【開催報告】CANPAN × イシス編集学校 「特別開催!本を活用した情報発信のための編集術講座」2017年7月21日(金) 夜・東京 [2017年07月22日(Sat)]
今回は、NPOにとっての「本(ブック)」を考え、活用する内容のセミナーとして開催しました。
多くの団体が、活動報告書や白書、パンフレットなど、団体自らが発行する印刷物、あるいは、NPOの代表である社会起業家が自ら本を出版することも増えてきています。これらの「本」をどう活用するのか、活用できるのかを、みなさんで考えていく内容ととなりました。 セミナーの冒頭には、イシス編集学校の松岡正剛校長が様子を見に来られました。 ますます情報が溢れ、取捨選択やツールが複雑化しつづける今において、社会や団体の情報を、どのように扱っていくことができるのか? そんな問いをもとに、「情報編集」を学ぶインターネットの学校「イシス編集学校」と日本財団CANPANは、「NPOにかかわる組織が情報発信をするために必要な編集術」をテーマにこれまで情報発信の講座を行ってまいりました。 (実施例:https://blog.canpan.info/cpforum/archive/798) 今回の講座では「本」をテーマに開催しました。 NPOの広報・情報発信として活用できるだけでなく、読書の方法を通して「情報編集のエッセンス」をご体験いただきながら、読み手を意識した情報の収集や組み合わせ、表現の方法をワークを交えながら実践いただきました。 CANPAN × イシス編集学校 「特別開催!本を活用した情報発信のための編集術講座」 日 時:2017年7月21日(金) 19:30〜21:30 会 場:編集工学研究所 1F本楼(東京都世田谷区赤堤2-15-3) 参加者:12名 主 催:イシス編集学校(http://es.isis.ne.jp/) 日本財団CANPANプロジェクト 今回は、イシス編集学校で師範をされている大音美弥子さんを講師役のナビゲーターとしてお迎えして開催しました。 イシス編集学校を運営している編集工学研究所の本拠地・豪徳寺のISIS館の1階「本楼」には、日本に関する本が2万冊あります。これらの本を活用したブックワークショップとなりました。 ■プログラム概要■ ・レクチャー篇 情報発信に必要な情報編集力とは 読書と編集 ・ワークショップ篇 ブックワークショップ 本を活用した情報発信ワーク 3年前に開始したイシス x CANPANのコラボセミナーも10回程度開催してきましたが、今回は特別バージョンということで、これまでの情報発信を意識した編集方法を中心とした内容から、「本」をテーマにして、情報の読み方、扱い方、編集方法について、ナビゲーターの大音さんから教えていただきました。 読書方法は、松岡校長が実践されている目次読書を教えていただ、参加者のみなさんで、本楼にある2万冊の本を使ってのワークショップで目次読書に挑戦してみました。 ★目次読書について、詳しく知りたい方は、こちらの本がおススメです。 「多読術」松岡 正剛 ・著 (ちくまプリマー新書) https://www.amazon.co.jp/dp/4480688072 後半は、3人一組になって、「三冊屋」のグループワークでした。 参加者のみなさんがそれぞれ選んだ本を三冊組み合わせせて、ブックギフトにするというものです。一冊ではなく三冊を組み合わせることで情報が動く(編集する)ということを体感していただくワークです。また、誰に贈るブックギフトというところも、誰を対象に情報発信をするのかという、NPOの広報の肝とシンクロするところがあり、参加者のみなさんにとっては参考になるワークだったようです。 そして、イシス編集学校のインターネットの教室で学ぶ編集の方法の「編集思考素」の中から、三位一体、三間連結、二点分岐、一種合成という4つの型を教えたいただき、この型を使って、3つの本の関係性を三人の共同作業で進めていくというものでした。 ★10月に開講する、イシス編集学校の基礎コースの「守」はこちら。 http://es.isis.ne.jp/course/syu/ 3人一組で4つのチームを作って、それぞれのチームに発表していただきました。 各チームの発表の様子と、作成していただいたプレゼンシート、それぞれが選んだ本です。 【Aチーム】 【Bチーム】 【Cチーム】 【Dチーム】 ★★参加者のみなさんの気づきの共有シート★★ 講座の最後に、ナビゲーターの大音さんから「読んでから書く」ことの大切さについて、メッセージをいただきました。ふだん、読んでいるつもり、目を通しているつもりになっていて、実はしっかり読めていないこともありますので、あらためて読むことの大切さを教えていただきました。 NPOの情報発信・広報でも、この視点はとても大事なことです。 NPOの活動を伝える時に、そこには必ず「人」が登場人物として出てきます。その登場人物のこと、これまでの人生や、今の生き方、これからのことなど、一冊の本以上に、様々な情報を持ち合わせています。でも、その登場人物について表面的な部分だけで表現されてしまうことがあります。その登場人物(例えば、受益者や参加者、あるいはスタッフなど)のことをじっくり知って、理解した上で表現していくことが深い共感を呼ぶ情報発信になると思います。 今回は、いつもとは違う内容で開催した講座でしたが、参加されたみなさん、きっと満足していただけたことと思います。 ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。 次回は9月頃に、コラボセミナーを開催予定です。 |