• もっと見る

CSOネットワークのブログ

一般財団法人CSOネットワークのブログです。
一人一人の尊厳が保障される公正な社会の実現に向けて、
持続可能な社会づくりの担い手をセクターを越えてつなぎ、
人々の参加を促すことを目的に活動しています。
評価事業、SDGs関連事業などについての記事を書いていきます。


DEの現地視察inワシントンDC [2018年02月01日(Thu)]
こんにちは。
評価事業コーディネーターの千葉です。

今回のブログでは、アメリカのワシントンDCでの現地視察、ヒアリングの様子をレポートします。CSOネットワークからは、代表の今田、研修担当の白石、コーディネーターの千葉が訪問しました。


ワシントンDCでは二人の方とお会いできました。

1人目は、Ann Doucette(アン・ドゥシェット)さんで、彼女自身DE評価者として活躍されている方です。 

  

2人目は、Jacqueline Greene(ジャクライン・グリーン)さんで、USAID(アメリカ合衆国国際開発庁、United States Agency for International Development)の職員の方です。



Ann Doucette(アン・ドゥシェット)さん

今田とAMA(アメリカ評価学会)の大会で知り合ったことがきっかけで、今回話を聞かせてもらいことになりました。


Ann氏は、以前TEIディレクターをしており、現在は世銀における新しい評価の仕組みを構築されているとのことです。


実際に現場でDEを適用した経験が豊富です。2011年から、世界各国の多分野21プロジェクトでDEを適用したりと豊富な評価経験をお持ちで、DEについてもわかりやすい例えを用いながら教えてくれました。(幸福度の評価もおこなったということでした)



Jacqueline Greene(ジャクライン・グリーン)さん


TEIでのパットン氏によるDE研修でご一緒したJacqueline氏が所属する組織USAIDでのDEを適用しているということで、ご縁を活かしてヒアリングさせてもらいました。


USAID(アメリカ合衆国国際開発庁、United States Agency for International Development)は、1961年に設置されたアメリカ合衆国のほぼすべての非軍事の海外援助を行う政府組織です。ホームページによると、より良い生活をたてるためにもがいたり、災害からの復興、自由で民主的な国で生活できるように努力するなどの海外の人々へ援助の手を広げているそうです。


USAIDでは、Complex(複雑)な状況で、ロジックモデルやロードフレームを使うことの限界を感じており、パットン氏をアドバイザーとして招き入れてDEを取り入れている最中ということでした。アカウンタビリティの確保や具体的な困難について、現場の声を聞かせてもらいました。USAIDにおいても組織的にDEの考え方を取り込みたいと考える方々は多いようでした。



参考情報:Program Cycle Operational Policy
https://www.usaid.gov/ads/policy/200/201


図6.png

図7.png


白石さんからは、

世銀やUSAIDのように世界中で様々なプロジェクトを実施する組織においては、プロジェクトの運営における不確実性の認識や、生成的・発展的な取り組みの必要性・重要性を理解しており、DEの考え方がとても良くマッチする印象を持ちました

と、振り返りのコメントをいただきました。



私のスーツケースの半分は、このようなシーンで使う訪問先団体へのお土産で埋まっていて大変でしたが、このようにDEについて、具体的な事例を交えながらパットン氏以外の人からとても分かりやすく解説してもらったおかげで、理解が深まったような気がします。


以上、簡単ですが、ワシントンDCでのヒアリング報告でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。





パットン氏のDE研修受講 in ワシントンDC [2018年02月01日(Thu)]

こんにちは。

評価事業コーディネーターの千葉です。


20177月、『伴走評価エキスパート』育成事業の事業に携わってから3ヶ月というタイミングで、発展的評価(Developmental EvaluationDE)が多く実践されているアメリカとカナダに、研修受講と現地視察で訪問してきました。


CSOネットワークからは、代表の今田、研修担当の白石、千葉が、そして後にチームに加わる評価アドバイザーの中谷も参加しました。


719日(水)、20日(木)、晴天のワシントンDCの中心街から電車で約30分、郊外のホテルが研修会場でした。主催はTEIThe Evaluators' Institute、講師は、もちろんDEの唱者であるマイケル・クィン・パットン氏。


事前に講義資料が送られてきていたので、なんとなく資料と著書に目を通し、英語があまりできない私は不安半分・期待半分で会場入りしました。


パットン氏は、事業評価コンサルタントとして50年以上のキャリアがあり、様々な国や機関で仕事をされてきたそうです。1985年に、『実用重視の評価(Utilization-Focused Evaluation)』を出版し、その流れを受けて、2011年に『発展的評価(Developmental Evaluation)』を発表しています。現在は全米評価学会の大会で多くのセッションがDEに関するものになっていたりと、研究・実践ともに積み上がっておりスタンダードになっているようです。パットン氏は、とても熱心な研究者という雰囲気でした。


会場に入ると、(当たり前ですが)様々な人種の方おり、30名ほどの受講者がいました。大小様々な非営利組織で評価を行なっている人、学校関係者などもいました。グループに分かれて、講義+グループディスカッションの形で進みました。研修の内容は、DEの目的や原則の他に、複雑系の理論の話などもありました。


図3.png


内容については詳細に記述しませんが、個人的に印象的だったのが、DEを理解する上で欠かせない『システム思考』を考えるための次の問いかけでした。

『情熱的なキスを取り巻くシステムは?』


これには、会場から笑いが起こり、議論が白熱しました。パットン氏曰く、マッケグ氏(当法人研修の指南役の一人)の考案とのこと。

図1.png



図2.png

▲研修は2日間とも、パットン氏とランチ▲


この時研修を受けて、当時私の頭に引っかかったことをそのまま列挙すると、以下のような感じです。


DEが出てきた背景として、既存の評価の限界、複雑な現実の世界・課題への対応という問題意識がある


DEは、明確な進め方や『型』があるわけではない。決められたトレーニングの方法もない。評価の『手法』というよりは、評価をおこなう際の『思想』や『評価者としての在り方』、『評価活動や伴走の仕方』という意味合いが強い


DEは個別性が非常に高い。評価先団体の状態や、評価者に大きく左右される。属人的なので、日本で普及していくには良い人材の輩出(ロールモデル)と、事例蓄積が必要


・今回の研修は評価の知識と経験があることが前提のようだが、いわゆる『評価手法』の話は全くなかった。伝統的な評価者は、アン・ラーリング(学習棄却)の必要があり、習得が大変という話があった


図4.png

▲研修では、DEに関するモヤモヤ・疑問を記載▲


評価者として実務を経験してきた中谷さんは、パットン氏のDE研修を受けて、こう総括しています。


16年前カナダで開催されたパットン先生の研修をきっかけに評価の世界に飛び込みました。長いレポートばかりで誰も読まない・使わない「評価」のイメージを、生き生きとした現場で「使える」ものとして紹介された時、自分の前に新たな道が開けたと実感しました。その後現場で評価の経験を積み多くの壁にぶちあたることもありましたが、今回のDEの研修を受け、これらの壁を軽やかに回避できる「思考の自由」と新たな冒険への「ワクワク感」を得ることができました!”


以上、簡単ですが、ワシントンDCでのDE研修の報告でした。

ここでの学びを、日本の『伴走評価エキスパート』研修に活かしていきます。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。