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風を吹かせて桶屋が儲かる理論 [2014年12月05日(Fri)]
現在の複合化が進む社会課題の解決の一つの方法論を考えていく上で、軸とするべき、自分の中で考えたある理論の名前です(笑)

ちなみに、風が吹けば…ではありません。

別名、「社会課題解決バタフライ効果論」(笑)

北京で蝶が羽ばたくとニューヨークで嵐が起こる、というカオス理論のアレです。
ざっくり説明すると、それぞれの社会課題を個別に、独立したもので考えず、それぞれが関連していると仮説を立て、それらを俯瞰、その共通項(横串)を見つけていきます。

たとえば、「少子高齢化」
子どもが少ないから相対的に高齢化している社会の課題は、そもそもは経済分野の課題で密接な関係がある。
でも、平均年齢が高くなり高齢な人たちが物理的に増えていることそのものは、女性が生涯で生む子どもの数が1.3人という少子化とは無関係で、医学分野の課題が大きい。
つまり、高齢化と言っても実は多面的課題。

では、医学分野の課題は少子化と本当に無関係か? とも考え、仮説づくりを開始する、そんな感じ。
その共通項の集合体から見えてくる連鎖効果を、その社会課題の実態からバックキャストして原因を辿りつつ、解決策の最適解と思われる「仕組み」を仮説として立てます。
その仮説に基づき、可能な限りビジネス化を視野に入れ、持続可能性を高めるものへ仕上げていきます。

そんなイメージ。

ここでのポイントの一つは、風は吹くものではなく、風を吹かせるというアクションを自分達がやらないといけないこと。これを意図的に仕掛けるということです。

仕掛けの方法については、先ほどの「仕組み」のデザインを作る上で必要なことが見えてくるので、それが仕掛けの方法になります。

仕掛けた結果による効果が最もあったと判断できる状態とはどんなでしょ?

それは、仮説とその立証を通じて、仕掛け人の自分たちとは無関係の第三者にとっても、わかりやすくインセンティブが働く仕組みとなっている状態。

これは、できるだけオートマティックにスケールさせたいというめんどくさがりにとっては最重要なことです。
仕掛けた自分たちの間だけで仕組みが回っていても社会は変わっていません。
その場合、変わったのは自分とその周りの「世界」だけ。ここを勘違いするとタダの天狗でしかない。

ちなみに、狙いが特定の人たちの、彼らの世界を変えることが目的ならそれでOK。必ずしも社会全体を変える必要がない社会課題もたくさんあるわけで。

つまり、「社会を変える」のは容易ではないが、「世界を変える」のはさして難しくないということでもあります。誰の世界を変えるか、でスケールが変わるから。本気で地球を変えようと思ったら大変だけど。

そして、もう一つ、別名がなぜバタフライ効果かと言うと、社会を良くしようというような志ある人は、なんだかんだ言ってもソーシャルマイノリティ。

その少人数で大きな社会的効果を創り出そうと考えるなら、バタフライ効果的にモノを考えるのが重要で、扇の要みたいな役割を意識し続ける必要があるのでこんな表現に。

ここはカオス的な要素が強く、自分たちも意図しないスケールが出てくることが本当は大切。その意図しないスケールが最大化された状態を意識することが重要です。
なぜかというと、その最大化のスケール感こそ、おそらくは目指すべき状態だから。

でも、そこまでデザインしようとするとけっこう大変で、けっこうヘタるので、ただ、そういうスケールで物を考えようとすることがまずは重要くらいで進めることがオススメ。

というようなことで、かなり多面的な要素を持ちます。

そして、もう一つのポイント。

ある側面しか見ない人にはその側面だけが見えていれば良いという割り切りを持つこと。
あるいは、その側面しか見ないだろう人には、その側面だけを見せるだけでもOKだと思うこと。

社会に良いことをしたいと思うと、その熱意ばかりがどんどん外に出てしまい、「全部をわかって欲しい!」と思います。これは基本的に、「第三者にはうっとうしいもの」と考えておく。

ローマ帝国のカエサルですら、「ひとは見たいと思う現実しか見ない」と嘆いたのです。ましてや、私たちの声などどれだけわかってもらえることか…。

これは別に失望感から言うのではなく、人とはそういうものだと理解した上で、理解を得るように臨もうという意味ですね。

であれば、自分たちは全体最適を設計しているとしても、その全体像を全ての人が理解している必要なんて全くない。
さらに言うと、志とかも究極的には不要で、「儲かるからやりませんか?」となることが実は最高の状態。だって、わかりやすい、説明しやすい。
サルにはわからないと思うけど。

そして、そして、その全体設計図の中に「社会課題の解決スキーム」を周到に盛り込んでおく、ということ。

結果的に儲けることしか考えない人すら、社会に結果的に貢献させられている、桶屋が儲かっている、そんな状態を創り出すための風を吹かす。

なんかよくわからないけど、そんな感じの理論で、社会課題の分析を進め、企画にしていこうと思っておりまする。
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