No.302【ファンドレイジングスーパースター列伝】国際ボランティア貯金(日本) [2018年10月29日(Mon)]
国際ボランティア貯金
みなさん、かつて、郵便貯金の「国際ボランティア貯金」というものがあったのをご存じでしょうか? 平成3年(1991年)から、郵便事業が民営化する平成19年(2007年)までの約17年間、実施されたものです。 民営化後は、その事業は独立行政法人郵貯・簡保管理機構に移管され、平成26年まで助成金が配分されていました。 ーーーーーーーーーーーーーー 国際ボランティア貯金制度は、 「郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律」(通称「ボランティア貯金法」)に基づいて、1991年よりスタート。郵便貯金の利子の一部を利用者の同意を得て、民間の海外援助活動に寄付をする制度。 郵便貯金の通常貯金や通常貯蓄貯金の貯金者が、その受け取り利子から一部を寄附することに同意し、その寄附を日本郵政公社に委託して、郵政公社が、NGOや民間ボランティア団体に配分するという仕組みになっている。 http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=2827 ーーーーーーーーーーーーー 独立行政法人郵貯・簡保管理機構 国際ボランティア貯金は、預金者から通常郵便貯金の税引後の受取利子を寄附(寄附割合は20%から100%までの間の10%単位で選択)していただき、その寄附金を海外で活動する民間援助団体(NGO)に配分し、開発途上地域の住民の福祉向上のために活用することによって、国民参加による民間レベルでの海外援助の充実に資することを目的とした貯金です。平成3年1月4日から約17年間、郵便局において取扱いを行いました。 日本郵政公社の民営化に伴い、平成19年9月末をもって、国際ボランティア貯金の取扱いを終了しましたが、寄附金の一部(総額21億円)を当機構が承継し、国内の民間団体が行う海外援助活動に配分しております。 ※(株)ゆうちょ銀行は、平成20年10月1日「ゆうちょボランティア貯金」の取り扱いを開始しましたが、これは「国際ボランティア貯金」とは別のものです。 http://www.yuchokampo.go.jp/yucho/new-volpost/New-index.html ーーーーーーーーーーー 国際ボランティア貯金の寄附金の配分 独立行政法人郵便貯金・簡易保険管理機構は、郵政民営化前の国際ボランティア貯金の利子から生じる寄附金を発展途上国などにおいて教育、医療・衛生、生活改善などの事業を実施する団体に配分しました。 下掲の平成26年度の配分金の交付により、平成27年度末の寄附金残高は、0円となりました。 平成26年度の配分金は、584万円でした。 http://home.b05.itscom.net/kisoh/volunteerchokin.html 総務省のWebサイトにこんな報告書が掲載されていました。 http://www.soumu.go.jp/yusei/kokusai_volunteer.html ーーーーーーーーーー 国際ボランティア貯金制度の評価 国際ボランティア貯金制度は、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律(平成2年法律第72号)に基づき、平成3年から実施され、郵政民営化に伴い平成19年9月末に廃止されました。 総務省では、別記のとおり、本制度にかかる評価を行いました。 ーーーーーーーーーーーーーー こちらの報告書からいくつか引用です。 ・制度創設から現在(平成24年)まで累計 2,921 団体(3,508 事業)に対し約 210 億円の寄附金を配分。 ・配分された寄附金は、他の助成制度では認められることが少ない現地ローカルスタッフの人件費に充当することが可能であったり、継続して 5 か年の助成が受けられるなど中長期の視点に立った活動計画に資するものであったと評価できます。 ・国際ボランティア貯金制度は預金者が受け取る通常郵便貯金の利子を財源にしており、国際ボランティア貯金加入数は平成 16 年度(2004 年度)には 2,741 万件に達するなど、広く国民の善意に支えられた制度であり、国際ボランティアに対する国民意識の醸成に貢献したと考えられます。 国際ボランティア貯金に関して、「郵貯ラリー協会」という団体がありました。 ーーーーーーーーーーーー 郵貯ラリー協会は、「郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄付の委託に関する法律(国際ボランティア貯金法)」の規定に基づき、利子の一部または全部を総務大臣に委託することとする通常郵便貯金、通称「国際ボランティア貯金」を利用して、全国に設置されている「郵便局」を訪問し預入する「国際ボランティア貯金ラリー」を通して、国際ボランティア貯金の普及を図り、その制度の健全な発展に微力ながら協力してきました。 2007年10月の郵政民営化に伴い、国際ボランティア貯金も廃止となりましたが、郵貯ラリー協会では民営化後のゆうちょ銀行の通常貯金を利用したラリーを継続しています。 引き続き、同好者の親睦と交流を促進するための活動を行っていますが、今後も何らかの形で国際社会への貢献ができないか検討しています。 http://www.yu-cho.org/profile.html 最後に、ゆうちょ銀行では、「ゆうちょボランティア貯金」という制度が新しく生まれています。 ゆうちょボランティア貯金 ゆうちょ銀行では、援助を求めている世界の人びとや自然保護に少しでも多くの支援の手が届くよう、「ゆうちょボランティア貯金」をお取り扱いしています。 みなさまからお預かりしている通常貯金および通常貯蓄貯金の利子のうち、税引後の20%相当額(1円未満切り捨て)が寄附金となります。 この寄附金は、「世界の人びとのためのJICA基金」(略称:JICA基金)を通じて、開発途上国・地域の生活向上や環境保全に活用されます。 https://www.jp-bank.japanpost.jp/aboutus/activity/fukusi/abt_act_fk_volunteer.html ちなみに、どれくらいの寄付になっているのでしょうか? https://www.jp-bank.japanpost.jp/news/2018/news_id001307.html こちらに数字が掲載されていました。 ゆうちょボランティア貯金 寄附金額 142,468円 (2017年10月〜2018年3月) JP BANK カード ポイント交換メニューからの寄附金額 803,035円 (2017年4月〜2018年3月) <参考>ゆうちょボランティア貯金 実績 寄附金額総額(2008年10月取扱開始以降) 32,997,395円 取扱件数(2018年3月末現在) 1,107,306件 |