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2008年版CSR報告書にみる情報開示度の傾向について(後編) [2009年05月15日(Fri)]
(前編を読む)


3)情報開示度の高い企業

情報開示度の高い上位30社の情報開示度と、3分野ごとの合計点を示したものが表5である。
 48項目中39項目の情報開示があった「凸版印刷」が、最も情報開示度が高い結果となった。30項目以上の情報開示があった企業は、以下の30社であった。「東芝」「ニコン」「日立製作所」などの精密・電気機器メーカー、「花王」「ライオン」や「グンゼ」「帝人」「旭化成」「東レ」などの一般消費財メーカーが、これまでの調査と同様に高得点であった。
一方、2007年度は総合点数順位の上位を占めていた電力・ガスは、新たに設けられた中項目「持続可能な開発へ向けた国際的な枠組みへの参画」において振るわず、取り組みが進む他のグローバル企業と比べて相対的に順位が下がる結果となった。

[表5 総合点数が30点以上の企業]


4)分野別業種別情報開示状況

分野別・業種別の情報開示状況をまとめたのが表6である。
「世間良し」分野で開示度が高い業種は「パルプ・紙」(10.20)と「石油・石炭製品」(9.60)であった。共通するのは天然資源を直接的に利用し、製品の一部を最終消費者まで供給する業種という点であろう。「売り手良し」分野では「証券・商品先物取引業」(8.50)と「保険業」(7.40)で、「銀行業」 以外の金融系業種において開示度が高いといえる。「買い手良し」分野は「保険業」(10.60)において開示度が高い 。

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2 「銀行業」はCSR報告書に相当する報告書がない場合、「ディスクロージャー誌」を調査対象としているため、環境関連の情報が少なく、全体として情報開示度は低めである。
3 「空運業」は「買い手良し」11.00ポイントだが、サンプル数は1である。
「電気・ガス業」は分野を問わず情報開示度が高い。その他、総合計点の高い業種は「繊維製品」「医薬品」である。また、3分野ともに開示度が低い業種は「水産・農林業」、「鉱業」、「サービス業」となっている。

[表6 分野別業種別情報開示状況]


5) 項目別掲載企業数

 項目別の掲載企業数をまとめたものが表7である。
 今回の調査で情報開示が進んだことがわかったのは、「寄付に関する情報」(72.24%)、「内部統制に関する取り組みについて」(65.00%)、「ワークライフバランスへの支援」(53.62%)であった。また、項目別の開示度順位では下位にとどまってはいるが、「NPO・NGOとの協働」(26.38%)と「全従業員へのコンプライアンス研修の実施状況」(25.00%)も向上している。

[表7 項目別掲載企業数]


4.調査をふりかえって

 調査対象に非製造業の報告書の数が増加し、報告の形式、記述の内容については多様化が進んでいる。また、項目別の開示度の変動や、自社製品の不具合に関する新規項目の比較的高い開示度から、「買い手良し」分野への企業の対応は一層進んでいることがうかがえた。一方、そのために「売り手良し」分野、特に「労働者としての権利に関する取り組み」や「強制労働の防止に関する取り組み」は、ますます、立ち遅れているという印象が強くなっている。

 また報告書の形式が「環境報告書」から「CSR報告書」へと移行が進むにともない、「社会貢献に関する取り組み」の情報開示が進んでいる。またEMS(環境マネジメントシステム)や環境負荷情報については、データの詳細をウエブサイトに掲載して報告書には概要のみを記述する企業も増えてきた。

 こうした環境に関する項目の情報開示の進化に比較して、従業員の人権についての取り組みやサプライチェーンの取り組みを支援・推進する項目については、情報開示が依然として進んでいない。新規項目とした「自社製品の不具合・リコール・不祥事等の情報」は29.83%、「生物多様性への配慮について」は19.66%の報告書に記述があったが、「採用に関するガイドライン」は2.93%、「外国人労働者の雇用に関するガイドライン」については0.69%の報告書での情報開示にとどまっている。

 「ワークライフバランス」や「ダイバーシティ」について記述する企業も増えているが、内容は「正規職員の再雇用」や「ファミリー・フレンドリーな休暇の充実」が中心で、非正規労働者やサプライチェーン全体での取り組みについての記述が少ないことも気になる点である。人的多様性への配慮を勧めることは、地域や地球の持続可能な発展において重要な意味を持つことは、世界的な共通認識となっている。組織の社会責任について包括的な取り組みを求める「ISO26000」の発行が2010年に迫る中、環境一辺倒の情報開示姿勢は早急に是正する必要があるだろう。

(前編を読む)

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