曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していきます。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。
月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。
月・・・ 制度としてのガバナンス
火・・・ 戦い・議論のガバナンス
水・・・ 手続きのガバナンス
木・・・ 樹木のように育てるガバナンス
金・・・ お金にまつわるガバナンス
土・・・ 土のガバナンス(団体特有のガバナンス文化)
日・・・ ミッション・ビジョン(太陽)に基づくガバナンス
なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。
2023年9月4日(月)〜10日(日)
【月曜日のガバナンス】
人ごとのよきもあしきも心して
きけばわが身の為とこそなれ
この歌は、先日、明治神宮に行った時に掲示されていた、昭憲皇太后(明治天皇の皇后)の御歌です。
昭憲皇太后によるガバナンスの教えですね。
他の団体のガバナンスは、よい事例であれば真似して、悪い事例であればそれを反面教師にして、自団体のこととして捉えて改善していくことがよいという教えですね。
深いです。
【火曜日のガバナンス】
ガバナンスがなくても組織は回る。
ガバナンスがなくても事業は出来る。
実は、そんな気持ちをお持ちではないでしょうか。
この気持ち、ガバナンスを推進していくためには、周囲の意識として、まさに天敵です。
実際に、ガバナンスがなくても、組織は回るし、事業も出来てしまいます。
でも、それは持続的ではありません。ガバナンスがない場合、何かあった時に大きな問題となる可能性が高いです。リスクが大きいわけです。
そのことを団体内で理解してもらうことが必要です。
【水曜日のガバナンス】
ちはやふる 神のをしへを うけつぎし
人のこころぞ ただしかりける
こちらは明治天皇の御歌です。
「神のをしへ」をガバナンスとして想定するなら、まさにガバナンスのための教えになりますね。
ガバナンスは突然生まれた概念ではありません。
非営利組織が生まれてから、その透明性や公正性を担保するために、連綿と続いて進化しているものがガバナンスです。その教えを受け継いで、適切な組織経営を行っていくことが正しい非営利組織運営となります。
【木曜日のガバナンス】
ガバナンスのない組織は、ブレーキやライト(安全装置)のない自転車。
ガバナンス意識が高まらないのは、ガバナンスがなくても、(良い悪いを置いといて)組織は回るし、事業は出来ちゃう。
まるで、ブレーキが壊れた自転車のように、自転車が走るし、移動するという目的は達成できちゃう。でも、ブレーキが壊れていると思うと、怖くて自転車に乗れない。
ガバナンスが欠如している組織は心配で積極的に関わりたいとは思わない。
ガバナンスは一見なくても対応できてしまうが、よい組織、よい事業をしていくためには、ガバナンスを上手く活用していくことが近道である。
ちなみに、NPOの経営を称して、「自転車操業」ということもあります。
自転車操業だからこそ、ブレーキやライトが壊れていても、リスクを感じつつも、思わず自転車に乗ってしまうこと、あるいは自転車に乗らざるを得ないこともあるでしょう。
でも、ガバナンスをもって、安全運転をすることが必要不可欠だと思います。
【金曜日のガバナンス】
女性は協会の調査に「(採用された)初年度に監査が甘いと思った」と話している。
これは、とある非営利組織で横領をしていた経理担当者が語った言葉です。
その横領事件の新聞報道の中で紹介されていました。
ガバナンスなき経営を表す象徴的な言葉です。
監査の重要性がよくわかります。
犯罪や不祥事を防ぐ、監事監査の抑止力を表しています。
【土曜日のガバナンス】
うちでは、以前からこうやっています。
ずーっと続けてきたことが必ずしも正しいわけではありません。
時代の変化に対応できていない。
組織の規模や体制が大きく変わってきている。
組織の仕組みが変わってきている。
組織の人も変わっている。(人物そのものの入れ替えから、同じ人物でも意識や生活が変わっている)
いつの間にか、その教えややり方が
あるいは、最初の出発点から間違っている可能性もあります。
ガバナンスも継続して見直しをしていくことが必要です。
【日曜日のガバナンス】
その活動は、ミッション・ビジョンの達成のために必要なものか?
ミッション・ビジョンに基づき、この状況で、今、何をすべきなのか?
理事会でそういったことを考えることも大切なガバナンスです。
執行部で考えて活動をしていると、目の前の現実にとらわれてしまい、ミッション・ビジョンのためではなく、活動をしてしまうケースもあります。
あるいは、現在の社会状況に応じて、取り組まなければいけないことを避けてしまうことがあるかもしれません。
その時に、理事会で外部理事がある意味、第三者の立場で意見を言う、疑問を呈することも必要です。その際に、常に、ミッション・ビジョンの達成のために、ということを意識する必要があります。