コラム「組織マネジメントとコミュニティマネジメント」
[2015年10月07日(Wed)]

多様な人々が関わるコミュニティのマネジメントにおいては、「分ける」というのは一つの重要な観点・ポイントです。
「理念共感の度合いの差」「温度差・コミットメントの差」「活動可能時間の差」などが多種多様になることはむしろ与件と捉えて、「一色(いっしょく)」を目指さずに「十色(といろ)」をデザインする(「十色」に「分ける」)ことこそコミュニティマネジメントの真骨頂です。
ですが、さらに具体論に入ると、「百人百様」となるとそれはそれで多様すぎてマネジメントはできなくなってきます。「成果」を出しながらも、一人ひとりが「充実感・居心地の良さ・居場所」を感じながら活動していくためには、やっぱり「三色」とか「五色」ぐらいに分けるということが現実的には必要になります。
私たちはそれをサッカーに例えて「フィールド」「ベンチ」「観客席」と言っていたりします。
※「フィールド」は熱く90分走り続ける人、「観客席」は熱く共感しながら応援してくれたり手伝ってくれる人。全部含めてチームだし、コミュニティです。
そこで提案したいのが、「組織マネジメント」と「コミュニティマネジメント」の違いを認識して組織デザイン・設計や運営に活かすことです。
推進力を高めて成果を出すことの比重が高い「組織」と、多様な人たち・才能が関わり、それぞれに居心地が良く自己有用感を発揮できる「コミュニティ」を分けて考えることは、マネジメントに一定の視座を与えてくれます。
そこをごっちゃに考えることで、マネジメント側は「想い」「コミットメント」「活動時間」が低いことへのストレスを抱えることになり、いつしか責めるような気持ちになってしまったりします。メンバー・スタッフも何かうまく追いつけていない気後れ感のようなものを感じてしまいお互いにとって良くない状態を引き起こしてしまいます。これは構造が引き起こす問題です。
まずは「組織」と「コミュニティ」を分けて考え、設計してみてください。そして「組織」と「コミュニティ」で必要なマネジメントの施策や打ち手は変わってきます。そこを一度整理して、組織デザイン/コミュニティデザインをしてみてください。
それぞれの団体における目的や特性にもよりますが、究極は「推進力の高い組織」が機能しながらも「多様な人たちが関わる“愛されるコミュニティ”」をベースにできることが理想のかたちのように思います。
私たちはまだ答えに辿り着いているわけでもなく、試行錯誤と開発の日々ですが、まずは自分たちが体現することから始め、親しい団体にもそうなるお手伝いをしながら、多くの団体・リーダー・運営者たちにノウハウや支援を届けられるようにこれからも研鑽を積みたいと思います。「最高の組織」と「最高のコミュニティ」を目指して、コミュニティ・マネジメント・ラボ含めてぜひ一緒に研究・開発にご参画ください。
(代表 呉哲煥)
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