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候補企業一覧 [2007年09月14日(Fri)]

「CANPAN第1回CSRプラス大賞」候補企業の一覧
候補企業について、皆さんのご意見をお聞かせください。こちらからどうぞ!
株式会社コミュニティタクシー:候補企業 [2007年09月14日(Fri)]

株式会社コミュニティタクシー

駅待ちなし。流しなし。乗るには電話予約が必要。しかも繁忙時には30分待ち。それでも待つお客さんがいる。柔軟なサービス精神とそこから漂う安心感。こんなタクシー、他にない。「うちはタクシー業ではありませんよ。生活支援業ですよ。」便利屋事業やサロン事業とも連携し、今や地域に不可欠なサービスを提供しています。
 移送・生活サポーターとして<地域生活支援企業>を目指す
市民のためのタクシー会社

元々岩村社長はトラック会社を経営していた。時代はバブル景気から一転、経営状況は厳しくなるばかり。「いったい何のために仕事をしているのだろうか。仕事とはもっと人から喜ばれるものなのではないだろうか。」

そんな折、タクシー業が規制緩和されると知った。自身、客としてタクシーを使っていて思うに「そういえば気持ちよく乗せてもらえることは少ない」。短距離の場合などは乗車拒否をされることすらある。

しかも岩村社長の地元・多治見市は、車が主な移動手段でもある。特に高齢者にとっては、バスと共にタクシーは市民の足として欠かせない存在のはずである。しかし、タクシーに対する市民の満足度は決して高いとは言えない。ここに「市民の市民による市民のためのタクシー会社」設立を決意し、2003年1月、株式会社コミュニティタクシー(以下、コミタク)は設立された。


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地域に不可欠な存在へ

最近、「コミュニティビジネス」というビジネス形態が注目を集めている。地域の問題を、地域資源を活かしビジネス的視点も取り入れてながら解決しよう、というビジネス形態である。ここではビジネスは会社を継続させるための手段であり、目的はあくまで地域の問題解決なのである。コミタクは、構想段階から事業コンセプトを「コミュニティビジネス」と定めていた。このコンセプトこそがこれからの時代に必要なビジネスのあり方である、と岩村社長は考えていたからである。

コミュニティビジネス事業者は、何よりも企業理念を大切にする。コミタクの企業理念は、「地域住民の生活環境向上、高福祉社会の形成、地域経済の活性化に寄与する」と定められた。この理念のもと、市民の視点に立ったサービスが次々と展開されることとなる。これはコミタクの顧客層を見れば分かりやすい。コミタクは高齢者に人気がある。高齢の顧客に病院への送迎を頼まれたドライバーは、到着後自然と病院への受付まで付き添う。

ドライバーの中にはヘルパー2級の資格を持っている者もいるし、福祉車両も所有している。さらに必要に応じて2名体制で移送支援を行うなどケアは厚い。もう一つ、コミタクならではの顧客がいる。それは子ども達である。学童保育や塾への送迎時、今までなら親が車で送迎するところを今ではコミタクが担っている。子どもを持つ親から見て、コミタクは子ども一人でも安心して預けられる存在として認知されているのである。

コミタクは、地域のタクシー業界の中では1割程度の台数シェアしかない小さい存在である。それゆえ、時間帯によっては予約しても30分待ちになることもしばしば起こる。しかし、それを“待つ”お客さんがいるのである。もはや地域に不可欠な存在として市民から認知されているのである。

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市民によるタクシー会社

どうしてコミタクのドライバーは、そんなに懇切丁寧な対応ができるのであろうか。実はコミタクのドライバーズマニュアルは、創業時に集まったドライバー同士が何度も話し合いながら作りあげたものである。しかも、そこの集められたドライバーで、タクシードライバー経験者は一人もいなかった。だからこそ、顧客視点で「こんなタクシードライバーだったらいいのに」という意見を結集することができたのである。徹底的に顧客視点で作られたドライバーズマニュアルのサービスが悪いはずがない。

また、給与体系も特徴的である。通常タクシードライバーといえば歩合制である。しかしこれが様々な問題を生み出していることを岩村社長は見抜いた。ドライバーの過密労働による安全性の減退、短距離の乗車拒否などのサービス低下などは、ここに原因があったのである。コミタクのドライバーは固定給である。これによりドライバーは安心して顧客サービスに専念できるのである。コミタクのメンバーは、なぜかリストラや廃業、自己破産、離婚などを経験した人生の再チャレンジャー組が多い。そういった人たちが「地域の役に立ちたい」と言って集まってくるのも、コミタクならではかもしれない。

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市民のタクシー会社

タクシー業界の常識を覆すコミタク(コミタクからすると、理念に基づいて考えていたら、既存のタクシー業界とは全く違うサービスになった、というだけであろう)は、最初から順風満帆だったわけではない。創業当初は、いくら地域貢献を謳っても「どうせ金儲けでしょ」と思われることも多かった。現実は金儲けなど程遠く、赤字続きの経営が続いていたのである。しかし、そういったピンチにいつも助けてくれるのは、実は市民だったのである。

コミタクは株式会社だが、その株主は73名もの市民なのである。創業からしばらく、知名度不足もあり赤字が続いたが、市民株主たちは「コミタクを潰してははならない」と、何度ものピンチに際し増資に応じてくれたのである。中には、「困っているならなぜ早く言わない」とありがたい文句を言う株主もいたとか。

今や地域でも押すに押されぬ有名企業となったコミタク。現在は、タクシー事業のほかに便利屋事業、貸し切りバス事業、福祉事業、新交通システムとしての「住民主体のバス事業」を展開。2006年3月には、経済産業省「創業・ベンチャー国民フォーラム2006」地域貢献賞を受賞している。

地域の未来・志援センターからのコメント
 

岩村社長に今回のインタビューをさせてもらって一番印象に残ったのは、「CSRって何?」(笑)。実は、何度説明しても分かっていただけませんでした(苦笑)。

「なぜそんなものが必要なのかがわからない。普通に経営していればいいじゃないか。」

そう。岩村社長にとって、普通に経営することが、そのままCSRだったのです。「CSRなんて難しい言葉使わなくていい。CSRなんて言わなくても、それが当たり前になる社会の方が大事です。」日本の全ての企業がこういう企業であればいいのに、と思いました。

ソニー株式会社:候補企業 [2007年09月14日(Fri)]

ソニー株式会社

ソニーは、ステークホルダーの関心に配慮し、適切なコミュニケーションを行うとともに、コンプライアンス、品質、雇用・労働環境、環境、社会貢献といったCSR活動を通じて企業価値の向上を図っています。これらの活動の網羅的・専門的な情報開示をCSRウェブサイトで行うと同時に、楽しくわかりやすいCSR情報サイト「For the Next Generation」を開設し、より幅広い層からアクセスしていただけるよう取り組んでいます。
すべてのステークホルダーから尊敬される企業に
CSRのルーツは「設立趣意書」

「CSR」という言葉が使われるようになったのは最近のことであるが、ソニーにとっては創業以来ずっと行ってきたことである。

事実、1946年に書かれた「設立趣意書」を見ると、経営方針として「不当なる儲け主義を廃し、あくまで内容の充実、実質的な活動に重点を置く」「量の多少に関せず最も社会的に利用度の高い高級技術製品を対象とする」「従来の下請工場を独立自主的経営の方向へ指導育成」「会社の余剰利益は適切なる方法をもって全従業員に配分、また生活安定の道も実質的面より充分考慮援助し、“会社の仕事即ち自己の仕事”の観念を徹底せしむ」などが掲げられている。
これらは、ソニーの企業活動が当初から事業を通じての社会貢献を志向するものであり、サプライチェーンや従業員に対する企業の責任も視野に入っていたことを示していると言えるだろう。

しかし、「CSR」という言葉を導入したのもソニーは早かった。CSRを担当する専門部署を置いたのも、以前から発行していた「(社会)環境報告書」のタイトルを「CSRレポート」と改めたのも2003年のことである。どちらについてもソニーは日本で最も先駆的企業の1つである。

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すべてのステークホルダーの視点を取り入れて

現在では、グローバルな視点であらゆるステークホルダーの関心や期待に配慮した企業経営を行うことは、世界的トレンドから当然要求されることであるという考えに基づき、経営上の意思決定においても、事業遂行の過程においても、株主・顧客・社員・調達先(サプライヤー)・ビジネスパートナー・地域社会・その他関連機関を含むソニーグループのすべてのステークホルダーの目から見て“価値ある企業”となることを目指している。

CSRレポートやウェブサイトでの情報開示は、専門家の批評に堪えられるような水準を満たすものである必要があり、かなり質の高いものを作っている。

一方、すべてのステークホルダーに情報を伝えるためには分かりやすさも大切である。

そこでソニーは、楽しく分かりやすい一般向けのCSR情報サイトを開設している。                http://www.sony.co.jp/next/

ここではCSRの基礎知識やソニーが行っているCSR活動が非常に分かりやすく、しかも自然に関心が広がっていくように工夫して紹介されている。

これは、より幅広い層の人々にCSRを理解してもらえるように行われている努力の一例である。

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グローバル性と多様性

グローバル性と多様性はソニーの大きな特徴である。実に、グループ社員の半数以上が海外にいるのだ。

それぞれに文化の違いなどもあり、また業種や分野も様々ではあるが、それでもソニーとしての基準は全世界共通のものにしたいという。もちろんそれを共有するための方法としては多様性が確保されなければならない。

例えば、「ソニーグループ行動規範」は事業活動を行う各国の言語に合わせて24言語に翻訳されている。また、人権研修を含めた当行動規範に関連する研修は、全従業員を対象に行っているが、そのプログラムは各地域の主体性を重んじ、それぞれの文化や社会的背景に応じて独自に開発されている。

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植根中国 長遠発展

さらに特筆すべきは、中国との関わりである。1970年代に中国でビジネスを本格的に開始して以来、ソニーは「植根中国 長遠発展(中国に根ざし、共に長期的な発展を目指す)」をスローガンに、様々な中国でのステークホルダーに配慮した企業活動を行っている。

例えば、将来の中国ビジネスを担う人材育成と相互理解促進のため、中国の高校生を日本に招き、ソニー社員宅でのホームステイの機会提供などを行うプログラムを毎年実施している。日本の企業や学校、家庭での生活体験を通じて日本社会に対する理解を深めてもらい、日本の先進技術に触れ学んだことを持ち帰って活かしてもらうおうとする取り組みである。

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社員一人ひとりのCSRマインド

障碍者雇用の分野では、ソニー・太陽(株)が障碍者に 雇用機会を提供する特例子会社の認定を1978年に受けている。また、製造分野の職場に おいて車椅子の人でも作業ができるなどのユニバーサルデザイン化も推進されている。 このように、設備などのハード面や制度は既にかなり整備されている。しかし対人的なサポートやコミュニケーションに関しては社員一人ひとりの意識の向上が必要であり、CSRマインドをいかに根付かせるかが課題である。

例えば社員対象に行う取り組みも堅苦しいテーマや内容の研修会ではなく、楽しく自然に学べる企画に力を入れている。障碍者バスケットボールや環境問題をテーマにした映画上映を取り入れた連続講演会は、多くの社員の積極的な参加があり大変好評だったとのことだ。

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ソニーらしさを活かしたCSR活動を

ソニーは、イノベーションと健全な事業活動を通じて企業価値の向上を追及することが企業の社会に対する責任の基本であると考えている。

今後は、当然果たさなければならない社会的責任に加えて、特にグローバル性と技術力といったソニーらしさを活かしたCSR活動を積極的に展開したいという。

ソニーならではの技術力を活かしたCSR活動としては、「プレイステーション3」の優れた演算能力を医学研究に役立てたり、非接触ICカード“FeliCa”技術を活用した電子マネー“Edy”を社員募金に導入することにより、より多くの社員が募金活動に協力するなどの成果を既に上げている。

パートナーシップ・サポートセンター調査員から
「人」から成り立つ会社なのだから社員一人ひとりの気持ち、そして仕組みや制度があってもそれに対する社員の精神面を高めることが重要であると担当者は述べられた。社員一人ひとりをしっかりと守り、尊重する体制の中で社員が主体性を持ってグローバルに整備された制度などを活用することがソニー独自のCSRの基盤であると感じた。(Fk)
株式会社富士メガネ:候補企業 [2007年09月14日(Fri)]

株式会社富士メガネ

富士メガネでは、‘見える喜びをより多くの人に’という思いのもと、「人々の健全な視機能向上と見る喜びに奉仕」「豊かな文化の創造繁栄に貢献」することをビジョンに掲げており、眼鏡、補聴器等の販売、サービスの提供と事業活動を通じて、社会のさらなる発展に貢献することを目指しています。
世界一のめがね屋さんのCSR
富士メガネの難民支援のきっかけ

富士メガネでは、CSRという言葉が一般的ではなかった時代から ‘メガネと視力ケア’の仕事の延長として、盲導犬育成資金への寄付や、視科学の専門職者としての立場から盲学校へ視覚障害に対する知識や対応について解説、さらに老人保健施設などでメガネのクリーニングと調整を行うなど、積極的に社会貢献活動に取り組んできた。

現在、富士メガネが行っている様々な活動のうち、もっとも長く継続し、良く知られているのは難民支援活動である。そのきっかけとなったのは、同社の会長である金井昭雄氏がアメリカに留学した際の体験である。金井氏は66〜73年にかけての留学中、アリゾナのネイティブ・アメリカン保護地区などを訪問し、視力補正のためのスクリーニング(検査)と眼鏡の寄贈活動に参加する機会に恵まれた。その時の感動的な体験で、専門分野を通じた人道支援活動に対する関心が高まり、機会があれば取り組みたいという思いを強めていったという。

1975年のベトナム戦争終結に前後し、インドシナ三国(ラオス、カンボジア、ベトナム)では新しい政治体制が発足、カンボジアのポル・ポト政権下で虐殺を逃れる人びとや新体制の下で迫害を受けた人びとが難民となってタイに逃れていた。タイに保護されていたインドシナ難民は、アメリカやカナダなど第三国への定住の機会を得て、定住先で自立するための語学研修やオリエンテーションなど様々な教育や、職業訓練をキャンプ内で受けていたが、当時のキャンプには40歳以上の難民が多く、その中には老眼がはじまっているにもかかわらずメガネがなく、見ることに不自由を強いられている人々があふれていた。


避難途中で破損したり、メガネをかけているだけで知識階層や富裕層とみられてしまい、危険であるとの理由からメガネを捨てたりしたためである。このような状況のなか、1980年代初頭にキャンプの担当者から難民の教育効果をあげるためにも日本からメガネを寄贈してほしいという要望があった。こうして「日本から使用済みのメガネを手入れして送る」という支援を行った。

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視援隊

しかし、会社の創業45周年を機に、支援物資としてメガネを送るだけではなく、現地を直接訪問して視力検査や適切なメガネの選定を行うことに。そのため、海外支援活動に関心のある社員を募り、適切なメガネの入手が困難なアジア諸国の難民救済のため、『海外難民視力支援ミッション』(視援隊)を組織したのである。

富士メガネは「視援隊」としてこれまでにタイ、ネパール、アルメニア、アゼルバイジャンなどを訪れており、1983年から2007年8月までにUNHCRを通じて寄贈した新しいメガネは112,326組にのぼる。また1987年から毎年中国残留孤日本人孤児へもメガネを寄贈するなど、その活動は世界中の人々に見えることの喜びを伝えている。

また、このような活動に参加した社員は、物がはっきりと見えるようになった難民が喜ぶ姿を目の当たりにすることで、自分たちの仕事がいかに人のために役立つものであるかを実感し、使命感を再認識、大いに成長して、本業でも力を発揮することができるのだという。

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グローバルコンパクト

富士メガネは、国連の提唱する「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」について、世界的に確立された10原則を支持し、実践していく国連グローバルコンパクトに参加している。 このように富士メガネは「我々は人々の健全な視機能向上と見る喜びに奉仕して、豊かな文化の創造繁栄に貢献する」という社是のもとで本業を通して企業市民としての責任を日常業務の中に徹底している。 今年7月にはスイス・ジュネーブで開催された第二回グローバルコンパクト・リーダーズサミットにグローバルコンパクトに参加する日本企業の中から推薦を受け、出席した 。

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活動を通して

視力ケアのプロとしての活動に対し、2006年、金井氏はUNHCRより難民支援活動に多大な貢献をした個人または団体に贈られる「ナンセン難民賞」を日本人として初めて受賞している。また、難民支援活動は、1992年に日本国外務大臣表彰、2000年には財団法人ソロプチミスト日本財団より「社会ボランティア賞」、2004年には朝日新聞社より「第1回朝日企業市民賞」を受賞しており、国連難民高等弁務官の緒方貞子氏、UNHCR日本・韓国地域事務所代表、河野外務大臣、国連難民高等弁務官ルード・ルベルス氏などさまざまな人物が富士メガネの難民支援活動に対して感謝状や盾を贈っている。

北海道サポートセンターからのコメント
「見ることの専門技術者としてできる事を行う」といった、専門力を活かした企業活動は企業の社会的責任と企業活動が統合した姿を実現しているだろう。企業が一体となって取り組んでいる活動は海外だけではなく、国内での盲学校への支援や、その地域の商店街などとの連携も有名である。難民支援に始まり、さまざまに活動の幅を広げつづけている同社は、支援を必要としている側だけではなく、その活動に関わる、全ての人々に喜びを与えているように思う。
奈良中央信用金庫:候補企業 [2007年09月14日(Fri)]

奈良中央信用金庫

奈良中央信用金庫は昭和23年創業以来「常に地元の皆さまと共に、地元の発展に貢献する」という理念の下、協同組織の金融機関として、預金と融資を通じて社会的役割を果たしてきました。さらに全国に先駆けてNPOローンを創設したり、役職員個人と金庫本体からのマッチングギフトで拠出金を積み立て、社会貢献活動に役立てています。
地域貢献の理念がCSRにつながる
『ちゅうしんチャリティコンサート』から始まる

奈良中央信用金庫は、“豊かな社会生活の実現”“地域社会繁栄への奉仕”という信用金庫のビジョン実現をめざして設立された地域密着型の金融機関である。

奈良中央信用金庫のCSR活動は、1991年8月に開いた『ちゅうしんチャリティコンサート』が地元への文化貢献・社会貢献活動の始まりである。

会場に足を運んだ顧客に募金を呼びかけ、それに奈良中央信用金庫の役職員がマッチングギフト形式で募金を行い、地域の福祉施設整備を支援するなどに活用されている。

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『NPOローン』の創設

阪神・淡路大震災をきっかけに、市民活動団体に簡便な方法で法人格を与える制度として、特定非営利活動促進法が1998年12月に施行された。2007年7月末には、認証を受けた特定非営利活動法人(NPO法人)が、32,000を突破した。

とはいえ、いかに理想を高く掲げ、意欲あふれる人たちが集まっても、組織として活動を続けていくためには、やはり資金が必要である。その資金が手許になければ、一時借り入れてでも活動を軌道に乗せたいと願う団体は多い。奈良NPOセンターからの強い要請に応じて、奈良中央信用金庫が全国の信用金庫に先駆けて2000年5月、NPO法人を対象に限度額300万円、利率2.8%の『ちゅうしんNPOローン』の取り扱いを開始した。

現在までの実行件数は10件足らずと多くはないが、奈良中央信用金庫役職員がNPOの存在に関心を高め、またNPO活動に関わる人たちの間で「奈良中央信用金庫」の存在感が高まったのは間違いない。

ちなみにこのNPOローンがきっかけとなりその後全国の信用金庫に広がった功績が認められ、2002年6月、全国信用金庫協会の『第5回信用金庫社会貢献賞・特別賞』を受賞している。

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NPOローンがきっかけで高まった社会貢献の機運

『ちゅうしんNPOローン』の創設を機に、奈良中央信用金庫内では地域貢献、社会貢献の機運がいっそう高まった。

会長・理事長のかねてからの意向も受けて、2001年4月には希望者を募り、役職員によるボランティア組織「ちゅうしんボランティアクラブ」が設立され、同時に「なら・ちゅうしん基金」が創設された。奈良中央信用金庫役職員のほぼ全員がこれに賛同し、毎月の給与からの300円と奈良中央信用金庫本体からの同額拠出金分を合わせ、年間およそ200万円を社会貢献活動のシードマネーとして積み立てている。

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「なら・未来創造基金」の誕生

「なら・ちゅうしん基金」の主な使い道は「なら・未来創造基金」への全面協力である。「なら・未来創造基金」とは、奈良NPOセンターと奈良中央信用金庫が協働で2003年に立ち上げたコミュニティファンドで、奈良を元気にし、豊かに暮らせる地域社会をつくるための研究やそれを実現するためのプロジェクトを行う市民活動団体に助成金を提供している。

この助成の特色は、市民活動団体が他の助成制度で困る点をできる限り取り除こうとしたところにある。

 (1)助成対象団体の法人格の有無、活動期間、活動分野は問わない

 (2)他から助成を受けた事業でも対象とする

 (3)人件費に当ててもいい

 (4)一般管理費も認める

2007年まで5回にわたり、延べ29団体に総額750万円の助成を行っている。毎回20〜30団体からの応募があり、書類選考、公開プレゼンテーションを経て8人の選考委員によって助成団体が決定される。

こうした貢献が認められ、2005年、全国信用金庫協会の『第8回信用金庫社会貢献賞・地域再生しんきん運動優秀賞』を受賞した。

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「その他のCSR活動」

奈良中央信用金庫では、この他にも以下のような活動を行っている。

(1)『高齢者擬似体験装具の寄贈』/小中学校などでの教育用に開発された高齢者擬似体験装具を年に2〜4セット奈良県社会福祉協議会へ寄贈する。(2006年度からは、点字学習セットを同協議会を経由して地元小学校へ寄贈)

(2)『NPO会計セミナー』/NPOで事務・経理を担当するスタッフを対象に、収支計算書などの会計書類の作成をサポートするセミナーを毎年4回シリーズで開催する。 

(3)『ヒマラヤ桜の植樹』/環境浄化木「ヒマラヤ桜」を営業エリア内の小学校に順次植樹している。 

(4)『ちゅうしん子育て応援団』/奈良県の“なら子育て応援団”に加入し、多子世帯支援の金利優遇商品を取り扱っている。 

(5)『こども110番』/奈良県警とのタイアップにより、地元児童の見守り活動を行う。

奈良NPOセンターからのコメント
地域貢献が「当然の使命」

今後、「官」から「民」への流れは加速し、医療、福祉、介護、教育、環境などさまざまな分野の民営化が進むものと予想される。奈良中央信用金庫では、公共サービスを担うこうしたNPOを支援することは、地域金融機関である奈良中央信用金庫にとって地域貢献、社会貢献として「当然の使命」であると考え、役職員一同が積極的にCSR活動に取り組んでいる。NPOを支援するという一貫した奈良中央信用金庫の姿勢は、地域を豊かにすることをめざす信用金庫の中でも高く評価されてよい。

道栄紙業株式会社:候補企業 [2007年09月14日(Fri)]

道栄紙業株式会社

道栄紙業株式会社は、創業当初より一貫して上質紙や紙パック等の古紙を原料に、再生紙のトイレットペーパー・ティシュペーパーを製造し、森林資源の保護・ごみ減量を唱え、活動して参りました。現在も徹底した品質管理のもと、製品開発から製造、廃棄物処理に至るまで、一貫した環境配慮型企業として地域社会に貢献しています。
古紙再生の先駆者が目指す森林資源保護への取り組み
地球環境を考えたシステム作り

今年で操業28年目の企業である道栄紙業株式会社は、一貫して古紙を原料にして再生紙製品を製造し、森林資源の保護とゴミの減量を唱えて「地球にやさしい企業」として活動を続けている。創業当時、北海道のトイレットペーパー市場は、道内産のほとんどがパルプ物(一部古紙混入品)であったため、再生紙トイレットペーパーの使用率は異常に低く、民生上の問題をかかえていた。しかし、現在では、道栄紙業の参入により、再生紙トイレットペーパーの使用率も大きく上昇している。

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古紙リサイクルを極める〜牛乳パック回収から機密文書処理まで〜

同社のCSRは「人」「地域」「自然の恵み」への感謝が基本理念となっており、地域とともに「ごみ減量」活動を行い、廃棄物ゼロを目指して研究開発を行なっている。同社が現在最も力を入れている、牛乳パック回収による紙パック再利用運動は、旭川に住む女性から道栄紙業が受けた1本の電話に始まった。現在では、その活動は道内にくまなく広がり、全国でも優秀な回収率を誇る運動となっている。

また、家庭やオフィスから発生する古紙で、従来、分別しない限り原料として再利用できなかったもの(折込チラシ、包装紙、使用済コピー用紙、名刺等)を、「ミックスペーパー」と称し、原料として使用する研究を重ねた結果、現在では原料として使われるようになっている。さらに、ファイルの金具などの理由で、原料には使えないとされていた「機密文書」もダンボールに入れたまま溶解し、処理することを可能にしている。

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市民の声から生まれた北海道紙パック会とゼロエミッションへの挑戦

同社では地球環境を守るために森林資源の節約をはじめ、少しでも役だつことができればと、社内に「グリーンセイビング」という部署を設けている。この部署は、1987年に市民運動者からの要請で組織した北海道紙パック会の活動を担当し、全道で12億枚以上の紙パック回収を達成した。市民団体「循環ネットワーク北海道」の会員でもあり、事務局に社員を派遣して、資源リサイクル運動の定着を目指している。

また、同社がそのグループ全体で取り組んでいるのがゼロエミッションである。これはすべての廃棄物に付加価値を見つけだし、原材料を最後まで利用しつくすことである。資源を活かす生産工程を考えたり、リサイクルの活用法などを生み出すことが、新しい循環型産業システム「ゼロエミッション構造」を創りだす。これからの環境キーワードとして、世界的に注目を集めるこの概念は、個人レベルから、企業、地域、国家にいたるまで、さまざまな広がりをみせている。

このゼロエミッションの考え方にのっとって道栄紙業が取り組んだのが紙の完全なリサイクルである。再生紙を製造する際に排出されるペーパースラッジは、炭酸カルシウムなどの無機物と微細で再生されなかった紙繊維からなる産業廃棄物である。このペーパースラッジを再資源化するための研究開発を重ねた結果、高い比表面積を有する良質な炭化物を得ることができた。この炭化物は土壌改良材や融雪材、家畜ふん尿処理材などの農業資材として利用されるほか、工業資材や建築資材などへの積極的な用途開発も行っている。

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「科学技術庁長官賞」受賞。更なるステップアップへ

このような企業努力に対し、難再生古紙の再生処理技術を開発育成、地球規模の環境保全・森林資源の保護に貢献したとして、社長の黒崎昇氏は「科学技術庁長官賞」を受賞している。 その他、市民・行政・回収事業者などの連携により北海道全域での紙パック回収と再資源化を展開し、回収率の向上に大きく貢献していることが評価され「環境庁長官賞」を受賞している。

98年には『真の環境配慮型企業』を目指して国際標準化機構(ISO)が定める「ISO14001規格」の認証取得を表明、各部署から代表者を選出しプロジェクトチームを発足。計画、実施、結果、反省の手順を繰り返しながら全社一丸となって取り組み、99年にこれを取得した。また06年には「ISO9001規格」の認証を取得している。

北海道NPOサポートセンターからのコメント
‘私達にできること’という視点で限りある森林資源の保全を目指し、古紙のリサイクル運動に取り組んでいる同社では、その取り組みをより多くの人に知ってもらうため、ホームページ上でミックスペーパー・機密文書の回収や牛乳パック回収、リサイクルマークや容器包装リサイクル法、グリーン購入などをわかりやすく説明、実践しており、その内容の丁寧さには驚かされる。消費者と連携しあって活動し、発展している同社の取組みには、今後、広く環境問題を考えるときだけではなく、その地域の生活を考えたときにも、地域の人々にとってなくてはならない企業となっていくのではないだろうか。
カシオ計算機株式会社:候補企業 [2007年09月14日(Fri)]

カシオ計算機株式会社

カシオは、創業以来「創造 貢献」を経営理念とし、「小型、軽量、薄型、省電力」技術をコア・コンピタンスとした独創的なモノづくりを通じて、人々の暮らしを豊かにすることで社会に貢献してきました。これからも経営理念を追求し続け、社会から信頼される企業として、持続可能な社会の実現を目指して参ります。
社会貢献活動―中でも次世代を担う子どもたちへの社会教育に力をいれるカシオのCSR
社会貢献活動―中でも次世代を担う子どもたちへの社会教育に力をいれるカシオのCSR

「世間よし」の視点、中でも社会貢献活動で力を入れているのは、次世代を担う子どもたちへの社会教育である。2004年度からスタートした「一万人の工場見学」では、2006年度末までに地域の小学4・5年生や教育関係者約700名が甲府カシオの工場見学に訪れた。工場見学で、子どもたちは「家族の絆」「科学の力」「夢の実現」への気付きが「生きる力」へ結びつくこと、さらに、「思いやりの気持ちの大切さ」を学んでいる。カシオが導入の部分で話す内容は、「60兆個の細胞で出来ている身体の素晴らしさ」「DNAが持つ無限の可能性」「地球環境との係わり」それらの内容から命を大切にというメッセージを伝えている。 体験学習として、実際に電卓を組み立てることで、子どもたちは製品の構造と機能を理解し、科学の素晴らしさに気付き、一生懸命努力することで必ず夢が実現することを学ぶ。 子どもたちがカシオに寄せたお礼の手紙には、子どもの感動した様子、様々な気付きが良く表われている。また、子どもの感動や気付きは、両親にも少しずつだが、伝わり始めている。こういった取り組みは地元マスコミでも大きく取り上げられた。

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グリーン調達、グリーン購入の推進―環境に配慮した生産資材、オフィス用品の優先購買

カシオでは生産資材の購買(グリーン調達)及びオフィス用品の購買(グリーン購入)において、環境に配慮した生産資材、オフィス用品の優先購買を行っている。

グリーン調達においてはグリーン調達基準書に基づき、国内外の取引先からカシオが特定した26の化学物質に対する含有率調査を全ての購入資材に対し実施している。

グリーン購入においては、購入担当者がパソコン上で、購入品カタログの中から、環境マークが付いた環境に配慮した文具・事務用品・OA機器などの間接材商品を優先的に購入している。2006年度はカタログ掲載品に対する環境マークのついた間接材商品の購入比率が、2007年度の目標としていた60%を前倒しで達成した。2007年度はさらに、対象拠点の拡大を図り、グループ全体のグリーン購入を推進していく。

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環境負荷改善の取り組み―「毎日改善」活動を通じ、さらに省エネルギーに
八王子技術センターは、環境にやさしい省エネビルとして設計・建築し2003年に完成した。設計時点においても、運転シミュレーションと検証を行いながら省エネを推進し、さらに、完成後も一年かけて毎月省エネ会議を開催、実績データーを把握・検証して、当初の20%省エネ目標に対し、CO2で33%、電力で38%の削減に繋がった。日々の削減が年度排出量削減に繋がるという活動の顕れである。具体的な施策として、クールビズの徹底、外部駐車場照明のセンサーライト化、自然換気活用期間の延長による空調動力削減など、全10項目にわたる。この取り組みが高く評価され、2006年度東京都主催の省エネ技術研究会において代表事例として発表を行っている。
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CSR活動取り組みの効果

カシオでは、「創造 貢献」という創業時の厳しい経験から生まれた経営理念を実現し、いつの時代でも創造的な風土を維持しつつ、事業を通じた社会貢献を継続できるよう「カシオ創造憲章 行動指針」が制定されている。この憲章がカシオのCSRそのものである。毎年新入社員に対して、入社時に研修を行っており、CSR活動の取り組みは徐々に社員へ浸透している。会社周辺の清掃活動では、毎回ボランティアで社員が活動に参加している。「一万人の工場見学」は、結果的に、見学に訪れた人たちがカシオ製品に興味を持ち、愛着を感じ、カシオファンの拡大に繋がっている。

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今後の取り組み

海外にも数社の海外グループ会社を持つカシオの今後の課題は、カシオグループのみならず、サプライチェーン全体でのCSRに対する取り組みである。「創造憲章」の中でうたわれている人権に関する取り組み等を、今後より具体的な行動規範を策定し、その実施に向け、積極的に取り組む方針である。女性管理職への登用率、また、障害者雇用に関しても、今後の課題である。今後、チャレンジ的な取り組みとして「事業」と「学業支援」を同一線上で捉え、NPOとの協働を視野に入れているところである。

パートナーシップ・サポートセンター調査員から
カシオのCSR―その根底に流れているのは「心」「生命」である。 本業の得意分野を活かしながらCSRに取り組む、その姿勢の中で、特に大切なこととして常に意識においているのが「心」「生命」。ハイテクの塊であるデジタル製品を世に送り出している企業が、現代の社会の中で希薄になっている他人への思いやり、命の尊さ、それらをカシオのCSR活動を通して、メッセージを送り続けていることにカシオのCSRの素晴らしさを感じた。(J)
株式会社大和証券グループ本社:候補企業 [2007年09月14日(Fri)]

株式会社大和証券グループ本社

大和証券グループでは,(1)社会に必要とされる事業活動の遂行(2)社会・環境配慮型事業(3)社外へのCSR推進活動(4)企業市民活動(5)CSRマネジメント,の5つのアプローチをCSR活動と位置付け活動しています。これらの活動を通じて,持続可能な社会の実現を目指してまいります。
重要なステークホルダーとして従業員を考える
従業員を大切するというトップメッセージ

大和証券グループの『持続可能性報告書2006』のトップメッセージには,次のように書かれている。「従業員1人ひとりが仕事,会社に誇りを持つことが社会からの信頼,持続的な発展につながる」と。同グループの「従業員を大切にする」というCSRの方向性が明確に打ち出されている。

また,持続可能性報告書の表紙からも「従業員を大切にする」という大和証券グループのCSRの方向性が見て取れる。その表紙には,従業員の赤ちゃんの笑顔の写真が飾られている。自分の赤ちゃんの顔写真が,自分の会社の報告書の表紙を飾るのである。自分がいかに会社に大切にされているのかを実感できるに違いない。大和証券グループにヒアリング調査にいくにあたり,「従業員を大切にしている」ということが持続可能性報告書を読んだ第一印象だった。

ヒアリング調査では,同グループ本社CSR室の豊田氏にご協力を頂いた。「従業員を大切にする」というCSRの方向性について,豊田氏は「社長が就任当初から言っていることですが、当社グループが本当に良い会社であるために,従業員が『経営陣を信頼できる』『自分の仕事に誇りを持てる』『仲間の連帯感を共有できる』という3つが実現することを目指しています。従業員がこの3つを実感できるような施策を組むために,各部署が動いています」という。「従業員を大切にする」というCSRの方向性には,トップからのメッセージが強く影響しているのだ。

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女性が働きやすい職場作り

そして,『持続可能性報告書2006』を読んでいて,女性が働きやすい職場環境を作ろうという同グループの意識の高さが目立った。このことについて豊田氏は「証券業界の仕事では,資産運用のアドバイスや金融商品の販売などで,親切で丁寧な説明をすることが求められるなど,仕事の結果をあげてくるところに男女に差はなくなっている」ために,「結婚や出産で,女性が職場をやめないですむ会社にしていくことが必要である」という。そのため女性支援の施策が充実している。

結婚・出産等の理由により退職した正社員に対して再雇用する機会を提供しているのはもちろんのこと,特に目を惹くのは「育児休職・育児時間の取得期間延長」である。『持続可能性報告書2006』でも,育児休職・育児時間の取得期間を従来の「2歳に達する前日まで」から「3歳に達する前日まで」に延長したと書かれていたと思えば,今年から残業免除の期間を「小学校3年終了まで」,残業制限の期間を「小学校卒業まで」に拡大している。

ヒアリング調査では『持続可能性報告書2007』の原稿も見せて頂いた。そこでのトップメッセージにも「大和証券グループは,女性が辞めない会社にします」と書かれており,「女性の働きやすい職場作り」の意識の高さをうかがい知ることができる。こうした努力の成果なのか,2007年度の大和証券グループ連結新卒採用数において,総合職・エリア総合職では,男性570名,女性610名と,女性の採用数が多くなっていることも特筆すべきであろう。

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制度を整えることよりも,制度を利用する意識が大切

人材の尊重と活用において,最も力を注いでいるのが「制度を使える雰囲気を作る」ことだという。つまり「制度」を整えることよりも,その制度を利用する従業員の「意識」「考え方」が変わることの方が重要であると考えているのだ。

もちろん今回のヒアリング調査では,従業員一人ひとりにその意識を確認することはできないが,「休職制度利用中に同僚が仕事をカバーしてくれた」「職場復帰後の戸惑いに対して上司がサポートしてくれた」など,豊田氏から語られるエピソードからは,その意識が従業員の間にまできちんと浸透していることをうかがい知ることができた。

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投資に社会的視点をという課題

人材の尊重と活用という面では,先駆的な展開をみせている大和証券グループだが,CSR全般として考えるとまったく課題がないわけではない。多くの企業では本業を通じたCSRを展開しているのだが,大和証券グループではその部分で更なる進展が望まれる。

製造業と違って,環境への負荷を低減する技術・製品を開発するなどはできないが,SRI(社会的責任投資)のように,金融がCSRをけん引する可能性は大きくある。その方向性として,同グループでは「投資というものに社会的視点をいかに入れるのか」を考えていきたいという。そのためには「社会的視点を持った投資が高いリターンを生むようにする」「こうした考え方が社会に浸透すること」が重要だとしている。

もちろん課題も多いが,重要なテーマであることは間違いない。『持続可能性報告書2007』の原稿にも「投資に社会的視点を」という題目の座談会の様子が書かれている。

パートナーシップ・サポートセンター調査員から
大和証券グループのCSRとしては,人材の尊重と活用,特に女性が働きやすい職場づくりという面では,群を抜いて充実している印象を受けた。もちろん,女性に対してだけではなく,障碍者雇用,高齢者雇用,従業員への研修制度などにも力を注いでいる。トップの意向が強く反映され,制度が整備されるだけでなく,制度を利用するという雰囲気が社内に浸透している点にも好感を持つことができた。また,今回の調査では詳しく聞けなかったが,NPOなどとの協働を通じた企業市民活動にも注目していきたい。(Ko)
岡村印刷工業:候補企業 [2007年09月14日(Fri)]

岡村印刷工業株式会社

岡村印刷工業株式会社は、大正9年創業以来「自然との共生」をコンセプトとして、世界遺産や歴史的文化財を有する奈良のすばらしさの紹介や保護に努め、環境面でISO14001やFSC・COC認証を取得し環境にやさしい印刷物の普及と学校での環境教育への協力、また、プライバシーマーク制度導入により個人情報保護の推進等を通して、社会生活の中で印刷を文化の域まで高めたいと考えます。
自然と共生する、グッドパートナー
印刷会社としての環境保全

岡村印刷工業株式会社は、紙メディアによるコミュニケーションだけではなく、デジタル化を前提にしたさまざまなメディアをグローバルにカバーすることをめざしている。そのためにこそ、これまでに培ってきたクオリティの高いプリンティングテクニックを生かそうとしている。 その岡村印刷工業は、いち早く2000年11月に「環境方針」を制定し、『「地球環境の保全が、人類共通の最重要課題」の1つである事を深く理解し、企業活動のあらゆる面で、環境保全に配慮して行動する』と宣言している。

ISO14001の認証取得

岡村印刷工業は、工場設立以来のコンセプト「自然との共生」をより一層具体化するために、国際標準規格の環境マネジメントシステムISO14001を2001年5月に認証取得した。生産活動の中で可能な限りの少ない資源で、高品質な商品を効率的に創り出すことを実践している。地球温暖化物質の使用量削減や省エネルギーをはじめ、産業廃棄物の削減、リサイクル化の徹底を図り、グリーン商品の調達を主なテーマとして取り組んでいる。

具体的な削減効果

岡村印刷工業は「環境活動リポート(2006年度版)」で、地球温暖化物質の使用量削減や省エネルギーの削減数値を公表している。1999年から2005年までの6年間で、電気使用量は27.1%、廃棄物(リサイクル化による最終処分量の減少を含む)は84.4%、洗油(廃油)量は43.2%、廃インキ量は57.3%、自動車燃料は22.1%、A重油消費量は26.9%それぞれ削減している。さらに、生産過程で排出される紙類年間約848tもすべてリサイクル処理し再生紙として役立てたり、アロマフリーインキ100%使用で、発ガン性物質が含まれるといわれる芳香族系溶剤の使用率0%を実現している。

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FSC森林認証 COC認証の取得

2005年3月、岡村印刷工業は奈良県の印刷会社で初めてFSC森林認証・COC認証を取得した。FSC[Forest Stewardship Council:森林管理協議会]森林認証は、世界的な森林減少・劣化の問題と、グリーンコンシューマリズムの高まりを背景に生まれた「適正な森林管理」を認証する制度で、認証された森林の林産物でできた木材製品にはFSCのロゴマークがつく。製品の製造、加工、流通の全ての過程において、認証材にそれ以外の材が混入しないように管理されていることを認証するのがCOC認証で、森林から消費者までの全過程の認証を“チェーン”でリンクするので“チェーン・オブ・カスタディー(管理の連鎖)”と呼ばれる。

第1回印刷産業環境優良工場表彰受賞

岡村印刷工業の本社工場は、社団法人日本印刷産業連合会が実施する「2002年度 第1回印刷産業環境優良工場表彰」で経済産業省商務情報政策局長賞を受賞した。受賞理由では「本工場は、比較的小規模であり、工場設置後相当の経過年数が経っていながらも、全社員に対し経営者の環境に対する考え方がしっかり浸透し、基本的環境管理の仕組みが定着しており、工場周辺の環境保護と共存がなされるなど多大な努力が払われていることから、総合的に判断して」推薦されている。

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鯉やメダカが育つ工場排水

本社工場は、1964年(昭和39年)に誕生したが、「生きた水を生きたまま帰したい」という願いを実現するために、当時としては画期的な排水処理プラント(2003年12月リニューアル)を設置した。その考えは今も変わらず受け継がれ、より澄んだ水を自然に帰すために、処理された水は定期的に検査して、法規制の遵守にとどまらず、より厳しい自主基準を設定しチェックを繰り返している。

一部の排水は、メダカや鯉が住む排水溝に溜められ、川に帰される。ここで育てられたメダカは、近隣の保育所、幼稚園、小学校に「めだかの育て方」の冊子とともに贈られている。

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環境にやさしい印刷物の提案

岡村印刷工業では、自社内の環境対策をすすめると同時に、顧客に対しても環境負荷低減につながる印刷を積極的に提案している。2004年春には、印刷産業連合会が独自に策定したグリーン基準の水準−2を全てクリアした古紙配合率70%・白色度80%のオリジナル再生紙「オカムラグリーンコート」「オカムラグリーンマット」を発表した。

この再生紙を使って、大気や土壌の汚染物質や発ガン性物質などが含まれる「芳香族成分(アロマ成分)」を含まないアロマフリーインキで印刷することを推奨している。

奈良NPOセンターからのコメント

「自然との共生」カンパニー
岡村印刷では、さらに、本社工場敷地内にある緑豊かな山林を生かして、裏山を展望台として整備し、案内板設置、樹木の名札付け、ベンチ設置などを行い、周辺住民にも開放している。こうした、地域の自然との共生・環境保全の一貫した姿勢は、高い評価を受けており奈良県を代表する21世紀のリーディング・カンパニーにふさわしい。
株式会社リバイブ:候補企業 [2007年09月14日(Fri)]

株式会社リバイブ

地球環境問題は既に待ったなし。産業廃棄物を扱うリバイブの現場では、そのことが日々感じられます。循環型社会と言われていますが、現実との歪みはここでは隠せません。リバイブでは、真の循環型社会を目指すために、地域の人々に現場を見てもらい、さらには地域と一緒になって環境コミュニティづくりを推進しています。
地域から地球へ地球クリーニング〜地域ともに真の循環型社会を目指す
このままの産廃処理業では地球がもたない

昭和39年、平沼建設(当時:名古屋市中村区)として創業。平成11年に株式会社リバイブ(以下、リバイブ)として気持ちを新たにする。新たにした気持ちはこの社名に現れている。リバイブとは「回復・復元する」という意味。

    

長年、総合解体工事業と産業廃棄物処理業という、いわゆる静脈産業を中心に事業展開してきたが、地球環境問題の意識の高まりとともに平沼社長は自身の仕事の中で様々な矛盾に気づくことになる。

政府は循環型社会を推進すると言いながら、現実の現場はそんなことどこ吹く風。この業界は下請け体質が抜けておらず、安く仕事を請け負うことを競い合い、その挙句が不法投棄である。不法投棄しなければ成り立たないビジネスモデルへと自らを貶めてしまった業者があることは、なんとも嘆かわしい。産廃処理を取り締まる法律は、厳しくなることはあれ緩和されることは決してない。一方で経済原理の働く現代社会。その狭間で静脈産業はいつまでも汲々している。このままでは地球はもたないのではないか。

リバイブは、この社会にとって本当に必要な静脈産業を突き詰めた結果、企業理念を「地域から地球へ 地球クリーニング」と定めた。環境問題は地球規模で考えながらも、一方で自社の周辺の地域に対してきちんと責任を果たし、その地域からまずは始めていかなければならない、という意志を表している。

ところがリバイブの発想はそれだけに留まらない。その視線の先には、循環型社会の考えを独自に一歩進めた「善・循環型社会」を地域に実現していこうと考えている。「善・循環型社会」とはどんな社会なのだろうか。

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善・循環型社会を目指して

リバイブが目指している善・循環型社会とは、その基盤を「ナチュラル・ステップ4つのシステム条件」と「ハーマン・デイリーの3原則」(「サステナビリティの科学的基礎に関する調査」[http://www.sos2006.jp/houkoku/]を参照)に準拠させた、全ての排出物を地球内の循環システムに乗せる社会である。

現実の社会は、地殻から資源が発掘され続け、それが最後には汚染物質として生命圏に滞留し続けている。これを善・循環型社会へ変えていくために、リバイブは価値観の転換を図ることを試みようとしている。モノの流れの終着点と思われている廃棄物処理業者は、これからの社会では、資源を産み出す業界でならなければならない。つまりモノの流れの最後であり、かつ最初である、そういう認識を持ってもらえないと、地殻資源を発掘し続ける(ひいては、生命圏が汚染され続ける)社会はなくならない。

とはいえ、現実には、資源化できるほど精度よく廃棄物を分別していくことは難しい。なぜなら製品そのものが分別しにくい製品ばかりだからである。だからこそ、これからの廃棄物処理業は、製造業とも積極的に情報交流を果たし、製品の製造段階から協働していかなければならないのである。

今はまだ、製造過程まで巻き込むことはできていないものの、直接の顧客である排出事業者側へは、廃棄の時点で分別をより正確に行ってもらえるようにするための協力を持ちかけたり、分別指導にも力を入れたりして、理解を求めている。こういった営業活動を地道に行っていくことで、静脈産業界の力を付けていこうとしている。

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環境共生型オフィスと地域の自然環境の回復復元

もはや「産業廃棄物処理業という業種だから・・・」とは言えないほど環境保全に対し並々ならぬ注力するリバイブ。2006年夏にはオフィスを改築し環境共生型オフィスとなり、同時に環境器機販売部門も立ち上げた。

緑色をベースに色付けされた外壁と並んで目に付くのは、クルクル回る風力発電機。そして中に入ると、太陽採光によるほんのり温かい照明器具。壁面と屋上には太陽光パネル。屋上緑化に壁面緑化、雨水利用システムと、まるで環境テクノロジーの展示場の様相を呈す。

さらに今地域で取り組んでいるのは、オフィスの裏にある池の浄化である。住みやすい地域づくりのためにと行政が所有権を持つため池を自費で浄化することにしたのである。これは地元の方々に対する当社への理解を深める活動の一つとなっている。他にも積極的に地域の子供や学生・近隣住民や自治会にオフィスを見に来てもらい、環境への見識を深めてもらう活動を行っている。


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想いを馳せるはコミュニティづくり

社長室にはあるイラストが飾られている。自然エネルギーを利用したリサイクル処理施設が並ぶ隣の地域で、農業をしている人、高齢者施設で明るい笑顔を向けているお年寄りなど、みなが幸せそうに暮らしているイラストである。環境共生型のコミュニティを表現したものである。「本当に人間が人間らしく暮らしていける社会をつくっていきたい。」と、平沼社長の想いは馳せる。

平沼社長は今、オフィス近くに畑を借りて、仕事の合間に時間を見つけては無農薬野菜の栽培にいそしんでいる。2007年夏にはオフィスに近い建物を借りて、農と生ゴミリサイクルをテーマにしたコミュニティセンターを立ち上げようと準備に入っている。コミュニティづくりへ向けても確実に歩んでいる。

地域の未来・志援センターからのコメント

リバイブが目指す善・循環型社会の姿は、「ゴミが出ない社会」だとも伺いました。ゴミが出ないということは、産廃処理業者としては仕事がなくなることを意味します。

「我々の目標は、我々のような仕事が無くなることなんですよ。」

この一言に、善・循環型社会への本気度を感じました。さらに言えば、産廃処理業が縮小した後のことまで見越して、環境器機販売部門やコミュニティづくりへと先手先手を打っている、という印象を受けました。

平沼社長は、「地域とともに」を強調します。それは、そもそも中小企業は、地域の中で認めてもらって仕事をしていかないと、生き残っていくことすらできないからだと説明してくれます。だから中小企業は、地域と真剣に向き合っている限り、CSRは自然と考えざるを得ない、と言います。そこが大企業の行うCSRとは違う点なのでしょう。

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