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企業の社会性を調査・評価する [2008年05月21日(Wed)]
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企業の社会性を調査・評価する
執筆者:特定非営利活動法人パブリックリソースセンター
     プログラムオフィサー 杉田教夫__________________________________________________________________________________________________________________________________


1. 唯一の非営利・中立の評価機関として

 SRI(Socially Responsible Investment=社会的責任投資)とは、「社会的責任に配慮したお金の流れ=投資」を総称し、CSRを果たしている企業への投資、CSRを果たすことを求める株主行動、コミュニティへの投資など広範な活動を意味しています。

 パブリックリソースセンターが、SRIに関わるようになったのは2000年、国内初の本格的SRIファンド「あすのはね」(朝日ライフアセットマネジメント株式会社)の開発と調査・評価に参画したことが始まりです。2002年からは日本株として唯一のSRI株価指数(モーニングスター株式会社)の開発に参画、全上場企業を対象としてCSR全般に関する調査・評価を実施し現在に至っています。

 SRIと呼ばれる投資信託は2006年11月末現在、日本株を主とするもので20本あり、投資残高は約2500億円、企業の社会性に関する調査・評価を行う機関も数機関あります。その中で、パブリックリソースセンターは唯一の非営利・中立の評価機関として特色を持っています。


2. なぜNPOがSRI評価を行うのか

 では、なぜNPOが投資信託や株価指数といったことに関わるのか。それは、パブリックリソースセンターのミッションと結びついています。パブリックリソースとは、社会的課題に取り組むための人や資金、組織、情報などの資源であり、私たちはその資源の開発や新しい流れを作ろうと活動をしています。SRIは前述したように、「社会的責任に配慮したお金の流れ=投資」であり、この流れが大きくなること、すなわち市民が投資を通じて企業の社会性向上に参画すること、企業が社会的責任を果たしグッドカンパニーになっていくことは、新たな市民社会において大切なことだと考えています。


3. 企業の「責任」と「創造性」を市民の立場から評価する

 社会と共生する企業とはどのような「企業像」でしょうか。1つには、企業活動の全てのプロセスに、環境や社会的公正への配慮を組み込み、多様なステイクホルダーに対し情報を公開しコミュニケーションを行うことで「説明責任」を果たすこと。2つには、社会的な課題に対し、事業活動として取り組み、新たな価値を生み出す「創造性」を持つこと。この二つの側面を合わせ持つことが必要だと考えています。

 これを私たちは、「ガバナンス・アカウンタビリティ」、「マーケット」、「雇用」、「社会貢献」、「環境」の5つの分野から見て「評価」しています。


4. ステイクホルダーに対する情報の開示とコミュニケーション
                   −−進みつつあるが十分とはいえない

 今回は、私たちの調査で基本的事項として重視している、ステイクホルダーとの関係、すなわちステイクホルダーに対し必要な情報が開示されているか、ステイクホルダーとの双方向のコミュニケーションが図られているか、ということを見てみましょう。

 CSRとは社会の抱える課題を企業として引き受けることが本質です。社会的課題は非常に幅広く存在しますから、その中の何をとりあげて、企業として対峙していくかを決める必要があります。そのためにはステイクホルダーと対話を行い、ステイクホルダーが企業に期待していることを理解することが欠かせません。その意味で、ステイクホルダーとの対話はCSRの実践の中核といえるでしょう。

 <図1>は、どのような情報が開示されているかを現しています。コーポレートガバナンス(「企業統治」と訳され、企業における意志決定の仕組み、不正を防止する機能のこと)、環境、地域・社会貢献活動、採用関係という項目が8割前後と高い比率で情報開示されていることがわかります。一方、製品リコール・安全性、調達関連、採用以外の雇用については5割台でやや低い結果になっています。自動車や暖房機、湯沸かし器などで製品の欠陥による死傷事故が起こっていることは記憶に新しいと思います。「安全」に関わる情報が十分に開示されていないことは問題だと言わざるを得ません。また、雇用に関しても、従業員が生き生きと働ける環境にあるか、キャリア形成をする仕組みがあるか、雇用に関する法律が守られているかといったことは株主や消費者にとっても重要な情報です。情報開示とは、都合の良いことだけを開示したり、トピックス的に一部の情報を開示することではなく、その分野に関する方針や目標、実績を包括的に明らかにすることであることは言うまでもありません。


<図1>情報開示の内容


 <図2>は、ステイクホルダーとのコミュニケーションが図られているかを現しています。定期的な意見交換を行っているかとの問いについては、株主、従業員、消費者が比較的高く、調達先、地域社会、環境などは半数以下となっています。ステイクホルダーというものを狭い範囲で考えている企業が、まだ多くあるということでしょうか。また、単に意見交換を行うだけでなく、ステイクホルダーと建設的な意見交換を行い、そこでの提案を経営活動に反映させ、計画をステイクホルダーに約束し結果を報告するといった、ステイクホルダーの参画(ステイクホルダー・エンゲージメント)になると、従業員を除くどのステイクホルダーとも3割以下に留まっています。
 

<図2>ステイクホルダーとのコミュニケーション、エンゲージメント


5. 企業と市民セクター

 ステイクホルダーとのコミュニケーションは、単なる意見聴取や意見交換から、具体的な協働の目標設定などに向けて、今後徐々に深まっていくことが期待されています。コミュニケーションから改善や進歩を生むためには、ステイクホルダー、特にNGO、消費者団体、地域コミュニティなどの市民セクター側が、継続的に責任を持って企業の対応に関わっていくことも必要です。双方がコミュニケーションを通して成長し、持続的可能な社会づくりに貢献することが目指されているといえるでしょう。
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