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曜日のガバナンス No.09 [2023年09月04日(Mon)]


曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していきます。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。
月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。

月・・・ 制度としてのガバナンス
火・・・ 戦い・議論のガバナンス
水・・・ 手続きのガバナンス
木・・・ 樹木のように育てるガバナンス
金・・・ お金にまつわるガバナンス
土・・・ 土のガバナンス(団体特有のガバナンス文化)
日・・・ ミッション・ビジョン(太陽)に基づくガバナンス

なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。

2023年9月4日(月)〜10日(日)


【月曜日のガバナンス】
人ごとのよきもあしきも心して
きけばわが身の為とこそなれ

この歌は、先日、明治神宮に行った時に掲示されていた、昭憲皇太后(明治天皇の皇后)の御歌です。
昭憲皇太后によるガバナンスの教えですね。
他の団体のガバナンスは、よい事例であれば真似して、悪い事例であればそれを反面教師にして、自団体のこととして捉えて改善していくことがよいという教えですね。
深いです。


【火曜日のガバナンス】
ガバナンスがなくても組織は回る。
ガバナンスがなくても事業は出来る。

実は、そんな気持ちをお持ちではないでしょうか。
この気持ち、ガバナンスを推進していくためには、周囲の意識として、まさに天敵です。
実際に、ガバナンスがなくても、組織は回るし、事業も出来てしまいます。
でも、それは持続的ではありません。ガバナンスがない場合、何かあった時に大きな問題となる可能性が高いです。リスクが大きいわけです。
そのことを団体内で理解してもらうことが必要です。


【水曜日のガバナンス】
ちはやふる 神のをしへを うけつぎし
人のこころぞ ただしかりける

こちらは明治天皇の御歌です。
「神のをしへ」をガバナンスとして想定するなら、まさにガバナンスのための教えになりますね。
ガバナンスは突然生まれた概念ではありません。
非営利組織が生まれてから、その透明性や公正性を担保するために、連綿と続いて進化しているものがガバナンスです。その教えを受け継いで、適切な組織経営を行っていくことが正しい非営利組織運営となります。


【木曜日のガバナンス】
ガバナンスのない組織は、ブレーキやライト(安全装置)のない自転車。

ガバナンス意識が高まらないのは、ガバナンスがなくても、(良い悪いを置いといて)組織は回るし、事業は出来ちゃう。
まるで、ブレーキが壊れた自転車のように、自転車が走るし、移動するという目的は達成できちゃう。でも、ブレーキが壊れていると思うと、怖くて自転車に乗れない。
ガバナンスが欠如している組織は心配で積極的に関わりたいとは思わない。
ガバナンスは一見なくても対応できてしまうが、よい組織、よい事業をしていくためには、ガバナンスを上手く活用していくことが近道である。

ちなみに、NPOの経営を称して、「自転車操業」ということもあります。
自転車操業だからこそ、ブレーキやライトが壊れていても、リスクを感じつつも、思わず自転車に乗ってしまうこと、あるいは自転車に乗らざるを得ないこともあるでしょう。
でも、ガバナンスをもって、安全運転をすることが必要不可欠だと思います。


【金曜日のガバナンス】
女性は協会の調査に「(採用された)初年度に監査が甘いと思った」と話している。

これは、とある非営利組織で横領をしていた経理担当者が語った言葉です。
その横領事件の新聞報道の中で紹介されていました。
ガバナンスなき経営を表す象徴的な言葉です。
監査の重要性がよくわかります。
犯罪や不祥事を防ぐ、監事監査の抑止力を表しています。


【土曜日のガバナンス】
うちでは、以前からこうやっています。

ずーっと続けてきたことが必ずしも正しいわけではありません。
時代の変化に対応できていない。
組織の規模や体制が大きく変わってきている。
組織の仕組みが変わってきている。
組織の人も変わっている。(人物そのものの入れ替えから、同じ人物でも意識や生活が変わっている)
いつの間にか、その教えややり方が
あるいは、最初の出発点から間違っている可能性もあります。

ガバナンスも継続して見直しをしていくことが必要です。


【日曜日のガバナンス】
その活動は、ミッション・ビジョンの達成のために必要なものか?
ミッション・ビジョンに基づき、この状況で、今、何をすべきなのか?

理事会でそういったことを考えることも大切なガバナンスです。
執行部で考えて活動をしていると、目の前の現実にとらわれてしまい、ミッション・ビジョンのためではなく、活動をしてしまうケースもあります。
あるいは、現在の社会状況に応じて、取り組まなければいけないことを避けてしまうことがあるかもしれません。
その時に、理事会で外部理事がある意味、第三者の立場で意見を言う、疑問を呈することも必要です。その際に、常に、ミッション・ビジョンの達成のために、ということを意識する必要があります。
曜日のガバナンス No.08 [2023年08月28日(Mon)]

曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していきます。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。
月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。

月・・・ 制度としてのガバナンス
火・・・ 戦い・議論のガバナンス
水・・・ 手続きのガバナンス
木・・・ 樹木のように育てるガバナンス
金・・・ お金にまつわるガバナンス
土・・・ 土のガバナンス(団体特有のガバナンス文化)
日・・・ ミッション・ビジョン(太陽)に基づくガバナンス

なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。

2023年8月28日(月)〜9月3日(日)

【月曜日のガバナンス】
公益を達成するためのガバナンス。
市民参加を達成するためのガバナンス。
市民の自治のためのガバナンス。
民主主義のためのガバナンス。
非営利組織らしさのガバナンスを考える。
非営利組織として、課題解決などの達成とは別に、非営利組織として実現したい社会像を考えていく必要もある。
そのために、どのようなガバナンスが必要なのか?
あるいは、ガバナンスそのものは変わらないが、判断をする際の指針や方針的なものが必要なのか?

【火曜日のガバナンス】
市民参加のためのガバナンスを考えた時に、現在の法令や定款で定められた以上のガバナンスを考える必要がある。理事、監事、社員、職員以外に、団体に関わる仕組みや制度が必要になってくる。支援、活動、参画(意思決定に近い機会に隣接して)。
自団体で、どのような仕組みがあれば、市民参加を実現できるかを考える。
団体の活動によって、その在り方は様々である。
市民参加という軸で考えた時に、どのようなガバナンスが考えられるのか?

【水曜日のガバナンス】
定款では、団体の目的や事業を記載する。その時、ベースは活動のことが中心となる。一方で、団体の目的や事業に活動視点ではなく、組織運営視点の要素を盛り込むことも可能ではないだろうか。自団体の運営の方針を盛り込むことである。例えば、活動や事業を推進していく体制として、市民参加を促して活動を拡げていくという方針もある。そのために、団体の目的や事業に市民参加の促進に関する内容を入れることも可能だ。課題解決の方法を考える時に、誰が主体で解決をしていくのか活動者の主体をイメージして、その内容を言語化してみては。

【木曜日のガバナンス】
市民参加を考えることは、団体の継続性にもよい影響がある。
市民参加を実現することは多様な方が団体に関わることである。その中から、職員になったり、理事になったり、することもある。活動に関わり、団体に参画してもらうことで、団体のことを理解してもらい、地域社会に必要な団体であることを実感してもらい、将来の担い手になってくれることもある。
そういったことを考えると、市民参加は将来への投資でもある。
 
【金曜日のガバナンス】
団体によっては、役員からの借入金がある団体もある。
ガバナンスの観点から財務のことを考えることも重要である。
借入金以外にもメインの支援者がいる場合もある。
いわゆる資金の出し手との関係性を適正にしていくこと、強い影響を受けずに自律的に運営を行い、自立していくことも大切な取り組みである。
お金に関するガバナンスでは、これまで不正会計の視点で書いてきたが、違う側面があることもあらためて考えたい。
例えば、株式会社の場合、出資額によって票数が変わってくる。社団法人の場合、口数に応じて、票数を増やしているケースもある。あらためて、お金の出し手、その金額、ガバナンスの関係性について、整理していきたいものである。

【土曜日のガバナンス】
市民参加を促した時に、多様な方々が関わることで多様な価値観を取り入れることができる。一方で、団体には設立時からの価値観、文化、指針、風土がある。そういったものと新しいものを融合していくことも、団体が真に社会に必要される存在として重要なことである。
別の見方をすれば、必ずしも自団体の風土がよくないというわけではないので、新しい方々に自団体の価値観をしっかり伝えていくことも必要である。
固定的なものではなく常に変化していくものとして、相互作用を意識することが肝要である。

【日曜日のガバナンス】
ミッション・ビジョンには、社会課題などをもとに目指すべき社会が語られている。その際に、ビジョンを達成するための主体が本当は誰があるべきなのかを考えることも必要である。社会課題に対して持続的に対応していくためには、団体の力だけで取り組めばよいというものではない。時には、市民が主体になって課題解決をして、団体はサブの役割を務めていくことも必要である。
これからの非営利組織のガバナンスを考える時に、誰が担い手になるべきかという視点も盛り込むことが必要不可欠になっている。
曜日のガバナンス No.07 [2023年08月19日(Sat)]

曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していきます。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。
月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。

月・・・ 制度としてのガバナンス
火・・・ 戦い・議論のガバナンス
水・・・ 手続きのガバナンス
木・・・ 樹木のように育てるガバナンス
金・・・ お金にまつわるガバナンス
土・・・ 土のガバナンス(団体特有のガバナンス文化)
日・・・ ミッション・ビジョン(太陽)に基づくガバナンス

なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。

2023年8月21日(月)〜8月27日(日)

【月曜日のガバナンス】
定款に基づき、業務執行を託された理事会。
理事会は、定款に基づき、業務執行を行う。
具体的には、定款で定められた目的と事業に基づき、事業計画を作成し、業務執行を行っていく。その結果、成果は事業報告書としてまとめられる。
その事業報告書は社員総会で報告し、承認される。
その際に、定款に基づき、業務執行を託した理事会の執行状況を、社員はその定款に基づき、確認する。
社員総会では、定款(の目的と事業)に基づき、事業が遂行されたかどうかを確認していくものである。もし、定款通りに実施されていないとおもうのであれば、次の役員選任が大切である。

【火曜日のガバナンス】
社員総会をどう位置付けるか。
NPOのガバナンスの難問の一つである。
ここで社員総会主導型と理事会主導型の2種類のNPOがあることに注意しなければならない。その目安は、事業計画をどちらで審議承認かするかだ。
社員総会主導型のNPOであれば、事業計画に関する議論を中心に会議の内容を設計する。但し、事業計画そのものは細かいものではなく、方針を示す程度のレベル感であることから、実際には事業の柱や文章を検討するというのではなく、実際の執行に関するものを検討する。
一方、理事会主導型の社員総会の場合は、事業報告がメインになる。事業の実績や成果を素材にディスカッションすることで、良かった点、不足している点を深めていき、次の事業の業務執行に反映していくことである。

【水曜日のガバナンス】
定款の目的・事業の記載内容と、事業計画と事業報告の内容を比較して確認する。
本来であれば、定款に記載されている事業の柱(区分け)に基づき、事業計画の事業の柱が設定され、事業計画書が作成される。また、その事業計画の記載内容に基づき、事業報告書の記載となって行く。
定款の事業右矢印1事業計画書の事業右矢印1事業報告書の事業
しかしながら、NPOの活動が広がっていったり、外部の方にわかりやすい表現を考えていったりする中で、定款の事業と事業計画・事業報告の事業との乖離が生まれている。
また、事業報告書の他に、活動報告書やアニュアルレポートなどを発行している場合には、定款の記載にこだわらず、わかりやすさ優先で記載しているケースもある。
現状では、どちらの方法も流通している(定款こだわり派、定款から自由派)。但し、上記のようなことがあることを認識しておくことは必要不可欠である。

【木曜日のガバナンス】
NPO活動を進めていく中で、当初の想定とは違うように発展していくものである。
一方で、定款の目的や事業について、頻繁に改正をしていくことは難しい。
そこで、NPOの活動の広がりや進化に応じて、定款に記載されている事業を読み込む技能が必要になる。解釈、読み替え、拡散、収縮、集合、関連、関係、発想、意義づけ、定義づけ、創造などのキーワードをもとに読み込んでいく。
5年に一度くらいの頻度で、定款の記載内容と現状の事業内容について、照合していく必要がある。派生する事業について、定款で定める目的を達成するのに必要かどうかを検討していく。

【金曜日のガバナンス】
NPOの団体によって、実施している事業も組織運営も変わってくる。お金に関する管理も団体それぞれになる。
@銀行口座の管理
A現金の管理
B職員の経費立て替えの確認
C入金の管理
 ・寄付 ・会費 ・参加費 ・販売の売上 ・サービス提供の売上
D支出の管理
団体の活動や規模によって、あらためて管理体制を見直す。
お金の管理面のリスクの棚卸し、脆弱性を考える。
どこがボトルネックになるのかを再点検する。

【土曜日のガバナンス】
団体特有のガバナンスと、団体の文化は密着しているもので、分離できないものである。ガバナンスが団体の文化に影響を与えるのか、団体の文化がガバナンスに影響を与えるのか。
団体の文化としてディスカッションを尊重しているであれば、ガバナンスでも積極的にディスカッションが行われている。
あるいは、代表のリーダーシップが強いということが文化であれば、ガバナンスもリーダーシップが強いガバナンス運営となる。
すでにある文化を適当なタイミングで考え直すことも大切な組織運営の要素である。

【日曜日のガバナンス】
ミッション・ビジョン・ゲームをご存じだろうか?
今、思いついて、考えたものである。
団体の活動を考えるための簡単なゲームである。
こういう内容だ。
@すでにあるミッション・ビジョンの文章を用意する。
 そういったものがない場合は定款の目的・事業の文章を用意する。
A自分たちが取り組んでいる活動分野に関連して、話題になっている問題や課題、社会の変化、気になる事象やことなどをピックアップする。
B同じように、自分たちの活動地域における、話題になっている問題や課題、社会の変化、気になる事象やことなどをピックアップする。特に社会状況の変化はしっかり把握しておく。
C⓶とBでピックアップしたトピックスについて、自団体の活動として取り組んでいる、あるいは関連しているものがあるかどうか、〇△×でチェックを入れる。
DCのチェックリストをもとにして、団体のミッション・ビジョンの内容から取り組むべきものかどうかを〇△×でチェックする。
Eミッション・ビジョンのチェックで〇になっているトピックスで、Cで×になっているものがあればそれを抜き出す。
F先に抜き出したトピックスについて、ミッション・ビジョンの観点から何も手をつけていけないかどうかをディスカッションする。
これが、今出来た「ミッション・ビジョンゲーム」である。
曜日のガバナンス No.06 [2023年08月14日(Mon)]

曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していきます。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。
月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。

月・・・ 制度としてのガバナンス
火・・・ 戦い・議論のガバナンス
水・・・ 手続きのガバナンス
木・・・ 樹木のように育てるガバナンス
金・・・ お金にまつわるガバナンス
土・・・ 土のガバナンス(団体特有のガバナンス文化)
日・・・ ミッション・ビジョン(太陽)に基づくガバナンス

なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。

2023年8月14日(月)〜8月20日(日)

【月曜日のガバナンス】
NPO法人における最高意思決定機関である社員総会は、最初意思決定機関であり、最後意思決定機関である。
NPO法人を設立する最初の会議は社員総会であり、解散を決める会議も社員総会です。
NPO法では、毎年1回は通常社員総会を開催する必要がありますが、なんとなく社員総会は意思決定機関という感じがしないでのはないでしょうか?
最高意思決定機関という役割は、毎年開催される通常社員総会というよりは、やはり最初と最後の意思決定を行うということをイメージすると、その感覚がわかるのではないでしょうか。
理事や監事を選任するというのも最高意思決定という感じがありますが、団体によっては理事会で選任することもあります。
そこで、最高意思決定の中核は「定款」となります。
設立総会で定款を定めて、その定款に基づいて、団体の事業と運営が進んでいきます。
また、定款の変更も社員総会で審議・決議する必要があります。
仮置きですが、「最高意思決定=定款」説ということを伝えていきたいと思います。
※今回はNPO法人に例に書いていきます。

【火曜日のガバナンス】
理事会や理事は、定款に基づいて、業務執行を行っていく必要があります。
団体の目的や事業が定款で定められています。
また、組織運営の手順も特に必要な項目が定款で定められています。
毎年、「最高意思決定=定款」の目的・事業に基づき、毎年度の事業計画・予算を作成します。また、「最高意思決定=定款」に基づいて作成された事業計画・予算に基づき、活動を行い、その報告・決算を作成し、社員総会でその報告を行う。
あらためて、NPOのガバナンスでは、「定款」が大事であり、「定款自治」という言葉を思い出したいところです。
また、事業計画が定款の目的・事業からずれていないかを確認することは大事です。

【水曜日のガバナンス】
『1. 設立総会においてNPO法人を設立する意思決定をはかります
法人を設立しようとする人(設立者)は、設立趣旨書、定款案などを作成します。設立者は趣旨に賛同する人(社員になる意志のある人)を募り、法人設立総会を開催します。総会で法人の設立についての意思決定を行い、その会議の議事録を作成します。※議事録の謄本、設立趣旨書および定款は、設立申請の際の提出書類の一部となります。』
(ボラ市民ウェブより)https://www.tvac.or.jp/shiru/npo/nagare.html

設立の社員総会で「定款」を作成します。
以前書いた通り、「最高意思決定=定款」です。
別の表現をすると、決定した意思は定款として表現されます。
但し、定めた定款はあくまで文書です。この定款の内容を実行する人が必要になってきます。それを担うのが「理事」です。
理事は、設立の社員総会で定めた定款をいかに実現していくことが託されています。

ふだん、ガバナンスの話しをする時に、毎年繰り返させれる社員総会や理事会のことをイメージしてしまいますが、ガバナンスは設立時からの時系列から入って説明するのがわかりやすいのではと最近考えています。

【木曜日のガバナンス】
職員のガバナンス意識をどう高めるのかというのは、永遠の課題です。
今週のエッセイで書きましたが、毎年のガバナンスではなく、設立時のガバナンスをしっかり伝えていくのがよいでしょう。
設立時の社員総会の熱気や熱情を伝えつつ、どのように定款が定められたのか、その実現のためにどのように設立時の理事を選任したのか、そういった歴史を伝えると、団体への共感とガバナンスの意識が高まるのではないでしょうか。
こういった視点で、団体の歴史を伝えていくことがよいのかもしれません。
定款の策定や設立時の社員総会のエピソードはぜひ採集しておきたいですね。

【金曜日のガバナンス】
寄付と¥サツと渡し

イベントなどで寄付を現金でもらうケースがあります。
1000円以上など、それなりの金額でいただいた時には領収書を発行することだと思います。お金に関するガバナンス・コンプライアンスでは、この現金の受領の機会がとても重要です。
寄付を円札でもらった時には領収書を渡すという習慣を徹底したいものです。
寄付以外にも、イベントの参加費などでも同じです。
もらったお金の管理の面から、正しく領収書を発行し、その領収書で金額を管理することが大切です。

【土曜日のガバナンス】
団体特有のガバナンスの効能として、団体設立時の歴史や物語を伝えていくことが大切です。その際に、社員から理事に団体の運営を託したことをあらためて振り返り、その思いを再確認したいものです。
もちろん、社会状況や団体の状況によって、定款の内容を変更していることもあるでしょう。それらの定款変更の変遷もしっかり共有していきたいと思います。定款変更こそ、意思決定の軌跡です。
定款自治を実践していくことが必要です。

【日曜日のガバナンス】
「最高意思決定=定款」説としては、定款で定められている目的と事業は絶対です。
意思決定は定款の目的・事業に宿ります。
最近、団体のミッション・ビジョンを定めるケースが結構ありますが、定款の記載内容との連動も大切です。団体設立時の思いが定款に表現されていますので、それを尊重することが必要です。
もし、今の社会状況にあっていない場合には、定款の変更を考えていきましょう。
非営利組織では、設立時の思いや志を大切にする必要があります。
それらを無視して違うことを行うのは、非営利組織としての本末転倒です。
定款自治をもとに、どう発展させていくのか。
そこが大事なポイントとなります。
曜日のガバナンス No.06 [2023年08月14日(Mon)]

曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していきます。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。
月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。

月・・・ 制度としてのガバナンス
火・・・ 戦い・議論のガバナンス
水・・・ 手続きのガバナンス
木・・・ 樹木のように育てるガバナンス
金・・・ お金にまつわるガバナンス
土・・・ 土のガバナンス(団体特有のガバナンス文化)
日・・・ ミッション・ビジョン(太陽)に基づくガバナンス

なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。

2023年8月14日(月)〜8月20日(日)

【月曜日のガバナンス】
NPO法人における最高意思決定機関である社員総会は、最初意思決定機関であり、最後意思決定機関である。
NPO法人を設立する最初の会議は社員総会であり、解散を決める会議も社員総会です。
NPO法では、毎年1回は通常社員総会を開催する必要がありますが、なんとなく社員総会は意思決定機関という感じがしないでのはないでしょうか?
最高意思決定機関という役割は、毎年開催される通常社員総会というよりは、やはり最初と最後の意思決定を行うということをイメージすると、その感覚がわかるのではないでしょうか。
理事や監事を選任するというのも最高意思決定という感じがありますが、団体によっては理事会で選任することもあります。
そこで、最高意思決定の中核は「定款」となります。
設立総会で定款を定めて、その定款に基づいて、団体の事業と運営が進んでいきます。
また、定款の変更も社員総会で審議・決議する必要があります。
仮置きですが、「最高意思決定=定款」説ということを伝えていきたいと思います。
※今回はNPO法人に例に書いていきます。

【火曜日のガバナンス】
理事会や理事は、定款に基づいて、業務執行を行っていく必要があります。
団体の目的や事業が定款で定められています。
また、組織運営の手順も特に必要な項目が定款で定められています。
毎年、「最高意思決定=定款」の目的・事業に基づき、毎年度の事業計画・予算を作成します。また、「最高意思決定=定款」に基づいて作成された事業計画・予算に基づき、活動を行い、その報告・決算を作成し、社員総会でその報告を行う。
あらためて、NPOのガバナンスでは、「定款」が大事であり、「定款自治」という言葉を思い出したいところです。
また、事業計画が定款の目的・事業からずれていないかを確認することは大事です。

【水曜日のガバナンス】
『1. 設立総会においてNPO法人を設立する意思決定をはかります
法人を設立しようとする人(設立者)は、設立趣旨書、定款案などを作成します。設立者は趣旨に賛同する人(社員になる意志のある人)を募り、法人設立総会を開催します。総会で法人の設立についての意思決定を行い、その会議の議事録を作成します。※議事録の謄本、設立趣旨書および定款は、設立申請の際の提出書類の一部となります。』
(ボラ市民ウェブより)https://www.tvac.or.jp/shiru/npo/nagare.html

設立の社員総会で「定款」を作成します。
以前書いた通り、「最高意思決定=定款」です。
別の表現をすると、決定した意思は定款として表現されます。
但し、定めた定款はあくまで文書です。この定款の内容を実行する人が必要になってきます。それを担うのが「理事」です。
理事は、設立の社員総会で定めた定款をいかに実現していくことが託されています。

ふだん、ガバナンスの話しをする時に、毎年繰り返させれる社員総会や理事会のことをイメージしてしまいますが、ガバナンスは設立時からの時系列から入って説明するのがわかりやすいのではと最近考えています。

【木曜日のガバナンス】
職員のガバナンス意識をどう高めるのかというのは、永遠の課題です。
今週のエッセイで書きましたが、毎年のガバナンスではなく、設立時のガバナンスをしっかり伝えていくのがよいでしょう。
設立時の社員総会の熱気や熱情を伝えつつ、どのように定款が定められたのか、その実現のためにどのように設立時の理事を選任したのか、そういった歴史を伝えると、団体への共感とガバナンスの意識が高まるのではないでしょうか。
こういった視点で、団体の歴史を伝えていくことがよいのかもしれません。
定款の策定や設立時の社員総会のエピソードはぜひ採集しておきたいですね。

【金曜日のガバナンス】
寄付と¥サツと渡し

イベントなどで寄付を現金でもらうケースがあります。
1000円以上など、それなりの金額でいただいた時には領収書を発行することだと思います。お金に関するガバナンス・コンプライアンスでは、この現金の受領の機会がとても重要です。
寄付を円札でもらった時には領収書を渡すという習慣を徹底したいものです。
寄付以外にも、イベントの参加費などでも同じです。
もらったお金の管理の面から、正しく領収書を発行し、その領収書で金額を管理することが大切です。

【土曜日のガバナンス】
団体特有のガバナンスの効能として、団体設立時の歴史や物語を伝えていくことが大切です。その際に、社員から理事に団体の運営を託したことをあらためて振り返り、その思いを再確認したいものです。
もちろん、社会状況や団体の状況によって、定款の内容を変更していることもあるでしょう。それらの定款変更の変遷もしっかり共有していきたいと思います。定款変更こそ、意思決定の軌跡です。
定款自治を実践していくことが必要です。

【日曜日のガバナンス】
「最高意思決定=定款」説としては、定款で定められている目的と事業は絶対です。
意思決定は定款の目的・事業に宿ります。
最近、団体のミッション・ビジョンを定めるケースが結構ありますが、定款の記載内容との連動も大切です。団体設立時の思いが定款に表現されていますので、それを尊重することが必要です。
もし、今の社会状況にあっていない場合には、定款の変更を考えていきましょう。
非営利組織では、設立時の思いや志を大切にする必要があります。
それらを無視して違うことを行うのは、非営利組織としての本末転倒です。
定款自治をもとに、どう発展させていくのか。
そこが大事なポイントとなります。
曜日のガバナンス No.05 [2023年08月11日(Fri)]

曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していきます。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。
月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。

月・・・ 制度としてのガバナンス
火・・・ 戦い・議論のガバナンス
水・・・ 手続きのガバナンス
木・・・ 樹木のように育てるガバナンス
金・・・ お金にまつわるガバナンス
土・・・ 土のガバナンス(団体特有のガバナンス文化)
日・・・ ミッション・ビジョン(太陽)に基づくガバナンス

なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。

2023年8月7日(月)〜8月13日(日)

【月曜日のガバナンス】
NPOの役職員による法令遵守はガバナンスの基本の一つです。
法令遵守とはコンプライアンスのことですが、ここで言う法令遵守には、法律や条例、施行規則など国や自治体が定めた公的なものの他に、団体自身が定めた文書(定款や規程)もその対象です。
団体独自のルールの中に、役職員の行動を規定するものもあります。
倫理規程、就業規則、行動規範、クレドなどがあります。
あるいは、そういったものに定められていなくても、現代社会で求められる社会規範を遵守することも必要です。特に、行動規範、社会規範については、時代によって概念が変わってくること、以前はセーフだったものが現在の価値観ではアウトになっているものもあります。常にアップデートしていくことが必要です。
コンプライアンス違反にならないように団体内で研修や情報共有、情報提供をしていくことなども必要です。
「月に代わってお仕置に」ならないように、気を付けることが肝要です。


【火曜日のガバナンス】
非営利組織のガバナンスの大事な要素に自立と自律があります。
行政や他の団体に縛られず、団体として自立していくこと。かつ、自ら律して組織運営を行っていくこと。
ガバナンスとは、自立と自律を目指して組織運営を行っていくためのものといってもよいかもしれません。
火曜日は、戦いのガバナンスという設定です。
外部の組織に強い影響を受けないように運営を行っていく。そのためには、自立して自律して運営するために、時には戦う必要があります。その際にも、戦うことが目的ではなく、自団体のミッション・ビジョンという方針に忠実になるために必要な戦いです。


【水曜日のガバナンス】
水の流れである川に源流があるように、個々のNPOのガバナンスにも源流があります。
個々の団体のガバナンスの始まりとは、定款です。社員総会や評議員会が最高意思決定機関と言われる所以はこの定款を定める機関だからです。
人の集まりである社団法人やNPO法人であればその人たちの意思を、財産の集まりである財団法人であればその出捐者の意思を、明文化したものが定款です。
それぞれの団体のガバナンスは、この定款から始まっています。
それぞれの団体の定款そのものは、最初は一滴の水のように些細なものかもしれません。しかし、その一滴の水が大河を形成するように、その定款という旗のもとにいろんな人や資金、資源、そして思いが集まり、大きなうねりを生み出して、社会を変えていくかもしれません。
定款の設立過程から紐解くことで、NPOの本当のガバナンスの源流を思い出すことが出来ます。


【木曜日のガバナンス】
NPOのガバナンスについて、組織の中での定着を考えた時に「樹木イメージ」が理解しやすいと思います。
土の中で根を張って、たくさんの葉っぱを生い茂る常緑樹のイメージです。
土の中は事務局のイメージです。事務局の活動や事務などが根になります。しっかり根を張って、栄養を吸収して、その栄養が葉っぱになります。この葉っぱが理事会や社員総会へとなっていきます。
事務局の事務や活動の積み重ねがあって、理事会や社員総会での議論へとつながっていきます。事務局の取り組みと理事会等の議論がつながっているイメージが必要です。
一方で、葉っぱによる光合成も樹木の成長には必要です。太陽の光(外部からの影響)を受けて光合成をする。外部からの影響を持ち込む理事会や社員総会の役割も大事です。
重要なのは、理事会等のガバナンスと、事務局の取り組みが連動しているイメージです。


【金曜日のガバナンス】
夏の怪談:銀行口座
通帳が1枚、2枚、3枚、4枚、5枚、6枚、7枚、8枚、9枚・・・。
1枚足らない。

皆さんの団体では、銀行口座はいくつありますか?
助成金によっては、専用の口座開設を求めるケースもあります。
プロジェクトごとに資金管理をするために口座を開設することもあるでしょう。
あるいは、寄付などの受入口座として開設するケースもあります。また、寄付の使途を確定するために、基金や災害別に口座をわけていることもあります。
となると、時間経過が経つと、役員や事務局が把握していない銀行口座が出てくることもあります。毎年、財産目録を正確に作成し、銀行口座の情報も掲載されているとよいのですが。。。

把握されていない銀行口座があるということは、何か不正の元になることも想定されます。例えば、通常使用している入金時の口座とは別に、寄付やイベント参加費などをその口座に振り込んでもらって、勝手にそのお金を使用してなど。。。

本当に、銀行口座の管理は怖いですね。


【土曜日のガバナンス】
小中の夏休みは、勉強系の宿題は7月中に終えていた山田です。
何事もスケジュール管理、計画することが大事ですね。

しっかりスケジュールを計画して物事を進めていくことは大事です。
但し、そのスケジュールの設定そのものが間違っているケースもあります。
例えば、理事会、社員総会、監事監査。
このスケジュール設定について、あやしい団体がそれなりにいます。
事業報告書と決算を作成して、監事監査を行って、理事会を開催し、社員総会を開催する。本当はこのような流れになるはずですが、監事監査の実施時期が、理事会と社員総会の間に実施されているケースがあります。

これらのスケジュールは、団体の土着のガバナンスのよき事例です。一度、そのスケジュールを決めてしまうと、それが正しいと思ってしまい、あらためて見直す機会がありません。あらためて、実施の順番を見直してください。
さらに、招集通知の発送時期も加味して、スケジューリングをしたいところです。
さらにさらに、一般法人の場合は決算理事会と定時社員総会/評議員会の開催では、中14日間ルールがありますので、ご注意を。


【日曜日のガバナンス】
団体の活動や社会の変化に応じて、団体のミッション・ビジョンを見直していくことは大切な取り組みです。但し、そのミッション・ビジョンが定款で定めた目的と事業から外れていないかどうかを最終確認することは必要不可欠です。
NPOにとっては、やはり定款が団体にとっての大原則になります。
定款を大事にすることは必要です。
例えば、社員総会や評議員会を団体にとっての最高意思決定機関と位置付けることがありますが、その大前提に、社員総会等が団体設立時の定款作成の審議事項であり、定款改正時も審議事項となっています。
定款が団体の運営や活動の根幹となります。
あらためて、ガバナンスにおける定款の意義を今後お伝えしていきます。
曜日のガバナンス No.04 [2023年08月05日(Sat)]

曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していきます。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。
月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。

月・・・ 制度としてのガバナンス
火・・・ 戦い・議論のガバナンス
水・・・ 手続きのガバナンス
木・・・ 樹木のように育てるガバナンス
金・・・ お金にまつわるガバナンス
土・・・ 土のガバナンス(団体特有のガバナンス文化)
日・・・ ミッション・ビジョン(太陽)に基づくガバナンス

なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。

2023年7月31日(月)〜8月6日(日)

【月曜日のガバナンス】
理事の業務執行が適切に行われているか?
ガバナンスでは、とても重要なポイントです。
この業務執行を監視する役割として、監事監査があります。あるいは、理事の中でも業務執行に直接携わる理事(代表理事を含む)と、外部理事がいる場合には、理事会の中で外部理事が執行部の状況を監視するという役割もあります。
さらに、社員総会、もしくは評議員会では、理事会の業務執行が適切に行われているのかを確認するのが、事業報告や決算の審議承認になります。
さらにさらに、事業報告や決算を公開することで、市民を含むステークホルダーのチェックを受けるという機能もありますが、団体=理事会ともいえるので、外部のステークホルダー(市民を含む)も理事の業務執行を監視しているとも言えます。
もう一つ忘れていけないのは内部の監視の目です。執行部の理事と一緒に業務を行う事務局も理事の働きやふるまいを見ています。何かあれば直言をすることもあります。
こう考えると、業務執行を行う理事には、いろんな監視の目があります。
理事が高いガバナンス意識を持つためには、これらの監視を意識することです。そして、監視というとネガティブなイメージがありますが、ここでは意見やアドバイスをくれるという機能や役割も有していること、この役割を十二分に活用することが必要です。


【火曜日のガバナンス】
苦言を呈す。苦言を呈される。
理事会や社員総会において、よい状態です。
ある意味、ガバナンスが健全に機能している証拠かもしれません。あるいは、その数はガバナンスの指標になるかもしれません。
苦言が出るということは、それだけ意見が活発に出ている証拠です。
また、よい苦言は、外部理事がそれだけ団体の活動を理解している証拠かもしれません。
但し、気を付けなければならないのは、理事会の事務手続きの不備などがあり、そのことに対して苦言を呈されることはしばしばあります。手続き等はしっかり行った上で、建設的な苦言を呈してもらえるようにしたいものです。

【水曜日のガバナンス】
理事会を設置する。社員総会を運営する。監事監査を行う。
ガバナンスに関する機関を法令や定款通りに設置、運営を行うことは当たり前です。
大事なことは理事会、社員総会などは器ということです。
先月の7月20日の命日で没後50年を迎えたブルースリーの言葉に「Be water, my friend.(友よ、水になれ)」というものがあります。この言葉の前に、「カップに水をそそげば、水はカップの形になる。ティーポットに水をそそげば、ティーポットの形になる。」という説明の文章があります。
理事会や社員総会という器が出来た時に、水はその器の形になるわけです。
器の形が大事になってきます。

【木曜日のガバナンス】
書き忘れました。。。
ガバナンスの原点って、何ですか?
初め、託すことが生まれた。

【金曜日のガバナンス】
団体の信頼のためにはお金の管理が大切です。
現金の扱いと、銀行預金の扱いをわけて考えていく必要があります。
今回は現金の扱いです。
現金は、団体として現金の支払いを行うために紙幣・硬貨として保管管理しているものと、イベントの参加費や寄付など、紙幣・硬貨が収入として入ってくるものがあります。団体として保有している現金は、定期的に現金残高があっているかどうかをチェックする必要があります。現金の残高があわないという、思わぬことが発生することもあります。
一方で、現金収入について、正しい金額が収入として計上され、現金として管理されなければいけません。但し、この際に、横領などが発生する可能性があります。もらった寄付の金額は誰が証明するのでしょうか。
そういった懸念を防ぐためにも、寄付にしても、イベントの参加費にしても、適切に領収書を発行することが必要です。また、可能であれば、二人体制で現金管理は行いたいものです。


【土曜日のガバナンス】
もし新しい理事や監事が別のNPOの役員をしているようなら、そちらの団体のガバナンス状況を聞いてみるのもお薦めです。
案外、団体によってガバナンスの状況は違っているものです。
他の団体のガバナンス状況はきっと参考になります。
あるいは、ヒアリングするというよりは、個別のタイミング、例えば理事会の招集通知、理事会の進め方、理事会資料の中身、議事録の作成などの機会に、他の団体との比較を聞いてみるのも参考になりそうです。
何しろ、NPOの運営を行っていても、他の団体の運営の状況を知る機会は少ないものです。但し、他の団体の機密情報には決して触れないようにすることも肝要です。

自団体のガバナンス(土着のガバナンス)と、他の団体のガバナンスを比較することが、ガバナンスの向上の一助になります。

【日曜日のガバナンス】
ミッション・ビジョンに基づくガバナンス。
果たしてそういうものがあるのでしょうか?
新しい事業を行おうとする時に、ミッション・ビジョンに照らし合わせて、やるべきかどうかを検討する必要があります。計画を考える執行部や事務局においても検討する必要がありますが、理事会において、それぞれの理事がミッション・ビジョンに照らし合わせて、その事業の必要性を考えることも大切な取り組みです。そして、理事会においてもミッション・ビジョンに照らし合わせてディスカッションすることは大事です。
一方で、大きな社会変化の中で、新たなニーズが生じている状況で、それへの対応を行わないということは、時にはミッション・ビジョンから外れているということも想定できます。そのような時に、外部理事が理事会でミッション・ビジョンに照らし合わせてニーズに対応すべきだと提案を行うことも必要です。
つまり、ミッション・ビジョンという方針をもとに、ガバナンスの一環として考えていくことは大事な取り組みです。
曜日のガバナンス No.03 [2023年07月30日(Sun)]

曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していきます。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。
月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。

月・・・ 制度としてのガバナンス
火・・・ 戦い・議論のガバナンス
水・・・ 手続きのガバナンス
木・・・ 樹木のように育てるガバナンス
金・・・ お金にまつわるガバナンス
土・・・ 土のガバナンス(団体特有のガバナンス文化)
日・・・ ミッション・ビジョン(太陽)に基づくガバナンス

なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。

2023年7月24日(月)〜30日(日)

【月曜日のガバナンス】
「ガバナンスは組み合わせ。」
そんな名言があるとかないとか。
「理事会・社員総会・監事監査」×「事業計画/予算・事業報告/決算・役員選任」をどう組み合わせるかです。
一般社団/財団法人の場合、法令でこの組み合わせが決まっていますが、NPO法人の場合は法令で詳しく定められておらず、団体の自由度が高いです。一方で、これらは定款で定めるため、団体の設立前に決めなければいけないのが、ガバナンス上の課題になっています。
ガバナンスというと、理事会や社員総会から考えがちですが、逆に事業計画や事業報告の作成から決定までのプロセスをあらためて考え直し、その中で、理事会や社員総会の機能を落とし込むのも大切です。
一つの最適解はありませんが、団体ごとに工夫のしどころです。


【火曜日のガバナンス】
オンラインでの理事会が当たり前になってしまい、参加しやすくなった一方で、議論がしづらくなったという話しをよく聞きます。リアルの会議であれば、雑談的な情報交換から本格的な議論まで、様々なレベルでの対話が出来ていましたが、やはりオンライン会議ではなかなか難しいです。特に、議論を戦わせるというような、白熱したディスカッションは特にそうだと思います。
理事会や社員総会においては、議長の差配が重要になります。
会議の進行については、議長自らが考えて対応するケースもあれば、あらかじめ事務局等でシナリオを作成して議長がそれに基づいて進行するケースがあります。どちらの方法にしても、新型コロナ以前の会議の進め方ではなく、オンラインでの進行シナリオにバージョンアップしておく必要があります。出席者の発言を引き出していく機会をいかに創り出していくか。
ちなみに、理事会等で、いわゆる外部理事の発言が少ないのは、執行部や事務局に比べて、入手できる情報量が圧倒的に少ないということがあります。限られたインプット量で会議でその場にあった相応しい発言をしようとするのは結構ハードルが高いと思います。その場合は、団体や活動のこと、そのものというより、外部理事の専門性に紐づくアドバイスや意見、最近の業界事情などを発言してもらうのがよい進行です。


【水曜日のガバナンス】
ガバナンスの似て非なるものとしてマネジメントがあります。
マネジメントを行うマネージャーはいても、ガバナンスを行うガバナンサーはいません。マネジメントは一人で出来ても、ガバナンスは一人では出来ない、組織で行うものを端的に表しています。
マネジメントは目的や目標を達成するために行う方法ですが、ガバナンスはガバナンスそのものが目的となります。一方で、方法論として語られることもあります。この辺がガバナンスのわかりにくさだと思います。ガバナンスを実現するためのマネジメントがあり、ガバナンスの内容を担当レベルに落とし込んでいくとマネジメントになります。
マネジメントはガバナンスの要素であり、適切なマネジメントの積み上げが適切なガバナンスとなります。
一方で、目的や目標を達成するためのマネジメントという観点から、目的・目標至上主義によって、法令違反、コンプライアンス違反をしてしまうこともあります。企業の不正や不祥事について、マスコミ報道でよく目にするパターンです。
目的・目標を達成する際に、ガバナンス、コンプライアンスという視点もマネジメントでは必要になってきます。マネジメントとガバナンスは切っても切り離せないものです。


【木曜日のガバナンス】
ガバナンスのセミナーでよくある質問が「職員のガバナンス意識を高めるには?」ということがあります。
但し、この質問には、広い意味でのガバナンスが含まれています。おそらく、ガバナンス、コンプライアンス、マネジメントの3つの要素が含まれています。いわゆる『GCM』です。
NPOの運営の根幹であるガバナンス、ここでは法令や定款、理事会、社員総会、監事監査などの基本について、職員に知ってほしいという思いです。実際に、各職員がこれらのガバナンスに直接関わるということは少ないと思います。
一方で、職員に守ってもらいたいものはコンプライアンスです。ガバナンス意識の80%はコンプライアンス意識のことではないでしょうか。
最後にマネジメントです。厳密にガバナンスとマネジメントをわけて考えておらず、ある意味ボーダレスで捉えています。理事会で業務執行を決めた計画について、目的・目標・期限を達成するためのマネジメントであったり、コンプライアンス違反にならないためのマネジメントを実践してほしいという思いです。
ここまで分解していくことで、職員に伝えたいことが整理されていくのではないでしょうか。


【金曜日のガバナンス】
今、注目しているマンガをご紹介します。
週刊モーニングで少し前に連載が始まった「逢いたくて、島耕作」です。
この物語の設定がぶっ飛んでいます。
島耕作マニアの令和の新人サラリーマンが、マンガ「島耕作」の世界にスリップして、かつ、島耕作が係長時代、つまりバブル前にタイムスリップするという話しです。
令和の新人サラリーマンが、昭和のバブル前にタイムスリップという時点で、まったく価値観が違う世界に行ってしまうというのが面白いです。ハラスメントなど、本当に時代を感じさせます。
今号では、企業の業務上横領の手口を語っていました。
初芝電器産業の広告宣伝部で、ポスターの発注業務で、発注は2万枚で、実際の製作は1万枚。その差額は、企業の担当者と発注業者で分け合うことで横領するという方法です。なるほど、そういう手口もあるんですね〜という印象でした。
先日、ニュースで読んだ財団法人の横領事件では、直接預金を引き出す他に、架空請求や請求金額の水増しという方法を行っていたと書いてありました。
まさに、「逢いたくて、島耕作」で出てきたように、横領では架空請求や請求金額の水増しは王道の方法の一つのようです。
こういう事例があるという前提で、経理処理のチェックが必要になります。


【土曜日のガバナンス】
NPO法人を立ち上げる時に、最初からガバナンスをしっかり学ぶケースはまれです。
多くの方がどのように定款を作ろうかと考えることがガバナンスの第一歩です。
その際に、社員総会主導型か、理事会主導型かを考えることから始まります。それぞれの会議の権能をどうするかということです。
そして、社員総会、理事会、監事の機能を書籍等で学んで、実際に運用していきます。ここで大事なのは、NPO法人の立ち上げメンバーのうち、他の団体の運営に関わっている人がいれば、その人の経験則で団体のガバナンスの運営の基本となります。
0ベースから考えるというよりは、他の団体の運営を真似するという形で組織運営が始まります。
従って、他の団体の運営の経験や知見が大切になります。
ただ、その経験や知見が十分かというと必ずしもそうではありません。
やはり、ガバナンスについて学び、自分たちの運営が適切なのかを振り返り、考えていくことが必要となります。
もし、みなさんの団体も立ち上げ初期と運営が同じの場合は、一度、ガバナンス的に振り返りを行った方がよいでしょう。


【日曜日のガバナンス】
ガバナンス、コンプライアンス、マネジメント。
この3つを整理して考えていくことが、NPOの組織運営を考える時にはわかりやすいのではと考えています。まだ仮説です。
今回は、仮説的に思っていることを少し書いていきます。
まず、ガバナンスを考える時に、社員総会(社員)、理事会(理事)、監事監査(監事)のことが話題にあがります。より具体的に使える方法とした時に「事務局」も位置づけて考えた方がよいと考えています。
理事会の機能として業務執行がありますが、実際には事務局が業務を担っています。理事会と事務局の関係についてもう少し整理していきたいところです。
ガバナンスという時に、社員総会=意思決定、理事会=業務執行(→事務局)、監事監査=監視という機能の整理が必要です。一方で、監視という機能については、社員総会においても、あるいは外部理事においても、執行部への監視という役割があります。ガバナンスは単純に区切りをつけることができません。一部重なっている領域があります。監視という視点で考える時に、社員総会、外部理事、監事のそれぞれで監視の違いが生まれるのかどうかも検証していかなければなりません。
ちなみに、意思決定も、ケースによっては社員総会での意思決定と理事会での意思決定があります。さらに、事務局における意思決定もあります。

最後に、最初のガバナンス、コンプライアンス、マネジメントについても単純に区分できるものではなく、重なっている領域があります。
ボーダレスであり、重なりがあるものという前提が必要です。
今後はこの辺を深掘りしていきましょう。

曜日のガバナンス No.02 [2023年07月23日(Sun)]

曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していきます。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。
月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。

月・・・ 制度としてのガバナンス
火・・・ 戦い・議論のガバナンス
水・・・ 手続きのガバナンス
木・・・ 樹木のように育てるガバナンス
金・・・ お金にまつわるガバナンス
土・・・ 土のガバナンス(団体特有のガバナンス文化)
日・・・ ミッション・ビジョン(太陽)に基づくガバナンス

なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。

2023年7月17日(月)〜23日(日)


【月曜日のガバナンス】
光が強くなればなるほど、影は濃くなります。
これは、NPOのガバナンスとも言えます。
トップのリーダーシップが強い団体ほど、ガバナンス意識が薄まってしまった時には、その光の強さに対して、闇が深くなります。
リーダーの光が太陽なら、暗闇の中、団体のガバナンスを指し示す月の光も大切です。
太陽のリーダーシップ、月のガバナンス。


【火曜日のガバナンス】
ガバナンスというと、各人・各機関がそれぞれの役割を全うするということが必要です。役割や関係性が決まっているので、ガバナンスの中で「戦う」というイメージはあまりありません。
例えば、財団法人や社会福祉法人で、代表理事の横暴を差し止めるために、評議員会が理事会と対立して、適正なガバナンスを行うように評議員会が、役員解任を含めて、理事会に求めるケースがごくまれにあるようです。
ガバナンスにおいては「戦い」という概念とはあまり縁がないようです。おそらく、不正や不祥事が起こった時、あるいはそれを隠蔽しようとした時に、それらを行おうとする経営陣に対して、理事会の監視役である監事や評議員会、社員総会が不正を正そうとして対峙することは想定されます。
では、ガバナンスにおいて、戦いは不要なのか?
いえ、ガバナンスにおいても「戦い」はとても大事なキーワードになります。それは、理事会や社員総会、評議員会で議論を戦わすことです。事務局の一方的な説明を聞いて、みんなでとりあえず承認して終わり、という会議では、その機能を果たしていません。
議論を戦わせた上で、方向性や方針を決めたり、事業計画を策定することが必要です。
では、理事会でしっかり議論をするということはどういうことなのか?
それは次回の「火曜日のガバナンス」で紹介いたします。


【水曜日のガバナンス】
今年は、ブルースリー没後50年の記念の年である。1973年7月20日に亡くなったので、明日20日がちょうど命日になる。
没後50周年を記念して、新宿などではブルースリーのリバイバル上映があるらしい。
ブルースリーの名言に「瓶に注げば水は瓶の形になる。 ティーポットに入れれば、それはティーポットの形になるだろう。 水とは、流れることもできれば、激しく打つこともできる。 友よ、水のようになるのだ。」というものがある。
そと似たような表現で微妙に意味の違う故事成語がある。
「水は方円の器に随う」
意味は、人間は、交友関係や環境次第で、善にも悪にも感化されることのたとえである。
NPOの組織運営もこの水に似ている。よいガバナンスの器に入れば善であり、悪いガバナンスの器にいれば悪となる。
NPOの組織運営はある意味「水物」である。それを入れる器の形が大事である。よきガバナンスとなるように、よき器を用意する必要がある。器は機関という言葉に置き換えることができるだろう。
理事会、社員総会、監事監査。
これらの機関はよい器になっているからこそ、健全なガバナンスが生まれるものである。


【木曜日のガバナンス】
理事会、社員総会、監事監査という機関でガバナンスを捉えてしまうと、NPOの職員にとっては、自分とは関係ないものとおもってしまいがちです。
一方で、これを機能で捉えると、業務執行、意思決定、確認(監視)というガバナンスの要素になりますが、これは通常業務の中でも必要な要素となります。意思決定、業務執行、確認(監視)というサイクルを回していくことになります。
常に、意思決定、業務執行、確認(監視)の3つの要素を意識して取り組むことで、日常的にガバナンスを意識することができます。職員のガバナンス意識の向上に役立ちます。
職員のガバナンス意識を高めるのが難しいという話しはよく聞きます。普段の業務とガバナンスのつながりがイメージしにくいことも課題です。ここで、事業計画と事業報告を軸に、理事会や社員総会とのつながりを説明することも必要です。また、業務執行という点においては、監事監査の業務監査の対象であることを理解してもらうことも必要です。
この後は、これからのコラムのネタとして、団体のガバナンス意識を高めていくポイントをとりあえず、羅列しておきます。今後、詳しいことをまとめていきます。
・監事監査の内容を団体メンバーに共有する。
・業務執行と事業計画と事業報告の連動、あるいはプロセスを説明する。
・ガバナンスのうち、コンプライアンスに関する意識を高める。
・理事は、自団体のミッション・ビジョンに鑑みて、この事業をやるべきかどうかを考える。あるいは、ミッション・ビジョンに基づき、この社会状況でやらないといけないことは何かを考える。これもガバナンスのポイントである。
・職員の業務とガバナンスの連動を考える。
・団体の継続に必要なガバナンスを考える。


【金曜日のガバナンス】
お金に関するガバナンスといえば、利益供与や利益相反取引に関するものから、横領や着服などの不祥事系があります。
新聞報道されるような不祥事は、横領や着服が多いです。
ところで、横領や着服、似たような言葉ですが、その違いはあるのでしょうか?
ネットで調べると、「横領」は刑法に規定された法律用語、「着服」は一般用語だそうです。意味は基本的に同じです。
横領とは、他人の財物を無断で自分の物にすること。
これを「単純横領罪」になります。そして、NPOのスタッフがNPOの資金を横領した場合は、「業務上横領罪」になります。
なるほどですね。
ちゃんと調べないとわからないことがあります。
今回は、こちらのサイトで学習しました。
こちらに詳しくまとめられているので、みなさんもぜひチェックしてください。


【土曜日のガバナンス】
そもそも、NPOは最初に活動から始まります。
まずは、何か活動を行うというところから始まり、その活動を継続させていくために、組織化、団体づくりとなります。従って、活動があって、その活動を運営していくための母体として団体が結成されます。
この時に、どのように活動を運営していくかはじっくり考えますが、最初からガバナンスをじっくり考えていくことはあまりないと思います。
なんとなく、見知っている、あるいは伝え聞いたもの、もしくは本に書いてあるようなものを参考にしながら、なんとなく、自分たちの活動や、参画しているメンバーの人間関係からガバナンスが始まります。
法令や定款に基づくガバナンスはある程度のスタンダードがありますが、実際のガバナンスの運営は、それぞれの団体特有の運営が始まります。
これを「土のガバナンス」としましょう。
この「土のガバナンス」から始めて、進化させていくガバナンスがNPOにとっては良いと思います。いきなり100%のガバナンスで運営を始めるのは不可能ですから、まずはなんとなくの形から始まるという前提で考えることが必要です。
https://tokyo-startup-law.or.jp/legalpark/category02/embezzlement/


【日曜日のガバナンス】
一般的なガバナンス、あるいはコンプライアンスは、団体の運営や活動をある意味、制限するものです。悪い意味での規制ではなく、間違ったことをしないようにするための制限、規制です。この辺は守りのガバナンスです。
一方で、ミッション・ビジョンに基づくガバナンスでは、自分たちの活動や組織運営が、ミッション・ビジョンに照らし合わせて適切なものになっているかどうかをディスカッションをしていく、ジャッジしていくことが必要です。
ミッション・ビジョンに照らして、その活動を行う必要があるのか?
あるいは、ミッション・ビジョンに照らして、今、この社会状況で活動を行う必要があるのではないのか?
理事会や事務局の業務執行の場面でも、常にミッション・ビジョンによるガバナンスが必要です。
曜日のガバナンス No.01 [2023年07月16日(Sun)]

曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していくことにしました。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。
月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。
なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。

2023年7月10日(月)〜16日(日)

【月曜日のガバナンス】1/1
これから毎日、NPOのガバナンスに関する文章を書いていこうと思います。
コラムというか、エッセーというか、雑文的なものを。
さらに、曜日にあわせた内容でいきます。
なので、月曜日は「月」をキーワードに思いついたことを書きます。
「月に代わってお仕置きよ!」というアニメの名セリフがあります。
NPOのガバナンスにおいては、良い手ではありません。
お仕置きが発生するような事態が生まれないように防止する仕組みが必要です。
従って、「月に代わって防止よ!」を目指したいものです。

【火曜日のガバナンス】
議論を戦わせる。
時には方針を巡って、激しく議論をすることも必要です。
議論なき理事会の役割とは、なんでしょうか。
しかし、執行部の理事と、外部理事の間では情報の非対称性があります。理事会の中でしっかり議論するためには
@対等に議論ができるように、十分な情報を理事全員に提供する。理事会当日では時間が限られてしまうので、常日頃からの情報提供と、理事会資料の事前送付などの工夫が必要です。
A理事の専門性を活かした助言や意見を求める形にします。そういった意見を出してもらいやすいような情報提供や会議の運営の工夫も必要です。
こんな理事がいる団体は確実に革命とともにありますね!
「わたしは…
軍神マルスの子として生きましょう
この身を団体にささげ
議論にささげ
任期を意見する理事として…
軍神マルスの子として…!」

【水曜日のガバナンス】
NPOのガバナンスを考えた時に、意識としてのガバナンスと、手続きとしてのガバナンスがある。後者は法令や定款に基づくものである。
手続きとしてのガバナンスは、つまり知識としてのガバナンスである。知識に対して非常に貪欲な神であった、北欧神話のオーディン(Woden)が、知識を得るために自らの目や命を代償に差し出すこともあったように、ガバナンスの知識を得ることも必要である。

【木曜日のガバナンス】
NPOのガバナンスの話しをする時に、役員だけではなく職員のガバナンス意識を高めるにはどうすればいいのか?という質問がよく出てきます。
ガバナンスへの意識はすぐに高まるものではありませんので、常に意識を高めていくような取り組みを行いたいところです。
まずは、NPOの組織がどのように運営されているのかを知ってもらう。理事会や社員総会の役割などを説明します。その時に、自分たちの業務との関係性(事業計画と事業報告との連動など)を伝えられるとよいでしょう。
次に、ふだんの業務では、ガバナンスよりマネジメントという視点での話しになると思います。ガバナンスの意思決定、業務執行、監視の3点セットをマネジメントにも転用していきます。さらに、コンプライアンスという視点も大事な要素であり、ガバナンス意識を高めていくのによい素材です。
そして、ガバナンス意識は一過性のものではなく、樹木のように育てていき、大きくしていくことをイメージしていきたいものです。

【金曜日のガバナンス】
今週月曜日から「◎曜日のガバナンス」シリーズを始めましたが、実は「金曜日のガバナンス」のことを書きたいがために、始めました。
文字通り、お金にまつわるガバナンスのこと、不祥事や横領、着服などのこと、あるいはその防止のことを書いていきます。
さて、ガバナンスのことから発展して、コンプライアンス違反や不祥事について、だいぶ情報収集しています。
新聞報道ですが、いろいろな不祥事案件をチェックしています。その中で、横領や着服があるケースの特徴を発見しました。
それは、複数の預金口座があること。
預金口座間のお金の移動で着服していることをごまかすこと。
監事監査で、預金口座のチェックはしていない。
そもそも、別の預金口座をあることを知らない!(寄付金用の口座など)
複数の口座には、他の団体の事務局を担っていて、それらの口座であったり、成年後見などで預かっている口座などもある。
以前は、銀行口座も今より簡単に作ることができました。最近はチェックが厳しいのでNPO法人が口座を作ること自体が大変という話しを聞きます。でも、10年以上前は、プロジェクト単位で口座を作ることも簡単に出来ました。実際に、助成金の事業ごとに口座を作らせられたということもあります。
あらためて、団体内で預金口座の管理状況を確認することが不正防止の第一歩です。

【土曜日のガバナンス】
地域づくりで、「風の人」「土の人」という言葉があります。ガバナンスにも、土のガバナンスと、風のガバナンスの2種類があります。
土のガバナンスとは、その団体が本来持っているガバナンスです。その団体らしさを感じるガバナンスです。
ここでいうガバナンスは、機関や機能というより「文化」というニュアンスを含んだものです。法令や、モデル定款に基づき、理事会や社員総会、監事が一般的に設置されます。そういった機関や機能ではなく、設立メンバー間の関係性や、法人化前の活動、ステークホルダーなどから、団体の運営のバックボーンとなるようなガバナンスのあり方があります。それを「土のガバナンス」と一旦、名付けてみましょう。
それらのガバナンスは団体をスムーズに運営していくためのルールであったり、暗黙知であったり、阿吽の呼吸だったりするものです。良い悪いというより、それしか知らない状況かもしれません。
ここに、「風の人」である、外部理事や、他のNPOの運営を知っている監事、あるいはコンサルやアドバイザー的な人などが団体の運営に関わってくることにより、外部のガバナンスの知識と実践を持ち込んできます。土着のガバナンスに、この風のガバナンスが交わり、よりよいガバナンスを目指していくことが大事なポイントになります。

【日曜日のガバナンス】
ガバナンスにおける太陽のような存在といったら、なんでしょうか?
法令や定款でしょうか。
あるいは、団体のミッションやビジョンでしょうか。
はたまた、団体を率いるカリスマリーダーでしょうか。
以前は、カリスマリーダーが団体のガバナンスにおける太陽だったかもしれません。リーダーに任せればよい、リーダーなら正しい判断をしてくれる、リーダーに間違いはないという考え方があったかもしれません。あるいは、リーダーとなるような人の方が他のメンバーに比べて知識量も多く、経験もあり、相対的に詳しいということで、団体における絶対的なルールになっていたかもしれません。
そして、NPO運営の経験が少ないメンバーによる、設立間もない団体の場合はその傾向が強いかもしれません。
しかしながら、一人のリーダーに頼ることは必ずしも正しい方向に進む保証はありません。ある意味、偶然性に頼っているものとも言えるでしょう。
適切なガバナンスの再現性を考えていくためには、法令や定款と、団体のミッション・ビジョンの組み合わせで考えていくことが必要です。
団体のミッション・ビジョンを規範とするガバナンスがメインに、法令や定款に基づくガバナンスを裏回しとして考えていくことです。それは、太陽と月のような関係性と言ってもよいでしょう。