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CANPAN CSRプラス コラム&ニュースリリースのバックナンバー


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2010年版CSR報告書情報開示調査の傾向について(後編) [2011年04月27日(Wed)]



5.調査結果
※以下の分析においては、調査実施企業581 社を対象としている。CANPAN CSR プラスデータベ
ース「CSR 企業情報」に掲載されている値と異なることにご留意いただきたい。


(1) 総合点数・大項目の推移

 全企業の総合点数の平均は17.82ポイントと、09年度調査より0.92ポイントの上昇がみられる。
また、大項目については、「世間良し」7.49ポイント、「売り手良し」3.89ポイント、「買い手良し」6.45ポイントとなった。それぞれにおいて点数の上昇がみられるが、依然「売り手良し」の立ち遅れが目立つことは変わらない。

[表4 総合点・大項目 全体平均年次推移]



図1 総合点・大項目 全体平均年次推移(2008〜2010年)



(2)中項目の年次推移

中項目の全社平均点と年次推移は表5の通りである。
情報開示度が最も高い項目は「1-4 環境負荷情報の開示(2.93ポイント)」、次いで「3-3 コンプライアンス(2.28)」、「3-1安全の情報公開(2.02)」と続いている。一方、情報開示度が低い項目は、「売り手良し」の項目が中心で、「2-3 強制労働の防止(0.33)」、「2-1 人権問題(0.84)」、続いて「3-4 個人情報に関する取組み(1.05)」となっている。上位3項目、下位3項目ともに09年度と同じである。点数変動を見ると、「1-2 持続可能な開発に向けた取組み」の伸びが大きい。

[表5 中項目 全体平均年次推移]



図2 中項目 全体平均年次推移(2009〜2010年)




(3)分野別業種別情報開示状況

  表6は分野別・業種別の情報開示度をまとめたものである。
 サンプル数が5件以上の業種に限ると、総合計点数平均が高い業種は「電気・ガス業(25.80)」、「ゴム製品(23.40)」、「その他製品(22.20)」である。同じくサンプル数5件以上で総合計点数平均が低い業種は、「その他金融業(14.00)」、「小売業(13.62)」、「サービス業(10.67)」である。

[表6 分野別・業種別 情報開示情報]




(4)小項目別掲載企業数、情報開示率

 小項目別の掲載企業数および開示率(掲載率)をまとめたのが、表7である。
 開示率の上昇が大きいのは、「1-2-04.生物多様性への配慮(前年比+19.44%)」、「3-3-04.全従業員へのコンプライアンス研修の実施(+13.43%)」「2-3-02.過剰労働防止のための取り組み(+11.39%)」である。
 下降率に関しては、「3-1-01.第三者機関によるラベリングの導入(−16.13%)」「1-3-03.代替エネルギーの利用促進(−9.15%)」が目立つが、これは評価基準を厳格化したためである。「3-1-01.第三者機関によるラベリングの導入」においては「くるみんマーク」、「1-3-03.代替エネルギーの利用促進」においては「モーダルシフト」をそれぞれ評価対象から外している。

[表7 小項目別掲載企業数・開示率 年次推移]




6.調査を振り返って

(1)全体的傾向

 「4.報告書名称について」で示したように、2010年度も「環境報告書」発行数の減少が見られた。「CSR報告書」の名称でESG(環境・社会・ガバナンス)情報を開示する企業のすそ野が広がっており、環境集中型の情報開示からの脱却が一層顕著になっている。
この傾向は各調査項目を見ても明らかで、特に「世間良し」に注目したい。「世間良し」の中項目では「1-4 環境負荷情報の開示」が高止まりを示す一方で、「1-1 社会貢献に関する取り組み」「1-2 持続可能な開発へ向けた取組み」が上昇していることが分かる。「1-4 環境負荷情報」は既に多くの企業が情報開示しており、その分、地域での社会貢献や国際的課題への取組みの伸びが目立っていると言えよう。なお、「1-3 環境・社会的な課題に対する体制と普及」に関しては漸減が見られるが、小項目「1-3-03 代替エネルギーの利用促進」の厳格化に伴うものであり、その他の小項目については上昇傾向である。
 「売り手良し」、「買い手良し」においても情報開示の進展がみられる。しかしながら、表4、図1からもわかる通り「売り手良し」の開示はいまだ立ち遅れており、情報開示に偏りがあると言わざるを得ない。

(2)特徴的な項目

グローバル課題への関心、今年も上昇。特に、生物多様性ガイドラインの策定が急増している。 情報開示度が最も上昇した小項目は「1-2-04.生物多様性への配慮」であった。生物多様性基本法の成立や「日本経団連生物多様性宣言」の公表などが影響していると思われる。なかでも記述が増えているのが、独自の生物多様性ガイドラインの策定、もしくは前述の日本経団連の宣言への賛同で、これらの記述は259件中74件にのぼる。一方、環境アセスメントやモニタリングの記載は13件にとどまっており、ガイドライン策定を受けた今後の企業行動に注目したい。
また、「1-2-03 児童労働・強制労働」、「1-2-02 国際的な社会課題への関心」についても昨年に引き続き数値が上昇しており、国際課題への関心の高まりがうかがえる。特に、総合点の高い企業にこの傾向が見られる。

社会貢献への関心も増加。「1-1-01 寄付に関する情報」は8割の企業が言及。 「1-1-01 寄付に関する情報」の伸びにも注目したい。8割の企業で開示されており開示率は全項目中3番目に高い数値、前年に比べると7.41%増加している。同様に「1-1-02 社員のボランティア活動(前年比+2.07%)」「1-1-3 NPO・NGOとの協働(+4.34%)」、「1-1-04 災害時における地域貢献(+2.35%)」についても程度の差はあるがいずれも増加しており、社会貢献についての関心が高まっている。

なお、「1-1-01 寄付に関する情報」は、2006年度第1回調査における開示率は57.22%に過ぎなかった。2010年度開示順位1位の「1-4-01 CO2排出量」、2位「1-2-01 ISO14001の認証取得」、4位「1-4-04 ゼロエミッションに関する取組み」が、いずれも調査開始当初から80%程度の開示率を保っていることと比較すると、寄付に関しての情報開示が進んだことが見てとれよう。
「2-2-03 ワークライフバランスへの支援」は今年も上昇。情報開示は子育て支援中心。 次に注目したいのが、ワークライフバランス関連の項目である。「2-2-03 ワークライフバランスへの支援」の開示率は66.61%(前年比+3.06%)。2009年度に前年比+9.93%という大きな伸びを示したが、2010年度も上昇した。この項目では法律で定められた以上の施策の開示について調査している。育児・介護休職期間の延長や短時間制度といった子育て・介護関連の施策、リフレッシュ休暇などが見られた。
 この項目と関係が深い「2-2-02 法定休暇取得状況」は開示率42.69%で全項目中20位であった。育児休暇取得状況は227件、介護休暇の取得状況は102件、有給休暇取得状況は74件で開示されており、子育て支援の情報としての情報開示が目立っている。

 2009年度の本レポートでは、「サービス残業等防止の取り組み」が下位にとどまっていることから、ワークライフバランスの取り組みは育児支援や福利厚生などファミリーフレンドリー施策が中心であると指摘した。本年度は「2-3-02 過剰労働防止のための取組み(「サービス残業等防止の取り組み」より項目名変更)」の開示率27.37%(+11.39%)と大きな伸びを示している。ワークライフバランス実現に向け前進しているように見えるが、本調査の対象年度が2009年度であったことを考慮すると、いわゆるリーマンショック後の業務調整によるものであると推測せざるを得ない。

また、研修に関する項目の開示率がいずれにおいても上昇しているのも、本年度の特徴である(「3-3-04 コンプライアンス研修(+13.43%)」、「2-1-04 人権研修(+7.73%)」、「3-4-04 個人情報保護研修(+3.61%)」、「1-3-02 SR研修(3.21%)」)。この背景について断言することはできないが、「2-3-02 過剰労働防止」同様にリーマンショックによる業務調整の影響は否定できず、来年度以降の動向を注視したい。

コーズリレイテッドマーケティング商品・サービスは環境中心。寄付は大規模な団体へ。 2009年度よりCRM(コーズリレイテッドマーケティング)の手法を取り入れた商品・サービスの掲載の有無について調査している(加点対象外)。昨年は48件の掲載があったが、2010年度49件とほぼ横ばいであった。内容については、環境に関する取り組みが大半で、そのほか途上国の貧困支援になる取組みやピンクリボン運動への賛同が見られた。寄付先は大規模団体が中心だが、支店が開発したCRM商品の寄付先を地域のまちづくりNPOとしている企業もあった。

ISO26000への言及は急増。ただし、活用はこれから。 昨年度よりCRMと同様に、ISO26000への言及を調査している。2009年度は557件中9件であったが、2010年度は581件中30件に増加。内容を見ると、社長メッセージでの言及や第三者意見における指摘が中心で、具体的な活用は少数である。活用事例としては、ISO26000に沿った報告書構成や、CSRガイドラインへの反映、SR研修への組み込みのほか、自社の課題抽出および検証に使用している例が見られた。






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