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直面したPCB土壌汚染とその対応/企業の環境対応事例・コバレントマテリアル [2009年03月03日(Tue)]
 企業の社会的責任(CSR)を果たすことが要求される時代、対応次第では経営問題にも発展する可能性を秘める環境対策への備え、実践は重要だ。しかし、ステークホルダーへの説明責任など情報の公開や管理、そして客観的に適切な対応であることの評価を受ける対応は容易ではない。対応に苦慮するケースが多いPCB汚染土壌に直面したものの、行政や住民とのコミュニケーションを経て間もなく処理が完了する見通しとなったコバレントマテリアル(東京都品川区)を取材した。(名古屋悟)

 土壌の自主調査で検出されたPCB

 2005年10月末、同社刈谷事業所(愛知県刈谷市)でPCBを含む土壌の存在が明らかになった。旧耐火製品工場の生産設備の一部解体に伴い、周辺土壌が汚れていないかを確認するために自主的に調査したところ、その一部からPCBを検出した。翌月には拡大調査を実施し、検出範囲を特定。PCB検出個所周辺および敷地境界の土壌、地下水からは検出されず、検出範囲は限定的な範囲と特定できた。

 しかし、対応は早い。「負の遺産は残さない」。同社の香山晋社長の意向の下、早期に行政、住民に報告するとともに除去作業を行うことを決定し、同年12月には愛知県に報告。対策等について指導を受けた。

 06年1月17日に、県民の生活環境の保全等に関する条例第40条に基づく汚染拡散防止のための応急措置等の届出を県に提出し、翌日には同社ホームページで公表した。行政の指導等を受けた同社は直ちに周辺住民に説明するため、翌月11日に住民説明会を開いた。

 PCBが検出された原因は何か。

 刈谷地区での同社事業は、1918年東洋耐火煉瓦刈谷工場としてスタート。現在、半導体製造用をはじめ各種ファインセラミックス製品や電子部品焼成用導具材などを製造している。

 同社の調べによると、PCBに関する法的規制の開始以前の69年から73年まで耐火物製品の生産設備の熱媒体としてPCBを含む熱媒油を使用していたことが分かった。熱媒体循環ポンプの据付、メンテナンス時などに熱媒油が漏洩したことが原因ではないかと推定された。現在はすでに同設備は撤去、廃棄されている。

 経緯の説明、汚染土の適切管理

 「住民の方々が不安を抱えるのは当然のこと。悪い物はすぐに分かりやすく、見えるように処理する」。同社の基本方針の下、住民説明会では事業所の沿革や製造、使用しているもの、PCBが検出されたと推定される状況を解説し、不安を抱える住民の質問などに答えたという。

 06年4月から8月にかけて対策対象土壌を掘削除去し、PCBを含む土壌をドラム缶に詰めて防液提内に置き、流出等の防止措置を施した上で、保管場所に関係者以外入れないよう施錠し、管理した。その後も敷地境界における水質検査を定期的に実施している。

 判断難しかったPCB対策

 しかし、「当時、PCBを含む土壌の処理について公的機関が認めた施設等はなく判断が非常に難しかった」と同社経営推進本部安全衛生・環境部の井上俊哉部長が振り返る通り、直面したPCB土壌汚染の処理技術を決定するのは容易なことではなかった。

 「信頼できる技術でないと困る」。排出事業者の責任として最も重要視した点を井上部長はこのように指摘する。当時、複数の技術が候補に挙がっていたが、最終的に東芝、テルム、鴻池組が共同開発した「ジオスチーム工法」に決定した。コストの面では同工法より低価格な技術もあったが、決め手はやはり“信頼性”だった。

 土壌から汚染物質を除去する間接熱脱着法と土壌から蒸発させた汚染物質を水蒸気で完全に分解する「ジオスチーム工法」は当時、研究段階ではあったが、環境省や国土交通省の実証実験で高い評価を得ていた。加えて、「ジオスチーム工法」では浄化した土壌をセメント原料などに再利用する点にも着目し検討した。

 行政と環境保全協定結んだ信頼性

 07年3月にテルムは「ジオスチーム工法」の定置型汚染土壌浄化事業について、北九州市と環境保全協定を締結。行政が認めた初のPCB汚染土壌処理施設となった。同施設では協定に基づき、周辺環境モニタリングを実施し、結果を公表するほか、受け入れる汚染土を搬出汚染土管理票で排出から処理の完了まで管理する仕組みを標準化している。

 「処理先の行政や住民との信頼関係も排出者として重視する必要がある」。北九州市との環境保全協定が処理先を決定する同社の経営会議でも説得力があるものとなり、最終的に浄化を依頼することとなった。

 07年12月に刈谷事業所の汚染土の処理が始まり、来月にも対象土約751トンの処理が完了する見通し。跡地は現在、汚染個所を掘削後、埋め戻し土で復元され、更地になっている。

 なお、PCB汚染土壌浄化施設は昨年、東芝、テルム、鴻池組3社が共同出資して設立した「ジオスチーム」が事業を継承し、今月には施設を拡充。従来の8倍の処理能力のある施設となっている。

 住民説明会を機に増えた交流

 この土壌汚染をきっかけに刈谷事業所では大きく変わった点がある。住民説明会を機に、周辺の住民の方々とのコミュニケーションが増えたと言う。「工場見学を行ったほか、敷地内での花見などに招待するようになった」と話す。処理の進捗状況を周辺住民に報告するなど継続的にコミュニケーションを続けている。


(出典:環境新聞、2009年2月25日)


[URL] 環境新聞 http://www.kankyo-news.co.jp/
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