2月9日(水)に、第82回こらぼ茶話
「トンコリ演奏とアイヌのおはなし」が開催されました。
皆さんは「トンコリ」という楽器をご存知でしょうか?
アイヌに伝わる伝統的な弦楽器で、5本の弦があります。
これを指で押さえずに開放弦で弾きます。
アイヌは文字を持たないため、いつから使われていたかわかりません。
材料も変化して、クジラやシカの筋などを使っていた弦は、
今では三味線の弦が使われているそうです。
今回講師を務める、トンコリ・ウポポの帯刀さん
帯刀さんは北海道出身。
トンコリ演奏をされますが、アイヌの工芸品なども作られるそうです。
アクセサリーや、この衣装の刺繍、被り物もお手製です。
冠のような被り物は、縄で作られています

演奏される曲は、キツネや鶴の動きなどを表現したものや、
男性が女性を誘うものなど、アイヌの文化が感じられます。
北海道では明治頃までに、トンコリの演奏や付随する文化が
ほぼ失われたのですが、90年代頃から徐々に学習者が増え、
今日このような演奏を聴くことができるようになりました。
病気が流行ったときはトンコリを弾けば治るとか、
トンコリを弾いたら嵐が静まったとか、
村長の家が敵に包囲され、村長の妻が一晩中トンコリを弾き続けたら
敵が眠り込んでしまったとか・・・
数々の伝説があるそうです

「ムックリ」という楽器もお持ちいただきました。
板に紐が付いていて、紐を引っ張り振動させ、口の中で共鳴させて
音を出す楽器です。
その他の楽器もご紹介いただきました。
演奏を挟みながら、アイヌについてのお話を聞きます

2017年の調査では、北海道内のアイヌ人口は13,000人ほど。
高齢化も進み、徐々に減ってきています。
近年アイヌ文化への理解が深まってきていますが、
かつては、いわれのない差別を受けてきました


ピリカとは、アイヌの言葉で「美しい」「良い」という意味です。
1958年に歌手の雪村いづみさんが歌ってヒットした曲で、
そのカップリングは「アイヌの子守歌」でした。
皆さん聴き入っています。
講座終了後には「また聴きたい」というお声も多数ありました。
皆さんのアイヌへの関心の高さがうかがえた講座でした。
今回は演奏や歌とともに、大自然に生きるアイヌの文化にふれる
良い機会となりました。
私ももっとアイヌについて勉強したいと思いました

いつか北海道の「ウポポイ」にも行ってみたいですね

講師の帯刀さん、参加者の皆さん、お疲れさまでした

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