【NPOの信頼】信頼の核(コア)と周辺情報 No.07 [2021年12月06日(Mon)]
信頼の核(コア)と周辺情報
「NPOの信頼」とは何でしょうか。もう少しその要素を見ていきましょう。 NPOの信頼については、支援者層から見た信頼、サービスや活動の利用者・参加者・受益者から見た信頼、団体の役職員から見た信頼の3種類があります。このハンドブックでは、支援者層から見た信頼をテーマにしています。 支援者層から見た信頼では、対象となる領域の多くは、事業や活動に関することになります。ここが、NPOの信頼の核(コア)になります。NPOを支援するということは、自分たちができないことをNPOに託すことですから、事業や活動に対する理解と信頼が大事になります。先に述べた価値共有、能力、人柄の3つの要素のうち、価値共有と能力に関わる部分です。しかし、事業や活動の中身は、団体によって多種多様です。様々な活動内容があります。さらに、その規模も団体によって千差万別です。そして、支援者側もどのような活動を支援したいのかという考えも個別ケースで様々です。従って、多種多様な活動と様々な支援意向をすりあわせるようなフレームワークを設定することは難しいです。助成財団が申請書で事業内容を詳しく知ろうとするのはそういった背景があるからです。信頼の核である活動に関する信頼を確認する作業は手作業で丁寧に行っていく必要があります。活動について信頼できるかどうかは、最終的に支援者による主観的な判断になります。「主観的な信頼」といえるでしょう。 一方で、活動に対する信頼が「信頼の核」であり「主観的な信頼」に対して、第三者や制度によって公開されている「客観的な信頼」に基づく「周辺情報」があります。団体の信頼度を測るのに、「信頼の核」と「周辺情報」、「主観的な信頼」と「客観的な信頼」を組み合わせることが大事です。 NPOの信頼は、単一の要素ではなく、複合的なものです。ある1点だけを見て信頼することはできません。いくつかの要素が組み合わさって信頼が構築されています。支援者自身が自ら定める主観的な信頼に、第三者による客観的な信頼情報を組み合わせることで信頼の精度が高まります。 |