【開催報告】ITでNPOの活動を加速する中間支援組織とITサービス企業の会議(2014/2/28) [2014年03月03日(Mon)]
全国各地の中間支援組織とITサービス企業のマッチングの場を企画・開催しました。
岩手、宮城、福島、栃木、千葉、東京、新潟、愛知、京都、滋賀、大阪、鳥取、島根、岡山、広島、山口、沖縄など全国各地の中間支援組織の関係者と合計18種類のITサービス・ツールを提供している企業・団体の関係者など、60名を超える方にご参加いただきました。 ITでNPOの活動を加速する中間支援組織とITサービス企業の会議 日時:2014年2月28日(金)13:30〜17:30 主催:日本財団CANPAN 協力:IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] 対象:全国各地の中間支援組織(NPOセンター、ボランティアセンター、助成機関等) ITサービス企業 参加者:約65名 <実施内容> 第1部 13:30〜14:55 オープニング ・本日の趣旨と流れ 地域でNPOの情報発信・開示やIT化を積極的に推進している中間支援組織と、NPO向けのITサービスを提供しているIT関連企業などが集まり、NPOのIT活用の現状を共有し、今後NPOに向けてどのような支援やサービス提供があればよいのかを考える。 ITやWebを活用することによって活動を加速させ、周囲を巻き込み、社会を変えるNPOを支える取り組みを一緒に考える。 事例発表:地域のNPOのIT活用状況(25分×2団体) 岡山NPOセンター(石原達也さん) 〜地域におけるIT活用状況の実感 http://www.npokayama.org/ ・岡山NPOセンターは「豊かな市民社会の実現」をミッションとして市民団体が結集して設立。 ・平成19年度に岡山県27市町村の支援力調査の結果、「調査・情報力」「資源提供力」「人材育成力」が弱いということが明らかになり、それに関する対応を開始した。 ・NPO法人数増加の一方で、成長は頭打ちになっている。担い手となるNPOの足場を固める必要がある。そのため、NPO事務支援センターの立ち上げや、NPO法人事務力検定を行っている。 ・新しい流れを作るために、みんなでつくる財団おかやまを設立し、割り勘で夢をかなえる(事業指定寄付プログラム)、みんなの貯金箱をもとう(社会変革ファンド)、みんなとやればできるはず(地域円卓会議)などのプロジェクトに取り組んでいる。 ・岡山県の多く中山間地域であり、高齢化率が3割である。これらの地域の課題を解決すために岡山ではいくつかのNPOが積極的に取り組んでいて、行政、企業、地域、学校との多様な連携なども進められている。 ・また、岡山県だけではなく、中国5県連携による取り組みも実施中。 ・岡山県内のNPOのIT活用状況について、支援における実感として、使えない4割、少し使える2割、使える3割、使いすぎる1割という感じ。普通に使える層の中ではfacebook率が高い、facebookグループで情報共有を行っている。 ・岡山NPOセンターとしてはクラウドファンディングやボランティア募集サイトなどの各種サービスとの連携や、サービス情報の発信などを実施。 ・@情報共有の仕組み化、Aルーティン作業の仕組み化を意識した取り組みを行っている。その他に、NPOに対しては個別支援として、有料で事務所を訪問し、相談に乗るという事業も実施。 ![]() NPOサポートセンター(笠原孝弘さん) 〜東京におけるIT活用状況の実感 http://www.npo-sc.org/content/ ・NPOサポートセンターは 日本初のNPO支援センターであり、NPO支援の活動をはじめて20年となり、人材育成事業、サポート事業、コーディネート事業、調査・研究事業を柱に活動している。 ・2013年度後半は、NPOアカデミー「プロフェッショナル・スタッフのためのwinterセミナー」で、主に首都圏のNPO対象にセミナー事業を実施している。 http://www.npo-sc.org/npoacademy/ ・NPO就職・転職支援サポート事業として、NPOキャリアカレッジや「NPO×しごと」フォーラム in 2014 東京等で、NPO就職支援等も行っている。 ・企業とのパートナーシップによるNPOのIT化促進に向けたサポート事業 PCスキル・デザインスキルを強化する「NPOスタッフためのITスクール」 http://www.nposc.org/PDFs/NPO_ITschool.pdf Salesforce導入・活用サポート サイト「social force」オープン! http://social-force.jp/ 本格的ウェブマガジン発行サービス「Publishers」 http://publishers.fm/ ・NPOxITを中心テーマに海外記事50本をブログ発信している。 NPOサポートセンターブログ https://blog.canpan.info/nposc/ ・首都圏のIT活用状況 クラウドファンディングに挑戦するNPOが続く フェイスブックページのいいね数は500〜3000 求められる「コンテンツマーケティング」のマインドセット ・今後注目していきたい5つのNPOxITサポート分野 インフォグラフィック作成サポート Facebook広告(寄附ボタン日本もスタート?) ツイッター×TV モバイル(スマートフォン)対応施策 クラウドソーシング ![]() CANPAN運営から見えてきたWeb活用(30分) 日本財団CANPANプロジェクト 吉野真佐代 ・CANPANのアクセス分析から見えてきたNPOの情報 ・CANPANのデータベースを活用したデータ連携機能の活用 ・全国各地の団体情報データベースの動向 第2部 15:10〜17:30 ITサービス企業・団体による1分間プレゼン(25分) ・ITサービス・ツールの紹介 Links for Good http://linksforgood.yahoo.co.jp 興味関心連動型広告技術(YDN)を使ったNPO向け無償広告の提供 Publishers http://publishers.fm/ 定期購読型のウェブマガジンが簡単発行できるツールです。会報誌や広報誌をオンライン化し、テーマに応じた継続的な情報発信を通じてファンコミュニティを作り、テーマの啓蒙を図ることができます。また、有料マガジンの発行により、NPOが持つ貴重な情報資産を、積極的に売上に転換していくことも可能です。 クラウドファンディングFAAVO https://faavo.jp 地域活性化をするプロジェクトをWEBへ掲載し、小額の支援を全国から募るサービスです。各都道府県単位でページを開設しており、地元ならではの特徴が出たプロジェクトが多く、地元に対しての共感や、人のつながりを生み出す事が出来ます。 Peatix http://peatix.com/ Peatixは、簡単に使えるイベント管理サービスです。特別な契約や登録料などは必要なく、個人から法人まで誰でも登録・利用できます。無料のイベントから有料のイベント、クラウドファンディングまで、Peatixの活用方法は様々です。イベントの告知ページを簡単に作成でき、申込を自動で受け付けます。イベント当日は、参加者リストやQRコードなどで簡単に入場管理。イベント運営に関わる参加者受付、管理、当日受付の負担を大幅に軽減します。 ボランティア情報データベース http://volunteerinfo.jp/about_us/info ボランティアの募集情報を同じフォーマットで入力してAPIで配信するサービスです。現時点では東日本大震災関連のボランティア募集情報のみを取り扱っており、2011年3月から現在まで約6300件のボランティア情報を掲載しました。配信はAPI形式で行っており、どのサイトでも自由に表示できるようになっています。2014年4月より仙台から一般ボランティアの募集情報の取り扱いも開始します。 Coiney (コイニー) http://coiney.com Coiney(コイニー)は、事業者さまのお手持ちのスマートフォン・タブレットでクレジットカード決済を導入できるサービスです。スマートフォンに専用のカードリーダーをさすだけ。初期費用0円、月額費用0円、決済手数料は3.24%でご利用いただけます。持ち運びも自由なので、屋外や訪問先・イベント会場など、さまざまな場所でのカード決済対応が可能になります。 275マップ http://map.biwataku.com/ 現在は新規登録を休止しており、次の275マップをつくるべく、作業を進めています。次の275マップは、2014年4月公開を目途に、近江八幡市を対象にモデル的につくります。名称は、275マップを使うかどうかわかりません。 NPOヒロバ http://npo-hiroba.or.jp/ 日本に存在する全NPO法人を網羅した掲載しているNPO法人データベース。団体自身の情報発信を通じて社会における信頼性の向上のため、全NPO法人にとっては情報開示のツールとして、また多くの市民や企業にとっては市民活動団体等の現状を誰もが理解でき、分野や地域を越えてNPO法人等の情報検索が可能なデータベースでとして、広く社会に提供している。 パソコンソフト寄贈テックスープ https://www.techsoupjapan.org/ 日本NPOセンターが実施しているソフトウェア寄贈プログラム「テックスープ・ジャパン」では、NPO法人、公益法人、社会福祉法人の内、資格条件を満たした団体に対して、アドビ システムズ、シマンテック、マイクロソフトなどのソフトウェア製品をわずかな手数料で提供しています。 本プログラムはソフトウェア寄贈を通じて民間非営利団体の最大限の力が発揮されることを目指しています。 トッテオクール http://totteokuru.com/ 領収書入力代行クラウドサービス。個人事業主や中小法人、税理士・会計事務所向けに、面倒な領収書の入力を、スマホやスキャナ・デジカメで領収書画像をアップロードするだけで、福島の主婦の方たちが入力・仕訳を代行して行うサービスで、被災地福島に雇用を創出しています。 環境らしんばん http://www.geoc.jp/rashinban/ 環境の事業・活動をしているNPO、企業等の組織が、主催するイベント等やボランティア、求人情報を自由に発信してもらう投稿サイト。 NPOなセレクトショップほわぎ http://www.howagi.net/ 「NPOなセレクトショップほわぎ」は、定非営利活動法人新潟NPO協会が2008年より運営するオンラインショップです。扱う商品はNPO自らが製造したり、制作に協力しているものをセレクトしています。多くの公益的な活動をする人たちは、その思いやこだわりを「モノ」に託し、「商品」に変えて社会へ発信することで、活動の周知や支援者の拡大を図っています。 Square https://squareup.com/jp スマホを使ったクレジットカード決済端末 ChatWork http://www.chatwork.com/ja/ クラウド型ビジネスチャットツール「ChatWork」です。 gooddo http://gooddo.jp/ gooddoは自分の応援したいNPO/NGOを、誰でも、今すぐ、簡単に支援することができるソーシャルグッドプラットフォームです。サポーター企業の広告協賛費によって運営・支援金の支払いを行っている為、従来の寄付や募金と異なり、ユーザに支援金の負担はありません。 Salesforce http://social-force.jp/ Salesforceとは、クラウド型の営業支援・顧客管理プラットフォームです。名簿管理だけではなく、イベントなどの参加履歴管理、案内メールの一括配信、申し込み・お問い合わせフォームの作成、寄付履歴の管理・分析など、標準で搭載された多様な機能を使って、支援者情報の一元管理とデータ活用を実現することができます。 ※後半のパネルディスカッションで説明 Google Ad Grants http://www.google.co.jp/intl/ja/grants/ Google Ad Grants は、Google のオンライン広告サービスである AdWords を非営利団体に提供するプログラムです。Google Ad Grants に登録すると、1 か月あたり 10,000 ドル分の AdWords ![]() ※後半のパネルディスカッションで説明 CANPAN http://fields.canpan.info/ NPOの信頼性向上のための情報発信プラットフォーム。活動をされている団体ならどなたでも利用可能。 ※前半のセッションで説明 プレゼンまとめ from Yasuhisa Yamada パネルディスカッション&グループディスカッション 「NPO向けITサービスをどのように普及・活用していくか」 コーディネーター:川北秀人さん(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] ) <川北さんによるイントロダクション> IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]の紹介 ・組織目的: 地球上のすべての生命にとって、調和的で民主的な発展のために ・社会事業家(課題・理想に挑むNPO・企業)の支援 ・「NPOマネジメント」(99年~11年)、「ソシオ・マネジメント」 ・育成・支援のための講座・研修 ・地域で活動する団体のマネジメント研修(年100件) ・行政と市民団体がいっしょに協働を学ぶ研修(年60県市) ・調査・提言:「NPOの信頼性向上と助成の最適化」「協働環境」 「自治体の社会責任(LGSR)」 ・ビジネスと市民生活を通じた環境問題の解決 ・企業の社会責任(CSR)の戦略デザイン(年20社) ・2020年の地球への行動計画立案 ・専従3名+客員1名、東京(新川)、約3900万円 中間支援組織に向けての提案 ・「NPO向けITサービスをどのように普及・活用していくか?」を考える前に、そもそも、NPOは、よい事業・組織をめざしているか? ・NPOの支援者は、相手を正しく知って、促しているか?(道具があっても、良くなっても、生かせない人たちを、どう本気にするか?) (1)パネルディスカッション(10分×2社の事例紹介、ディスカッション) パネリスト: ◆Salesforceの取り組み、サービスについて Salesforce.com Foundation遠藤理恵さん NPOサポートセンター小堀悠さん ◆Googleの取り組み、Google Ad Grantsについて Google 田中清隆さん Salesforce 遠藤さん、NPOサポートセンター小堀さんによるプレゼン ![]() ・Salesforceは世界で最良かつ最も革新的な企業財団として、ビジネスと社会貢献の統合を1/1/1モデルとして実践している。 ・非営利団体向け寄贈・割引プログラムを実施。10ライセンスまで寄贈、追加ライセンスは購入。その収益でプログラムを継続して実施している。 ・非営利団体が抱えている情報システム面での課題として、情報共有不足、システムコスト、システム担当者不在などがある。これらを解決するためにSalesforceを活用してもらう。 ・対象はNPO法人、公益財団法人、公益社団法人、社会福祉法人、特定公益増進法人(学校法人を除く)、宗教法人。 ・1組織、10ライセンスの提供の他に、サポートデスクやオンライントレーニングなども提供。 ・Salesforce普及のために、NPOサポートセンター、ファンドレックスと連携し、NPOのSalesforce導入の支援をしている。 ・NPOサポートセンターとして、Salesforceと連携することとなった経緯及び、Salesforce導入支援の具体的な内容の紹介。 ・紹介講座→試行研修→速習 →実践→導入 ・全国の中間支援団体向けに、地域の団体にSalesforceを普及するためのサポートプログラム(有料)を用意している。 ・NPOサポートセンターによる、IT企業との連携のポイント(事業性、主体性、数値に基づく評価と改善)や連携パターンについて説明。 NPO・NGOを対象として、Salesforce(セールスフォース)の導入支援を行うためのサイト「social force(ソーシャルフォース)」 http://social-force.jp/ 【川北さんからの質問】 @利用団体の地域性は? →首都圏内・外比は半分ずつ Aどんな団体・取り組みに最適? →利用目的、個人ではなく団体で →目的をはっきりさせて使い、組織として意思決定してスタッフ全員で使うことが重要である Google田中さんによるプレゼン ![]() GoogleAdGrantについて ・Googleのミッションは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセス可能」ということ。 ・NPO の取り組みをGoogle プロダクトでより力強いものに! ・Google 検索は、自然検索結果とGoogle AdWordsの2種類。 ・Google AdWordsでは、上部は最大3つ、右側に最大8つの広告が表示される。掲載結果は品質スコア及び入札によって決定される。 ・Google AdWordsでは、検索される言葉を考えてキーワードを決めて、表示する広告テキストを考える。 ・GoogleAdGrantは、Google のオンライン広告サービスであるAdWords を非営利団体に提供するプログラム。公益組織が必要な広告を載せることができるというサービスについての紹介。 表示は無料、クリック時に課金。 月額10,000ドル分は無償(助成) 特定非営利活動法人(寄付募集は認定必須) 1か月利用がないと停止 キャンペーン設定→広告集作成 ・Googleでキーワードを検索した場合、どういう仕組み(関連性)で広告マッチングが行われるか。ただ単純に検索ワードで引っかかるのではなく、ランク評価等によってベストな検索で広告が出る。 ・GoogleGrantの申し込み資格と方法。 http://www.google.co.jp/intl/ja/grants/index.html ・その他、参考になるサイト AdWords ヘルプセンター →『アドワーズ ヘルプ』 で検索 AdWords ビジュアルナビ →『アドワーズ ビジュアルナビ』 で検索 Grants のお申し込み→ 『Google Grants 』で検索 【川北さんからの質問】 知られてほしい団体が検索される想定キーワード? 利用者特性・傾向&広告効果? →始めるとユーザー傾向がわかる、検索語:呼び名の違い! →Googleの広告利用については、実際に導入したあとでアクセス履歴を見ることによりユーザーの傾向がわかり、検索されるキーワードについてコツがわかる ![]() ![]() (2)参加者による交流タイム ・各ITサービスについて、フリーで話を聞いたり、交流する場 ![]() ご参加いただいた中間支援組織、IT企業のみなさま、コーディネーターの川北さん、ありがとうございました。継続的にこういう機会を設けていきたいと思います。 日本財団CANPAN 山田泰久 |