【開催報告】寄付を語ろう。キフカッション in 岡山 2019年11月30日(木)夜 [2019年11月30日(Sat)]
今回のキフカッションは岡山県岡山市での開催。岡山NPOセンターに開催していただきました。
◎キフカッションとは? 寄付について、気軽にディスカッションを行い、寄付に関する様々な情報を共有できる場、それが「キフカッション」(寄付+ディスカッション)。全国各地で開催されています。 寄付を語ろう。キフカッション in 岡山 日 時:2019年11月30日(土)18:00〜20:00 ※飲みながら食べながら、ゆるやかに 場 所:ナチュルレモン 対 象:寄付について語りたい人、学びたい人ならどなたでも 参加者:9名 主 催:岡山NPOセンター 今回のキフカッションは、岡山県内のNPO団体の方やNPO支援をしている中間支援組織の方々が参加してくれました。 はじめに、参加者のみなさんから自己紹介タイム! ふだんの活動から、はじめての寄付、よかった寄付、今集めている寄付についてお話しいただきました。この自己紹介を聞いているだけでも、勉強になります。 今までにやってよかった寄付などはいろんなヒントが詰まっていました。 それぞれの自己紹介の後に話題を深める時間も少しいれたので、いろんな話題が出来てました。 自己紹介やディスカッションで出てきたことをピックアップしました。 (ここには書けませんが、これまでのキフカッション史上一番の激アツの寄付事例のお話もお聞きしました) ・親の仕事などの関係で小さい頃から募金に親しむ環境があった。 ・最初の寄付は、小学校の時の赤い羽根が多い。 ・小学校の頃、病院で入院していた時に、病院に設置されている募金箱に募金を行た。 ・子どもころの、毎週日曜日に親に連れられて教会に行った時に、袋が回ってきて寄付をしていた。 ・阪神淡路大震災や東日本大震災の時の寄付が意識的に寄付をしたことの最初というお話も。 ・阪神大震災の際に、野球のイチロー選手が年俸の1割を寄付したというニュースを聞いて、自分も年収の1割を寄付した。 ・東日本大震災の時、ネパールに住んでいたので、ネパールで復興支援のチャリティコンサートを行った。 ・昨年の西日本豪雨で大きな被害を受けて、岡山県内で助け合いの機会が生まれた。 ・公益財団法人みんなでつくる財団岡山で災害復興のための「ももたろう基金」を立ち上げ、県内外から多くの寄付が集まった。 ・岡山はもともと災害なども少なく住みやすい気候なのであまり生活が困難になるということが少ないので、助け合うという気持ちや機会がこれまで少なかったのかもしれない。 ・昨年の西日本豪雨の際に、倉敷市真備の福祉施設が水害にあった。その団体に寄付を行ったが、丁寧にSNS等で発信をしていたので、自分の寄付が役立っていることが実感できてよかった。 ・災害が起こった時に、応援している著名アーティストのファンのコミュニティグループで自主的にグッズを作って販売し、その収益約30万円を復興支援として寄付を行った。 ・年2回、新聞を発行し、寄付のお願いをしている。 ・夏祭りに子どもたちが募金箱をもって会場で募金活動をしてくれる。祭りの時は寄付が集まりやすい。 ・寄付付き商品を意識的に選ぶ。 ・寄付を募ることは課題を知ってもらうことにつながる。 ・アーティストやスポーツ団体のチャリティアイテムを持っていると、知らない人とファン同士ということで盛り上がった経験も。 ・クリスマスドネーションをしている。アマゾンのウィッシュリストやお金の寄付など。 ・結婚をした時にSNSでお祝いのコメントをくれた人にNPO活動の近況を伝えたところ、寄付をしてくれる人が数多くいた。 ・岡山駅前で、若いアジア人の女性が募金活動をしている。現地の子どもたちの支援になるということで写真を見せながら寄付を集めている。また、寄付をしてくれた人の芳名帳をもっていて、他の人がどれくらい募金をしてくれているかを見せる。でも、実際にその募金が現地で使用されているのかわからない。 ・小学生の頃はベルマークを学校で集めていた。 ・知り合いがやっている団体に寄付をしたことがある。 ・コンビニでお釣りをレジ横の募金箱に寄付をしている。 ・学生たちがやっている街頭募金に寄付をして、めちゃくちゃ感謝されたのが嬉しい。 ・24時間テレビやマクドナルドハウスへの寄付をしたことがある。 ・子どもの施設に寄付をして、施設の子どもたちと一緒に遊んだこともよい思い出になっている。 ・来年、イベントを行うので、寄付を集める予定。 最後に、山田から「寄付の歴史」と岡山のファンドレイジング・スーパースター列伝について、ご紹介をしました。 〜プロローグ〜 聖徳太子が四天王寺を建てられるにあたって、「四箇院(しかいん)の制」をとられた。 四箇院とは、敬田院(きょうでんいん)、施薬院(せやくいん)、療病院(りょうびょういん)、悲田院(ひでんいん)の4 つのことで、敬田院は寺院そのものであり、施薬院と療病院は薬局・病院にあたり、悲田院は病者や身寄りのない老人などのための社会福祉施設にあたります。( 四天王寺HPページより) 1.勧進 1)行基(奈良時代:668年生まれ) ・公共工事の父 ・元祖ファンドレイザー ・東大寺盧舎那仏像(とうだいじるしゃなぶつぞう) 2) 聖武天皇の大仏造立の詔(だいぶつこんりゅうのみことのり)( 743年) ・日本初の募金趣意書 ・はじめての平民参加 3)勧進聖(平安時代〜) ・歩くクラウドファンディング ・往生系とコミュニティ系 4)重源(鎌倉時代:1121年生まれ) ・ファンドレイザー ・プロデューサー 5)勧進興行(鎌倉時代〜) ・エンタメ系ファンドレイジング 6) 薬師寺 と高田好胤(昭和時代:1967年) ・写経勧進 【コラム】 聖武天皇は天平15年10月15日(743年11月5日)、近江国紫香楽宮にて大仏造立の詔を発した。 朕、薄徳を以て恭しく大位を承く。志(こころざし)兼済に存して勤めて人物を撫(ぶ)す。率土の浜、已(すで)に仁恕に霑(うるお)うと雖も、而も普天の下、未だ法恩に洽(あまね)からず。誠に三宝の威霊に頼り、乾坤相泰(あいやすら)かに万代の福業を修めて動植咸(ことごと)く栄えんことを欲す。粤(ここ)に天平十五年歳(ほし)は癸未に次(やど)る十月十五日を以て菩薩の大願を発(おこ)して、盧舎那仏金銅像一躯を造り奉る。国銅を尽して象を鎔(とか)し、大山を削りて以て堂を構え、広く法界に及ぼして朕が知識となし、遂には同じく利益を蒙らしめ共に菩提を致さしめん。それ天下の富を有(たも)つ者は朕なり。天下の勢を有つ者も朕なり。此の富勢を以て此の尊像を造る。事や成り易く、心や至り難し。但恐らくは、徒(いたづら)に人を労すること有て能く聖を感ずることなく、或は誹訪(ひぼう)を生じて罪辜(ざいこ)に堕せんことを。是の故に知識に預る者は、懇ろに至誠を発して、各(おのおの)介(おおいなる)福を招き、宜(よろし)く日毎に盧舎那仏を三拝すべし。自ら当(まさ)に念を存し各(おのおの)盧舎那仏を造るべし。如し更に人の一枝の草、一把の土を以て像を助け造らんことを情(こころ)に願う者有らば、恣(ほしいまま)にこれを聴(ゆる)せ。国郡等の司、此の事に因りて、百姓を侵擾(しんじょう)して強(あながち)に収斂せしむること莫(なかれ)。遐邇(かじ)に布告して、朕が意を知らしめよ。 (大意)私は天皇の位につき、人民を慈しんできたが、仏の恩徳はいまだ天下にあまねく行きわたってはいない。三宝(仏、法、僧)の力により、天下が安泰になり、命あるものすべてが栄えることを望む。ここに、天平15年10月15日、菩薩の(衆生救済の)誓願を立て、盧舎那仏の金銅像一体を造ろうと思う。国じゅうの銅を尽くして仏を造り、大山を削って仏堂を建て、広く天下に知らしめて私の知識(大仏造立に賛同し、協力する同志)とし、同じく仏の恩徳をこうむり、ともに悟りの境地に達したい。天下の富や権勢をもつ者は私である。その富や権勢をもってこの像を造ることはたやすいが、それでは本意を達することができない。私が恐れているのは、人々を無理やりに働かせて、彼らが聖なる心を理解できず、誹謗中傷を行い、罪におちることだ。だから、この事業に加わろうとする者は、誠心誠意、毎日盧舎那仏に三拝し、自らが盧舎那仏を造るのだという気持になってほしい。たとえ1本の草、ひとにぎりの土でも協力したいという者がいれば、無条件でそれを許せ。役人はこのことのために人民から無理やり取り立てたりしてはならない。私の意を広く知らしめよ。 (Wikipediaより) 2.戦国時代から江戸時代 1)町衆・会合衆・大坂商人 →都市型 ・公儀橋vs町橋 2)豪農・豪商・庄屋 →地方型 3)無尽講 頼母子講 報徳思想 4)七分積立金 義倉 社倉 囲米 ・五人組→村・町(名主)→郡代・代官→藩 5)富くじ 6)儒教、朱子学、陽明学 ・五常(五徳):仁・義・礼・智・信 仁・・・人を思いやること 義・・・利欲にとらわれず、なすべきことをすること ・陰徳陽報(いんとくようほう) 「陰徳有る者は、必ず陽報有り」 3.明治時代以降(1868年) 1)地域自治 2)キリスト教の博愛主義(1870年代) ・ライオン(株)の前身の小林富次郎商店の慈善券(1900年) 3)文明開化(鹿鳴館) ・華族、貴族 ・初のチャリティバザー(1884年) 4)都市化による社会問題 5)皇族の下賜金 ・マッチングファンド ・呼び水効果 6)義援金 ・1885年の淀川の大洪水(大阪朝日新聞による、初めての新聞による義援金募集) ・1888年の磐梯山噴火(全国的な義援金募集) 7)渋沢 栄一(1840年〜1931年)と石井十次(1865年〜1914年) 8)救世軍 ・慰問かご(1906年) ・社会鍋(1909年) 9)実業家や財閥の勃興 ・三井慈善病院(1909年) ・渡米実業団(1909年 渋沢栄一、ビジネスとフィランソロピー) ・関西の寄付王:山口 玄洞(1917年以降) ・慈善病患者:本山彦一(1911年) 10)慈善活動家から社会事業家 11)国家的募金活動 ・明治神宮(1915年) ・米騒動(1918年) ・関東大震災(1923年) ・ 国防献金 (1930年) 12)戦争 ・ 慰問袋 (日露戦争 1904年) ・ 軍事物資献納運動 (〃) ・勝札(富くじ)(太平洋戦争 1945年) 4.戦後(1945年) 1)共同募金(1947年) 2)アメリカの援助(40,50年代) 3)カンパ 4)企業の社会貢献活動 ・フィランソロピー(1990年代) ・企業メセナ協議会(1990年) ・経団連・1%クラブ(1990年) ・CSR元年(2003年) 【コラム】 憲法第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。 <岡山ゆかりのファンドレイジングスーパースター列伝> 15 石井十次 岡山県 岡山孤児院 1900年代 2018/1/15 https://blog.canpan.info/cpforum/archive/1144 18 留岡幸助 北海道 北海道家庭学校 1900年代 2018/1/18 https://blog.canpan.info/cpforum/archive/1148 32 山室軍平 日本 救世軍 1895年 2018/2/1 https://blog.canpan.info/cpforum/archive/1171 48 石井十次 宮崎県 児童福祉 1890年代 2018/2/17 https://blog.canpan.info/cpforum/archive/1194 58 倉敷村 岡山県 倉敷義倉 1769年 2018/2/27 https://blog.canpan.info/cpforum/archive/1209 130 アリス・ペティ・アダムス 岡山県 岡山博愛会 1891年 2018/5/10 https://blog.canpan.info/cpforum/archive/1323 143 大原孫三郎 岡山県 篤志家 1901年 2018/5/23 https://blog.canpan.info/cpforum/archive/1348 175 津田白印 岡山県 孤児 1900年 2018/6/24 https://blog.canpan.info/cpforum/archive/1398 208 閑谷学校 岡山県 学校 1682年 2018/7/27 https://blog.canpan.info/cpforum/archive/1463 209 ふるさと岡山“学び舎”環境整備事業 ふるさと納税 2010年代 2018/7/28 https://blog.canpan.info/cpforum/archive/1464 210 田渕屋甚九郎 岡山県 弱者救済 1724年 2018/7/29 https://blog.canpan.info/cpforum/archive/1465 423 野崎武吉郎 岡山県 社会事業(児島) 1890年代 2019/6/4 https://blog.canpan.info/cpforum/archive/1930 |