曜日のガバナンス No.08 [2023年08月28日(Mon)]
曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していきます。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。 月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。 月・・・ 制度としてのガバナンス 火・・・ 戦い・議論のガバナンス 水・・・ 手続きのガバナンス 木・・・ 樹木のように育てるガバナンス 金・・・ お金にまつわるガバナンス 土・・・ 土のガバナンス(団体特有のガバナンス文化) 日・・・ ミッション・ビジョン(太陽)に基づくガバナンス なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。 2023年8月28日(月)〜9月3日(日) 【月曜日のガバナンス】 公益を達成するためのガバナンス。 市民参加を達成するためのガバナンス。 市民の自治のためのガバナンス。 民主主義のためのガバナンス。 非営利組織らしさのガバナンスを考える。 非営利組織として、課題解決などの達成とは別に、非営利組織として実現したい社会像を考えていく必要もある。 そのために、どのようなガバナンスが必要なのか? あるいは、ガバナンスそのものは変わらないが、判断をする際の指針や方針的なものが必要なのか? 【火曜日のガバナンス】 市民参加のためのガバナンスを考えた時に、現在の法令や定款で定められた以上のガバナンスを考える必要がある。理事、監事、社員、職員以外に、団体に関わる仕組みや制度が必要になってくる。支援、活動、参画(意思決定に近い機会に隣接して)。 自団体で、どのような仕組みがあれば、市民参加を実現できるかを考える。 団体の活動によって、その在り方は様々である。 市民参加という軸で考えた時に、どのようなガバナンスが考えられるのか? 【水曜日のガバナンス】 定款では、団体の目的や事業を記載する。その時、ベースは活動のことが中心となる。一方で、団体の目的や事業に活動視点ではなく、組織運営視点の要素を盛り込むことも可能ではないだろうか。自団体の運営の方針を盛り込むことである。例えば、活動や事業を推進していく体制として、市民参加を促して活動を拡げていくという方針もある。そのために、団体の目的や事業に市民参加の促進に関する内容を入れることも可能だ。課題解決の方法を考える時に、誰が主体で解決をしていくのか活動者の主体をイメージして、その内容を言語化してみては。 【木曜日のガバナンス】 市民参加を考えることは、団体の継続性にもよい影響がある。 市民参加を実現することは多様な方が団体に関わることである。その中から、職員になったり、理事になったり、することもある。活動に関わり、団体に参画してもらうことで、団体のことを理解してもらい、地域社会に必要な団体であることを実感してもらい、将来の担い手になってくれることもある。 そういったことを考えると、市民参加は将来への投資でもある。 【金曜日のガバナンス】 団体によっては、役員からの借入金がある団体もある。 ガバナンスの観点から財務のことを考えることも重要である。 借入金以外にもメインの支援者がいる場合もある。 いわゆる資金の出し手との関係性を適正にしていくこと、強い影響を受けずに自律的に運営を行い、自立していくことも大切な取り組みである。 お金に関するガバナンスでは、これまで不正会計の視点で書いてきたが、違う側面があることもあらためて考えたい。 例えば、株式会社の場合、出資額によって票数が変わってくる。社団法人の場合、口数に応じて、票数を増やしているケースもある。あらためて、お金の出し手、その金額、ガバナンスの関係性について、整理していきたいものである。 【土曜日のガバナンス】 市民参加を促した時に、多様な方々が関わることで多様な価値観を取り入れることができる。一方で、団体には設立時からの価値観、文化、指針、風土がある。そういったものと新しいものを融合していくことも、団体が真に社会に必要される存在として重要なことである。 別の見方をすれば、必ずしも自団体の風土がよくないというわけではないので、新しい方々に自団体の価値観をしっかり伝えていくことも必要である。 固定的なものではなく常に変化していくものとして、相互作用を意識することが肝要である。 【日曜日のガバナンス】 ミッション・ビジョンには、社会課題などをもとに目指すべき社会が語られている。その際に、ビジョンを達成するための主体が本当は誰があるべきなのかを考えることも必要である。社会課題に対して持続的に対応していくためには、団体の力だけで取り組めばよいというものではない。時には、市民が主体になって課題解決をして、団体はサブの役割を務めていくことも必要である。 これからの非営利組織のガバナンスを考える時に、誰が担い手になるべきかという視点も盛り込むことが必要不可欠になっている。 |