評価事業コーディネーターの千葉です。
今回のブログでは、2017年7月に行ったカナダでの現地視察、ヒアリングの様子をレポートします。CSOネットワークからは、代表の今田、研修担当の白石、コーディネーターの千葉が訪問しました。
1)Ontario Ministry of Education(オンタリオ州教育省)
2)Global Alliance for the Future of Food(GAFF)
3)J.W.McConnell Foundation(マッコーネル財団)
4)University of Ottawa(オタワ大学)
の4件を訪問し、お話を伺いました。
1)Ontario Ministry of Education(オンタリオ州教育省)
カナダ在住の日本人評価者のKeikoさんにコーディネートいただき、彼女が評価者として仕事をしているオンタリオ州教育省に訪問しました。午前中は評価チームの10数名と面会、午後はKeikoさんが評価で関わっているオンタリオ州北部にある学校の副校長Jennifer McMasterさん(正確には、Keewatin-Patricia 学校区、Queen Elizabeth 高等学校副校長)と面会をおこないました。
オンタリオ州は広くて、特に北部は先住民の割合が多く、主たる産業がないそうです。そのため失業率が高く、公教育の質(生徒のスコアや進学率・退学率)に課題を抱えていたそうです。しかし現在は教育省としてDEを取り入れて適切な改善活動をおこなったことにより、教育の質があがり生徒の成績も向上したとのこと。そのため、海外からの視察が多く、年間100近くを受け入れているとのことでした。
特に印象的だったのが、データを活用する体制です。生徒の成績のみならず、子供を見守る大人の数(Caring adult)などのデータまで集めていて、それを分析する仕組みができていました。子どもたち一人ひとりのカルテができており、評価者たちはこれを教師と見ながら何が必要か指南できる環境がある、ということでした。
Jenniferさんが評価者のKeikoさんのことを次のように話していました。
「Keikoは私たちにとって、メンターでありお母さん。タスク・セラピストであり、状況分析官。長けた質問者。決して『こうしろ』とは言わないし、批判しない。常にやさしく、厳しい」
「Keikoとの会話には常に目的があり、問題の解決策を出すこと、行動アイテムをしっかり決めることなど、いつもメリハリが効いている」
「日常的に大変なことがいろいろあって、なかなか全体像が見えない。そんなとき、Keikoが来てくれて、物事を整理してくれる」
ここに、評価者としてのあるべき姿が凝縮されている気がします。
この日の夜はKeikoさんの自宅でホームパーティに招かれ、彼女やJenniferさんのつながりで学校関係者も多く集まりワイワイと時間を過ごしました。
▲Keikoさん(左)とJenniferさん(右)▲
▲教育省でのラウンドテーブルの様子▲