「親も子も学ぼう!世界の舞台で働くと言うこと」親子セミナー参加レポート [2015年11月21日(Sat)]
来週の Thanksgiving を前にして
「In-Fa/ インファ」が発生 ・・・ 今年は エルニ〜ニョ の影響大のようで 旧「聴覚障害英語サークル クレオール」時の 受講生でした M さんから頂きましてご了承のもと アップ致します 岡安 「世界の舞台ではたらくということ」(世界銀行とは) 親子セミナー 松橋めぐみ記 (本文) 2015年8月1日(土)に行われた、小中学生向けの 「世界の舞台ではたらくということ」親子セミナーに 参加してきました。ずいぶん遅くなりましたが、 某先生の使命によりレポートさせていただきます。 当セミナーは、日本経済新聞社と世界銀行(東京 事務所)の共催により単発企画として実施されました。 前半は講演、後半は会場と隣接するカフェで世界銀行で 活躍する複数の職員によるQ&Aが行われました。 講演では広報担当官の大森功一さんが演説し、5つの テーマに沿って世界銀行の仕事の内容や、世界銀行に 入るにはどういった経験が必要かなど、子供たちに 分かりやすく説明してくださいました。職員の中には セミナーの前日に一時帰国してセミナーのために 来てくれた人もいました。・・・ 「続きを読む・・・」をクリックして続きをどうぞ |
まず冒頭から、「世界の人口は何人いると思いますか?」でいきなり聞かれます。私が授業で世界人口を聞いたのは昭和60何年・・・年齢がバレますね。セミナーには小学生から中学生の親子が参加されていましたが、小学生の子供が躊躇なく正確に答えていたのには驚きました。さすが、このセミナーに参加してくるだけのことはありますね。
現在の世界人口は73億円人。 1000年 2億人 1500年 5億人 1900年 15億人 現在 73億人 (今から10年後)2025年 80億人 ( 〃 35年後)2050年 95億人 ・・に増加すると予想される ご覧のとおり、年々人口が増え続けています。しかし日本では少子化問題が深刻になり、このまま子供が増えなければ2050年には1億人を割れるというから一瞬そのギャップさに驚いてしまいますが、世界人口が増え続けている主な要因は、貧しい国などの途上国の大量出産によるものと言われています。世界人口の80%が開発途上国なのです。 開発途上国の人口爆発の原因は「貧しさ」だけではありません。原因は実に様々なのですが、人口爆発以外にも非常に多くの様々な問題を抱えています。インフラ、教育、貧困、食糧、水道、電力、病院、子供の権利、戦争とテロ、自然災害、温暖化 1つずつ説明していましたが、文字にすると長くなってしまうので割愛します。 国際機関である「世界銀行」で働く人たちの主な仕事は、これらの問題解決のために現地に行って直接関わることはありません。(えっと思いますよね)普通の銀行と違い、世界銀行の役割は途上国の貧困削減や開発支援を目的とした世界の問題を解決するための資金や人材を援助することです。よく「世界」で働くと聞くと、現地に行って困っている人たちのために直接医療を行ったり道路や学校の建設にあたったり・・・というイメージをしがちですが、あれはNPOやMSF(国境なき医師団)などに所属するスタッフたちが直接行って活動しているんですね。そうは言っても世界銀行は各国政府だけでなく色んなパートナーと組んでおり、その中には大学や研究機関、企業の他に、NPO、宗教団体などなどがいます。職員たちは、日々各国の主要人物やこれらパートナーたちと会合したり、時には現地に飛んで必要な支援内容を決定します。 世界銀行が発足されたのは1944年。国際連合の専門機関によって設立されました。当初は、第二次世界大戦後の復興・開発促進を目的としていましたが、のちに途上国の開発のための長期融資や技術・人材援助が主な活動となったようです。日本でも設立後1952年に加盟国となり、以降電力や基盤産業、交通、インフラ整備などで様々な融資を受けました。戦後初めて開催された東京オリンピックに向けて、1961年に東海道新幹線の開通のための融資も受けました。下の方の『世界銀行と日本』で、過去に受けた融資について紹介されています。 今では日本の新幹線は世界が注目され、感慨深いものがありますね。 演説の後半は、世界銀行へ入るにはどうしたら良いかというお話をされました。セミナーに来ていた複数の職員がそれぞれ経歴をお話していましたが、皆さん実に様々な経験を経て世界銀行に入られていました。お話を聞いて分かったことは、大学を卒業してすぐに世界銀行に入ることはまずないそうです。必ず、企業に就職したり、海外での活動など経験値を積んで専門性を高めてから入っていきます。 また、職員の殆どの方が必ず修士号や博士号を取っています。世界銀行の仕事はそれぞれの人がその道のプロフェッショナルであり、ある程度の知識や経験が無いとやっていけません。しかしながら必ずしも博士号を取る必要というわけではなく、修士号だけでもその道の仕事をやっていくには十分であったりします。つまり、個々が関心を持っている分野でスキルや専門知識を身につけていったものをその延長線として世界銀行で働きそれぞれの得意分野で担当をしていくわけです ね。 そしていうまでもなく、『英語が堪能であること』が絶対条件となります。各国でも様々な人種の職員が頻繁に議論を交わしたり、メールでもそうですが英語が出来ないとまず仕事が出来ません。このような仕事に興味があれば、最低でも中学生のうちから基礎英語をしっかり身に着けることが重要だそうです。大学は海外へ留学することが手っ取り早く、お勧めです。セミナーに来られた職員は殆どが留学して修士号や博士号を取っていました。もし留学しなくても、高校や大学などで、英語による授業が行われているかどうかも今後の英語力に関わってきます。これから目指す大学に英語による授業があるかどうかチェックすると良いですね。または交換留学の制度があればそれを利用することも手です。 世界銀行に入るための必須条件が3つあります。 ・英語 ・専門性 ・体力と精神力 一番目と二番目の条件は先ほどの説明で何となく分かりましたね。 三番目の「体力と精神力」ですが、世界銀行の職員たちはみな日々各国の支局などへ飛び回っています。飛行機に長時間乗ることは日常茶飯事なので体力は必要だし、他国と電話(テレビ)会議も頻繁に行われるので、深夜に会議・・・もあるそうです。 そして、様々な人種の職員たちとの議論や他国で他のスタッフたちとのやり取りに精神力(忍耐力と積極性)が必要とするのは言うまでもありません。 なんだか難しそうで聴こえない人にとっては遠い世界で、無理・・・と思われるかもしれません。しかしながら世界銀行で働く職員たちの経歴を読んでみると、みんながみんなキャリアコースをまっしぐらに歩いてきたわけではありませんでした。教育学を卒業しとりあえず役所に勤めたけれど、海外へ出てみたい気持ちで海外留学からスタートした人が何人かいます。 何も、目指すべきもの先が世界銀行と限りません。この職員の方々に共通していることは、「諦めない心」が夢を実現させたことにあります。見知らぬ土地で働きたいという強い意思と、変化を恐れない心があなたの背中を押してくれます。そして、子供たちの夢を実現するためには、親や周りのサポートが必要不可欠となります。それは決して押し付けではなく、子供たちがこうしたい・こうなりたい想いを汲み 取ってそれを具現化できるのは、大人の力添えがなくては到底実現になり得ないものだからです。 夢は、一人だけの力で実現することは出来ず、色んな関わりがあって色んな人の恩恵によって実現します。中学生・高校生でも遅いということはなく、今からでも、少しでも興味があることはどんどん体験させて様々なところで視野を広げていって欲しいと、心から願っています。 【引用元・参考文献】 世界の統計2015(総務省統計局) http://www.stat.go.jp/data/sekai/0116.htm 日本の人口推計(総務省統計局) http://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.htm 世界銀行と日本 http://www.worldbank.org/ja/country/japan/overview |