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【開催報告】NPO活動におけるアウトプット、アウトカムを考える勉強会(日本財団CANPAN・NPOフォーラム) [2017年06月29日(Thu)]

今度のCANPANセミナーは、「アウトプット」「アウトカム」に関する勉強会&ワークショップでした。8名で、2時間、アウトプット、アウトカムについて、ディスカッションしました。

outputhiking.png


CANPAN山田が、SNSで「アウトプット」と「アウトカム」について、次のようなことをつぶやいたところ、いくつかの示唆に富んだコメントをいただきました。

==================
アウトプットとアウトカム。
結果と成果。
なかなか、この違いがわかりません。
わからないとうか、感覚的にはわかっているつもりですが、うまく言語化できていないと。
アウトカム。
社会的課題の当事者にとってのアウトカム
課題を持続的に解決していくための仕組みに関するアウトカム
課題そのものが解消されることによるアウトカム
という3つの階層から成り立っているようです。
==================

多くの反響をいただきましたので、NPOの事業・活動における、アウトプットとアウトカムについて、興味・関心のある方に集まっていただき、勉強会兼ワークショップとして開催したものです。


日本財団CANPAN・NPOフォーラム
NPO活動におけるアウトプット、アウトカムを考える勉強会


日 時:2017年6月29日(木)19:00〜20:45(受付:18:45)
場 所:日本財団ビル 2階第1・2会議室
参加者:8名
主 催:日本財団CANPANプロジェクト

<スケジュール>
19:00 オープニング
・趣旨説明
・自己紹介タイム

19:15 話題提供
・参加者の中から2,3名の方に、その場で話題提供していただきます

みなさんのディスカッションの中から、山田が気になったキーワードをメモ書きしています。
ロジカルモデル
アウトカムスタディ
ストーリーか評価か
価値を言語化する
短期・中期・長期の階段状のアウトカム
フィーチャー・プルーフィング
未来志向からの逆算
どこに向かっているのか
過去形のアウトプット、現在進行形のアウトカム


19:45 ワークショップ
テーマ「NPO活動におけるアウトプット、アウトカムを考える」
 個人ワーク:アイデア出し
 グループワーク:共有&ディスカッション




20:30 全体共有


※参加者のみなさんの感想

20:45 終了


こちらは、ご参考までに、CANPAN山田がこの勉強会に関して、Facebookで発信したことやそのコメントなどを抜粋してまとめたものです。

【山田の投稿 その1】
最近はまっている、アウトプット、アウトカムについて。
活動のアウトプットは、誰かのインプット。
誰かのアウトプットは、活動のアウトカム。
アーティストの作品はアウトプットだろうか、あるいはアウトカムだろうか?
計画時に想定されるアウトカムと、実際の事業後のアウトカムは同じレイヤーのものか?

アウトプットとアウトカム。
結果と成果。
なかなか、この違いがわかりません。
わからないとうか、感覚的にはわかっているつもりですが、うまく言語化できていないと。
アウトカム。
社会的課題の当事者にとってのアウトカム
課題を持続的に解決していくための仕組みに関するアウトカム
課題そのものが解消されることによるアウトカム
という3つの階層から成り立っているようです。
課題設定やアウトプットから、アウトカムを導き出す千本ノックのようなワークショップを開催したいです、です。

◎投稿に関するコメント(適宜抜粋)
------
コミュニティ心理学のプログラムにおけるロジックモデルでは、アウトプットは定量的なもの、短期的アウトカムはまず、個人の行動変容だとしていますよね。
そのさきに長期的アウトカム、ゴールとしての社会的インパクトかありますね。

助成事業の場合は、パイロットプロジェクトとしての側面、あるいは団体支援の側面が付加されるので、ゴールとしての社会的インパクトにそういって視点を盛り込むのが良いのかなと思いました。


------
まさしく前回のSROI研修でやった部分ですね。
そこができなければ、価値の可視化ができないですから。

なんとなく、山田の中ですっきりしていなかったことがわかりました。助成金でやっている事業の場合、本来のその団体の活動としての事業と助成事業が実は入れ子構造になっているので、アウトカムも入れ子構造のようになっているんだなと。


------
output(出力)に対してinput(入力)があり、outcome(成果)に対してincome(収入)がありますね。 また、outputは将来のinputへつながりますし、成果に対して収入があり、収入は次の成果のためにある。

なるほど、outputで完結するのではなく、将来へとつながっていく流れというのは参考になります。一言で簡単に説明するのではななく、その効果を広く考えていきたいですね。


------
僕は、アウトプットとアウトカムは、ごちゃごちゃになってても、いいと思う。出来たことは何かな?と、この先につながるものは何かな?と、問い分けるといいと思う。出来たこと、分かった(見えた)こと、で違えてもいいと思う。定義よりも、問い掛けることばを考えるといいと思う。

海外の考え方を導入しようとするとうまく掴みきれない部分がありました。このコメントのように、区分をせずに問いを立てて考えていくということも大事ですね。
でも、助成金申請書の項目であると、悩ましいところですね。また今度じっくりお話させてください。

アウトプットに対応する問いは限られていますが、アウトカムに対応する問いはバリエーションがたくさんあります。具体の例に即して考えるといいですね。

助成プロジェクトであれば、なぜそのプロジェクトをやりたいのかが最も重要で、アウトカムは、そのなぜに対して、プロジェクトを行うことで何が起こるのか、を「取り敢えず」書いて貰えば良いと思う。仮に、応募段階でアウトカム設定が不十分だったとしても、僕は問題にはしません。「なぜ」が最も重要だし、プロジェクトから何が期待できるかを読み取ることが重要だと思っています。「助成」の場合、選考の段階では、助成する価値があるか無いかの判断の際、アウトカムが書けているかどうかは、あまり関係がないと感じています。助成後の評価では、最初の「なぜ」に対して、答えが何だったのか(意味あることは何だったのか、価値あることは何だったのか)を読み取ることが重要だと思っています。そもそも、助成とは何か、POとは何か、に通じる話しなので、また今度話しましょう。

助成する側には、助成することによって生み出したい状況や価値があり、その期待にプロジェクトが応えられるかを選考というプロセスで評価します。その評価結果をもとに、助成金を活用する人たちと、彼等の主体性を損なわないよう、擦り合わせを行い、おおよその合意点を見出せれば、助成がはじまります。つまり、両者のプロジェクトに対する期待の擦り合わせ、コミュニケーションが重要になります。このプロセス(応答)を欠いた状態で、書類審査だけで、記載されたアウトカムが適切か否かを評価することは出来ません。助成する側の期待は当然ある訳ですから、書類だけに拘っていても意味がありません。期待の擦り合わせが重要だと思います。伊藤隆さんのご指摘のとおり、言葉の定義づけは重要ですが、ディスコミュニケーションを避けるための工夫も求められます。助成という活動の意味と、全体の大きな流れをつかんでいないと、些末な技術論に陥り、それこそ、成果が得られないことになります。技術論を軽視している訳ではありません。技術や理論を学ぶことは当然のことで、その技術を実践のなかでいかに活かし、その経験をもとに理論をより精緻にしていくことは当然のことです。助成する側の技術・技能はまだまだ未熟なのだと思います。旧来から変わらないところ、新しいものばかり飛びつくところ。その間がいません。着実に技術を積み上げているところは少数派です。市民セクターの発展を考えると大問題なのですが、この認識はあまり共有されていません。

自分の投稿からのコメントを拝見して思ったことは、計画時のアウトカム・アウトプットと、事業終了後のアウトカム・アウトプットというものが同じものとして捉えるのが難しい、別のものと捉えることが大事かなと思いました。また、アウトプット・アウトカムをわけて考えたほうがよいのかは別の議論として、それぞれの価値は誰にとっての価値(NPOだけではなく、受益者も含めて)なのかを意識することが理解を深めるヒントのような気がしています。

「助成」の場合、助成する側のアウトカム(助成プログラムのアウトカム)、プロジェクトを実施する側のアウトカム(助成プロジェクトのアウトカム)の2種類があります。評価も同様です。「助成」の場合のアウトカム議論は、立ち位置を明確にしないと混乱すると思います。


------
このループが個別での回転でなく、他者を経由して回遊することで、さらにインパクトが拡大するのかと。金は天下の回りものですね。

「ループ」という考え方、大事ですね!参考になります。発信することでいろんな方から助言をいただけて、楽しいです。


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インプット:自団体が燃えるために必要なもの
アウトプット:自団体が発した熱
アウトカム:参加者ひとりひとりの体温がどれくらい上がったか
インパクト:コミュニティに起こった熱化学変化
と言語化しつつ、感覚的に捉えています炎
この捉え方だと、ストーリーに変換しやすいです(^^)
ストーリーなき数字はただの記号。

朝投稿して、みなさんのコメントを読んで少し同じようなことを考えていました。アウトプットは団体のもの、アウトカムは団体を離れて独り歩きするもの。この考え方は大事ですね。

アウトプットは水面に投げ込まれた石で、アウトカムは広がる波紋ですかね。
で、色なん場所に石が投げ込まれて行くと、今度は波紋同士が重なり合って、社会の潮流となる、みたいな。

資金獲得的には、
アウトプット:事業収入(参加費)
アウトカム:寄付
インパクト:助成または公共事業
という捉え方もあるかも(^^)


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個人的なアプローチとしては、アウトプットはインプットからロジカルに導き出され、アウトカムはビジョンからやってくる感じ。このギャップを、どのくらい(より多くの人に理解できる形で)言語的に整合させることができるか。右脳と左脳の衝突事故、みたいな感覚(笑)。という個人的なことは置いておいても、関係者間での共通理解がされないまま、「アウトカム」の言葉だけが先行している印象。

ビジョンから来るアウトカムという捉え方はなるほどです。いろんな捉え方が出来ますね。参考になります。あと、言葉が先行しているという印象、確かにです。


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漢字熟語が中国語とは意味が違うように、カタカナ言葉が、日本語として、助成関連用語としては助成関係者が決めていくのがよいと思われます。大方の辞典での採用を目指し、誰かが責任持って取りまとめ、厳密に定義することが寛容と思います。
英語としての原義あるいは現在での類語を踏まえていくことも大事かと思います。下記はそれぞれについて online etymology 、online thesaurus から転記したものです。ともに未だ未だ異説があるものの、両者はお互いに類義語として解釈されていないことが重要かと思います。
アウトカムに比べアウトプットの現在の用法に繋がる原義は50年ほど後に普及し、いわゆる工業生産の時代の産物(まさに産物)であることは踏まえるべきかと思います。
また、そういった意味でアウトプットは大方において「意図された」目に見えるモノであること、アウトカムは大方において「意図されない」目に見えないコトを含めたような単語であることに配慮すべきかと思います。

outcome (n.)
1788, "that which results from something," originally Scottish, from out + come (v.). Popularized in English by Carlyle (c. 1830s). Used in Middle English in sense of "act or fact of coming out" (c. 1200). Old English had utancumen (n.) "stranger, foreigner."

Definition: consequence, effect
Synonyms: aftereffect, aftermath, blowoff, causatum, chain reaction, conclusion, end, end result, event, fallout, issue, payback, payoff, reaction, result, score, sequel, upshot

output (n.)
1839, from out + put (v.). Till c. 1880, a technical term in the iron and coal trade [OED]. The verb is attested from mid-14c., originally "to expel;" meaning "to produce" is from 1858.

Definition: something produced
Synonyms: achievement, amount, crop, gain, harvest, making, manufacture, manufacturing, producing, product, production, productivity, profit, take, turnout, yield
Antonyms: input

語源からの考え方の整理、大事ですね。非営利セクター以外での使い方なども改めて確認しないと思いました。定義づけにも、ゆくゆくはチャレンジしたいところです。
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【山田の投稿 その2】
NPOの事業と評価と価値に関する考察(メモ)
【計画時】
社会:課題設定ーーーー→目標設定Aー→将来目標設定B
                ↑      ↑ 
人: 課題設定ーーーー→目標設定Aー→将来目標設定B
          ↑
活動:事業設定→目標設定@
⇒事業を通じて、価値提供・価値創出(=価値として表現する)
⇒社会は、地域・属性軸
⇒階層と、時間軸(今、事業終了後、3年後)のマトリックス
【事業実施】
活動→結果@→変化A→成果A→見込まれる成果B
ーーーー
・課題設定(=受益者の状況分析)があっての事業評価
・評価基準をどうするか
・価値と変化を言語化し、定義する
・どんな価値を提供するか→どれだけの価値を提供できたのか
・価値の質を計る(当初設定した目標に対してどれくらいのレベルの質になったのか、その物差し)
・価値の質と量が成果
ーーー
マルチバリュー
直接的受益者、間接的受益者、支援者、家族、地域住民、地域、自治体、公的機関、企業、学校
ーーーー
・成果を評価する事業評価
・手法の有効性を評価する事業評価
・プロセスを評価する事業評価
・基準の水準を評価する組織評価
ーーー
評価の意味
振り返り、改善、アピール、説明責任、コミュニケーション、キャパシティビルディング、基盤強化、ファンドレイジング、手法の有効性、課題設定の正しさ
ーーー
・なぜ今評価なのか?
・NPOの評価の歴史
・NPO自身にとっての評価の意味
・ステークホルダーから見た評価の意味
・評価関連の団体一覧
・評価関連のセミナー講師一覧(セミナー実績)

=========


以上です。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

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