準を示せることが正しい。社会変革を促すツールとしてCSRがあるのではないかと思っている。(田村氏)



■CSRプラス大賞へのノミネート企業に決まりました。
参加者投票で、下記の企業にノミネート企業に決まりました。

「有限会社ワッツビジョン」


■ CSR情報発信の提案

日本財団 経営企画グループ CANPANチーム木田悟史

日本財団CANPANチームからは、リーダーの木田がCSR情報を公開することによって市民と
企業を結ぶしかけをつくっているので、情報発信を積極的に行ってほしいという提案がありました。


++参加者の感想+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

・CSRとは何か?具体的に企業として何ができるかイメージが膨らんだ。(30代 女性 自営業)

・地域企業のCSRの事例を具体的に知れたことが良かった(50代 男性 非営利団体)

・学生という立場で貴重なお話を聴けたこと、大変うれしく思います。専門用語など少し難しい部分もありました。(20代 男性 学生)

・もっとたくさんの事例を聞きたい気持ちでいっぱいになりました。最近参加したどんな講習よりも、とても有意義な時間を持てました。(40代 男性 会社員)

・3社の実施するCSRの本来の趣旨を聞くことができ、今後の自社の活動の道筋づくりを深く考えさせられることができた。(40代 男性 会社員)

・目が開かされた。愛知のものづくりの原点を聞くことができた。(20代 女性 会社員)

・地域でのSRの重要性から各企業の事例発表まで、共働の可能性を強く感じました。
(20代 女性 非営利団体)

・CSRを取り組まなきゃ、という考えが正直好きではありません。それぞれが楽しく、意義を感じて地域や職場の人と取り組んで、結果、より大きな社会レベルからも評価されると思います。(20代 女性 会社員)


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