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曜日のガバナンス No.06 [2023年08月14日(Mon)]

曜日ごとにテーマをわけて、ガバナンスに関するコラムを発信していきます。
但し、コラムという、ちゃんとした文章よりは、いろいろな考え方を整理していくための習作です。
月、火、水、木、土、日をキーワードに、NPOのガバナンスを考えていくような話題提供、問題提起、事例紹介などをしていきます。

月・・・ 制度としてのガバナンス
火・・・ 戦い・議論のガバナンス
水・・・ 手続きのガバナンス
木・・・ 樹木のように育てるガバナンス
金・・・ お金にまつわるガバナンス
土・・・ 土のガバナンス(団体特有のガバナンス文化)
日・・・ ミッション・ビジョン(太陽)に基づくガバナンス

なお、本コラムの見解は、JCNEとしての正式なものではなく、業務執行理事の山田の文章の習作です。Facebookで投稿したものを再掲しています。

2023年8月14日(月)〜8月20日(日)

【月曜日のガバナンス】
NPO法人における最高意思決定機関である社員総会は、最初意思決定機関であり、最後意思決定機関である。
NPO法人を設立する最初の会議は社員総会であり、解散を決める会議も社員総会です。
NPO法では、毎年1回は通常社員総会を開催する必要がありますが、なんとなく社員総会は意思決定機関という感じがしないでのはないでしょうか?
最高意思決定機関という役割は、毎年開催される通常社員総会というよりは、やはり最初と最後の意思決定を行うということをイメージすると、その感覚がわかるのではないでしょうか。
理事や監事を選任するというのも最高意思決定という感じがありますが、団体によっては理事会で選任することもあります。
そこで、最高意思決定の中核は「定款」となります。
設立総会で定款を定めて、その定款に基づいて、団体の事業と運営が進んでいきます。
また、定款の変更も社員総会で審議・決議する必要があります。
仮置きですが、「最高意思決定=定款」説ということを伝えていきたいと思います。
※今回はNPO法人に例に書いていきます。

【火曜日のガバナンス】
理事会や理事は、定款に基づいて、業務執行を行っていく必要があります。
団体の目的や事業が定款で定められています。
また、組織運営の手順も特に必要な項目が定款で定められています。
毎年、「最高意思決定=定款」の目的・事業に基づき、毎年度の事業計画・予算を作成します。また、「最高意思決定=定款」に基づいて作成された事業計画・予算に基づき、活動を行い、その報告・決算を作成し、社員総会でその報告を行う。
あらためて、NPOのガバナンスでは、「定款」が大事であり、「定款自治」という言葉を思い出したいところです。
また、事業計画が定款の目的・事業からずれていないかを確認することは大事です。

【水曜日のガバナンス】
『1. 設立総会においてNPO法人を設立する意思決定をはかります
法人を設立しようとする人(設立者)は、設立趣旨書、定款案などを作成します。設立者は趣旨に賛同する人(社員になる意志のある人)を募り、法人設立総会を開催します。総会で法人の設立についての意思決定を行い、その会議の議事録を作成します。※議事録の謄本、設立趣旨書および定款は、設立申請の際の提出書類の一部となります。』
(ボラ市民ウェブより)https://www.tvac.or.jp/shiru/npo/nagare.html

設立の社員総会で「定款」を作成します。
以前書いた通り、「最高意思決定=定款」です。
別の表現をすると、決定した意思は定款として表現されます。
但し、定めた定款はあくまで文書です。この定款の内容を実行する人が必要になってきます。それを担うのが「理事」です。
理事は、設立の社員総会で定めた定款をいかに実現していくことが託されています。

ふだん、ガバナンスの話しをする時に、毎年繰り返させれる社員総会や理事会のことをイメージしてしまいますが、ガバナンスは設立時からの時系列から入って説明するのがわかりやすいのではと最近考えています。

【木曜日のガバナンス】
職員のガバナンス意識をどう高めるのかというのは、永遠の課題です。
今週のエッセイで書きましたが、毎年のガバナンスではなく、設立時のガバナンスをしっかり伝えていくのがよいでしょう。
設立時の社員総会の熱気や熱情を伝えつつ、どのように定款が定められたのか、その実現のためにどのように設立時の理事を選任したのか、そういった歴史を伝えると、団体への共感とガバナンスの意識が高まるのではないでしょうか。
こういった視点で、団体の歴史を伝えていくことがよいのかもしれません。
定款の策定や設立時の社員総会のエピソードはぜひ採集しておきたいですね。

【金曜日のガバナンス】
寄付と¥サツと渡し

イベントなどで寄付を現金でもらうケースがあります。
1000円以上など、それなりの金額でいただいた時には領収書を発行することだと思います。お金に関するガバナンス・コンプライアンスでは、この現金の受領の機会がとても重要です。
寄付を円札でもらった時には領収書を渡すという習慣を徹底したいものです。
寄付以外にも、イベントの参加費などでも同じです。
もらったお金の管理の面から、正しく領収書を発行し、その領収書で金額を管理することが大切です。

【土曜日のガバナンス】
団体特有のガバナンスの効能として、団体設立時の歴史や物語を伝えていくことが大切です。その際に、社員から理事に団体の運営を託したことをあらためて振り返り、その思いを再確認したいものです。
もちろん、社会状況や団体の状況によって、定款の内容を変更していることもあるでしょう。それらの定款変更の変遷もしっかり共有していきたいと思います。定款変更こそ、意思決定の軌跡です。
定款自治を実践していくことが必要です。

【日曜日のガバナンス】
「最高意思決定=定款」説としては、定款で定められている目的と事業は絶対です。
意思決定は定款の目的・事業に宿ります。
最近、団体のミッション・ビジョンを定めるケースが結構ありますが、定款の記載内容との連動も大切です。団体設立時の思いが定款に表現されていますので、それを尊重することが必要です。
もし、今の社会状況にあっていない場合には、定款の変更を考えていきましょう。
非営利組織では、設立時の思いや志を大切にする必要があります。
それらを無視して違うことを行うのは、非営利組織としての本末転倒です。
定款自治をもとに、どう発展させていくのか。
そこが大事なポイントとなります。
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