Vol.421【ファンドレイジングスーパースター列伝】野口幽香・森島美根(日本) [2019年05月29日(Wed)]
野口幽香・森島美根
東京・四谷にある「二葉保育園」(設立当初は二葉幼稚園)の創設者のお二人です。 ちなみに、平成27年度の保育士の試験の問題の中で「A 野口幽香と森島峰が寄付を募って、1900 年に設立した。 イ 二葉幼稚園」と出題されているくらいですから、幼児教育・保育のファンドレイザーの先駆けのような方々でした。 野口幽香・森島美根が設立した「二葉幼稚園」は、現在社会福祉法人二葉保育園となり、四ツ谷周辺で保育園などを運営しています。 法人のホームページにその歴史が掲載されています。 100年の歩み http://www.futaba-yuka.or.jp/main_site/history.html 二葉保育園は、1900年(明治33)に華族女学校付属幼稚園に勤務していた野口幽香と森島美根によって設立された。二人は貧児にも華族幼稚園の子どもたちと同じ様に保育したいと願い、麹町の借家で6人の子どもたちを集めて開園した。 さて、野口幽香と森島 峰(美根)の二人は番町教会で宣教師ミス・デントンに相談した所、女史は募金のために慈善音楽会開催に尽力した。 1898年(明治31)ドイツ人哲学者で音楽家としても知られたケーベル博士によるピアノ演奏の慈善音楽会を上野の奏楽堂で開催し、700円の収益を、本郷育児暁星園とで分けて420円の資金を得る事が出来た。慈善音楽会の通知は当時の著名なキリスト者が名を連ねていた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 二葉保育園の歴史は、明治から昭和戦後にかけての児童福祉の状況を一気に感じることのできるものです。ぜひ、上記のページをご覧ください。 当時の二葉幼稚園のことは、この論文で詳しく紹介されています。 施設保育と子育ての協同 元木 久男 https://ci.nii.ac.jp/naid/110009912221 せっかくなので、現在の二葉保育園の寄付についても見ていきましょう。 「二葉支援の会」が中心となって、国の制度以外の事業や組織運営を支えていく活動をしているそうです。寄付の募集やチャリティコンサートを行っています。 2013年ですが、加藤登紀子さんのチャリティコンサートを企画して開催したそうです。 http://www.futaba-yuka.or.jp/charity/ このチャリティコンサートでは、2,383,379円の収益と、1000人を超える参加者を集めることができたそうです。 ところで、先の「100年のあゆみ」のページに掲載されていた文章です。 「1900年(明治33)創立以来、毎年寄付者に「年報」により、事業の報告を行っていた。これらの「年報」はもとより、二葉保育園には「設立趣意書」を始め、創立以来の入園児童の名簿、建物図面、行政への手続きなどの文書が保存されている。」 これは、ぜひ見てみたいですね。 |