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CANPAN CSRプラス コラム&ニュースリリースのバックナンバー


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2009年版CSR報告書情報開示調査の傾向について(後編) [2010年04月28日(Wed)]



6.調査結果

1)総合点数の推移

 557社の総合計平均点は16.90ポイントと、2008年度の総合計より0.65ポイント上昇した。08年度は収集企業を広げ総合点が下がったが、今年度は対象企業数(主に銀行業)が23社減ったため、再び上昇している。

[表4 総合点数・大項目全体平均の年次推移]



2)大項目・中項目の年次推移

大項目及び中項目の平均点と年次推移は表5の通りである。
中項目別では、情報開示度が最も高い項目は「1-4 環境負荷情報の開示」(2.99ポイント)、次いで「3-1安全の情報公開」(2.14)、「3-3 コンプライアンス」(2.11)、と続いている。
一方、情報開示度が低い項目では、「売り手良し」の項目が中心で、「2-3 強制労働の防止」(0.22)、「2-1 人権問題」(0.33)となっており、調査開始以降、この傾向に変化は見られない。

[表5 中項目全体平均の年次推移]



[図1 中項目平均の年次推移(2008〜2009)]



3)分野別業種別情報開示状況

分野別・業種別の情報開示状況をまとめたのが表6である。
「電気・ガス業」は分野を問わず情報開示度が高い。その他、サンプル数が5件以上の業種に限ると、総合計点の高い業種は、順に、「保険業」(24.20)、「その他製品」(20.75)、「精密機器」(19.57)である。総合点の高い業種は、「売り手良し」の点数の高さが特徴である。
また、3分野ともに開示度が低い業種は「サービス業」(7.50)、「水産・農林業」(11.00)、「銀行業」(11.87)となっている。

[表6 分野別業種別情報開示状況]



4)小項目別掲載企業数

 小項目別の掲載企業数をまとめたものが表7である。
 上位の項目にほとんど動きはないが、今回の調査で「1-4環境負荷情報の開示」に属する項目の点数が上がっている。これは調査対象から、環境負荷情報の掲載率が低い銀行業の件数が減少したことにより、結果的に上昇したものである。
その他の項目の上昇率では、「2-2-03ワークライフバランスへの支援」(+9.93%)、「1-3-04 サプライチェーンのSR推進支援や協働による技術開発」(+9.04%)、「3-1-03 労働災害発生率数」(+6.21%)となっている。
下降率が大きかったのは、「1-3-02 全従業員を対象とした環境・SR研修」(-20.11%)である。今回から評価基準を厳格化し、環境研修及びSR研修の双方が揃って加点としたため、開示率が下がったものである。

[表7 項目別掲載企業数]




7.調査をふりかえって

調査対象から銀行業の件数が減少しその影響による点数変動はあるが、他にも、いくつかの特徴が見られた。

「2-1人権問題」、「2-3強制労働」は依然立ち遅れが目立つが、ワークライフバランス・ダイバーシティはわずかに上昇
「売り手良し」分野の中項目である4項目に分化の傾向が見られた。サプライチェーンやバリューチェーンなど、取り組みのバウンダリーが課題になる「2-1人権問題」、「2-3強制労働」は、下降あるいは現状維持で、依然立ち遅れが目立つが、「2-2 労働者としての権利」、「2-4雇用や昇進の差別」はわずかに上昇傾向にある。ワークライフバランスやダイバーシティは徐々にではあるものの拡がりをみせていることが分かる。

小項目では「2-2-03:ワークライフバランスへの支援」が最も上昇率が高く、「1-3-02:全従業員を対象とした環境・SR研修」の下降率が最も大きい
 情報開示の上昇率が最も高かった小項目は、「2-2-03:ワークライフバランスへの支援(前年比+9.93%)」であった。取り組みの内容は「くるみんマークの取得」が最も多く、354件中、102件を「くるみんマーク」が占め、社内保育所の設置や育児休職者の復職支援の取り組みも散見される。
 一方、ワークライフバランス実現のための主要な要素のひとつである「サービス残業等の防止の取り組み(長時間労働防止を含む)」については、開示件数89件(全体で33位)で下位に留まり、昨年度よりも開示率が0.74%下がっている。「ワークライフバランス」の取り組みは、育児支援や福利厚生などのファミリーフレンドリーが中心であることが伺える。 

グローバル課題への取り組みの開示が増加傾向に
開示率が上昇した小項目には、「1-2-02 国際的な社会課題への関心・関与」(前年比+5.38%)、「1-2-04 生物多様性」(前年比+5.48%)といった、グローバル課題に関する取り組みも目立つ。また、ステークホルダーダイアログもMDGs(国連ミレニアム開発目標)をテーマにした企業が増えていることから、途上国の貧困撲滅や生活環境の向上といったグローバル課題に関する企業の関心の高まりが伺える。特に、総合点が高い企業群にこの傾向が顕著に見られる。

CSRガバナンスやネガティブ情報の開示も増加
「1-3-01 CSR推進体制」(前年比+4.60%)の項目の開示率が上昇しており、CSRに関する専門部署の設置が進んでいることが分かる。また、「3-2-01 自社製品の不具合・リコール・不祥事等の情報」(前年比+3.39%)の開示率も増加しており、自社製品のリコール・不具合情報だけでなく、談合や独禁法違反、行政処分や社員の不祥事など、企業活動に関するネガティブ情報を開示し、ステークホルダーとのコミュニケーションを積極的に進めようとする姿勢が伺える。
コーズリレイテッド商品・サービスは環境中心
 今回新たに、CRM(コーズリレイティッドマーケティング)の手法を取り入れた商品やサービスの開発・取り組みの掲載の有無について調査した(加点対象外)。557件中、言及があった件数は48件であり、内訳は、環境に関する取り組みが大半で、社団法人国土緑化機構「緑の募金」への寄付、カーボンオフセット商品の開発などが多く見られた。その他、「Table For Two」(1食あたり2円を途上国の栄養向上に寄付するしくみ)の活動に賛同して社員食堂で寄付する取り組みを行う企業もあった。

ISO26000への言及はごく少数
上記に加えて、加点対象外の調査項目として、2010年に発効予定のISO26000(あらゆる組織の社会責任に関する国際規格)に関する記載を調べたところ、557件中、わずか9件であった。具体的には、ステークホルダーの選定やCSR方針の見直しにISO26000のガイドラインを活用するケースであった。

ウエブサイトとの連動
 昨今の景気悪化やCSRコミュニケーションの深化を受けて、CSR報告書の形態も多様化してきている。CSR報告書の発行を取りやめ、自社のウエブサイトでCSR情報を提供する企業が増加する一方、製造業を中心にコンパクトな概要版と数百枚に及ぶ詳細版を使い分ける企業もあり、二極化が進んでいる。CSR報告書を中心にしたCSRコミュニケーションのあり方が過渡期を迎えたと言えよう。今後は、本調査のあり方も含めて議論を深めていきたい。









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