【開催報告】ファンドレイジングスーパースター列伝ツアー如月編「弁慶はファンドレイザーなのか?」2020年2月22日(土)午後・石川 [2020年02月23日(Sun)]
今日は、ファンドレイジングスーパースター列伝ツアーの第2弾「弁慶はファンドレイザーなのか?」を開催しました。1月から始めた列伝ツアーは毎月1回、寄付巡礼として、日本全国の寄付の聖地を廻っていきます。3月は宮崎の予定です。
ファンドレイジングスーパースター列伝ツアー 如月編「弁慶はファンドレイザーなのか?」 日時:2020年2月22日(土)午後 場所:安宅の関(石川県小松市) 参加者:1名 今回は、石川県小松市にある安宅の関(あたかのせき)に行ってきました。 ここは、歌舞伎十八番・勧進帳の舞台となった場所です。 「安宅住吉神社の海側に広がる静かな松林の中に、勧進帳の舞台、安宅の関跡の碑がある。 兄、頼朝に追われた義経が安宅の関を通る際、関守・富樫の厳しい尋問にあい、その危機を乗り切るため弁慶は、偽の巻物を広げて即興で「勧進帳」を読み上げ、さらに嫌疑がかけられると、主君である義経を打ち据える。その姿に感動した富樫が通行を許可した。 これが誰もが知る勧進帳の有名なシーンだ。」 (まるごと・こまつ・旅なび) http://www.komatsuguide.jp/index.php/spot/detail/104/1/2/ なぜ、ここが寄付と関係するのか? 弁慶が読み上げた勧進帳は、平安時代末期に、平氏によって焼失した奈良の東大寺の大仏(盧舎那仏)を再建するために、重源上人が記した、いわゆる募金趣意書です。 つまり、勧進帳は寄付を集めるための文書であり、その文書がメインテーマとなっている歌舞伎「勧進帳」の舞台である、安宅の関は、まさに寄付の聖地である。山伏の格好をして勧進帳を読み上げる弁慶はまさに平安末期のファンドレイザーとうことですね。 一方で、この「勧進帳」は、日本史上、最悪の募金詐欺事件です。 募金詐欺事件として「勧進帳」を見ると、どれくらいひどい詐欺事件なのかということをまとめてみました。募金詐欺事件の概要です。 ・誰もが知っているようなプロジェクトを語って寄付を集める。 ・すでに亡くなっているプロジェクトの創設者である故人の名前を語って、寄付の趣意書を説明する。 ・そのプロジェクトの関係者を思わせるような制服を用意して詐欺を働いている。 ・さらに信頼性を高めるためにグループを結成して職場に訪問する。 ・自ら寄付の話を切り出すのではなく、相手から話を聞きたいと言わせるようにもっていく。 ・寄付の趣旨をとうとうと説明する。でも、証拠が残らないように趣意書が書かれている文書は相手に絶対見せない。 ・寄付をしないとどんな災難が降りかかるのかという脅しめいた表現を使う。 ・相手が寄付をすると申し出ると、そのプロジェクトのためにもらってやるという雰囲気で寄付をもらう。お礼の言葉などはない。 ・金の他に、物品の寄付を申し出るとそれは荷物になるので後から取りに来ると言って物品寄付を拒絶する。 ・もらった金はおそらくこれから向かう東北旅行の遊興費に使われるのでは。 ・グループのメンバーの態度が悪いといきなり言い出し激昂し、メンバーの一人を棒で打ちつける。 ・寄付者が慰労ということで宴席に招待すると断ることを一切せず接待に応じる。 ・酒を飲みすぎていきなり踊り出して余興を始める。 ・他のメンバーが帰った後も一人残って酒を飲む。 ・最後にはお礼も言わず、けんけんをしながら上機嫌で立ち去る。 これを読めば、どれだけひどい募金詐欺事件ということがわかります。 歌舞伎の勧進帳については、こちらのサイトがとてもわかりやすいです。 みなさんも、史上まれにみる極悪非道の募金詐欺事件をぜひご覧ください。 歌舞伎演目案内「勧進帳」 http://enmokudb.kabuki.ne.jp/repertoire/673 歌舞伎「勧進帳」の舞台を実際に目にすることができ、しかも舞台となった季節の冬の時期に行けたのでよかったです。 安宅の関は、白砂が広がる日本海と松林で印象的な場所でした。 こちらが、安宅の関祉です。 松林の中の小高い丘にありました。 安宅の関のすぐ近くに、安宅住吉神社があります。 http://www.ataka.or.jp/index.html 境内には、勧進帳を読みあげる弁慶像がありました。 (最初の写真です。) こちらは、弁慶の勧進帳の台詞です。 最後に、安宅の関にある「勧進帳の里 安宅ビューテラス」はおススメです。 併設されているカフェの食事、美味しゅうございました。 http://www.komatsuguide.jp/index.php/spot/detail/193/2/1/ |