今日の講義は東日本大震災の1年目の日にあたり柏の葉公園で行われた柏市総合防災訓練と並行して行われ、一般市民も参加する公開講座となった。
講義は、(有)西神戸防災センター所長である瀬戸利夫氏を講師に迎え「大震災に備える〜今改めて阪神淡路大震災を考える」という瀬戸氏ご自身の経験談を伺うものであった。
講義内容は、まず「阪神・淡路大震災の概要」と「神戸市の被害」を数字で示され、改めてこの震災の規模の大きさを再認識することから始められた。17年前の記憶が蘇る。さらに、ちょうど一年前に東日本大震災に直面し、今なお続く被災状況を克明に記憶している受講生には生々しい被害の状況が胸に迫る。
続いて、被災現場の報道資料から、個々の被害の状況を確認する。信じられない場面が続き息をのんで見守るしかなかった。さらに、そのような状況下でどのように救助活動が行われたのかを当時の報道写真で紹介された。講師自身が当時神戸市の消防署員であり、最前線に立って救助活動に携わられているので、被害の凄まじさと救助活動の困難さが直に伝わってくる。貴重な経験である。とくに、震災に襲われた市民が、それまで全く予想もしないまま、いきなり被災現場に投げ込まれるという状況下で、どんなに恐怖にとらわれ混乱したであろうことが実感として伝わってくる。
そのことから、講師は、市民の自主防災組織・活動が被害を最小限に食い止め、救われるべき命を救い、守るべき財産を守るということに重要な役割を果たすということを経験されその大切さを実感された。「震災の被害と市民の力(神戸市)」に示された数字データが物語っている。閉じ込めになった方164,000人のうち市民による救助で脱出できた方は27,100人にのぼり、消防・警察による救助者の3倍以上の命が市民の手により救われたとのことである。各所でのバケツリレーやそのための資源の提供が力を発揮した。そして、これらの活動が、地域における人々の日常のつながりがもたらしたものであると指摘され、大切さを強調された。
こうした経験から、講師は望ましい日々の私たちの生活のあり方について、“震災が私たちに教えてくれた”ことという教訓として捉え、「自主防災組織に求められるもの」という形で以下のようにまとめておられる。
・公設消防力の限界 初期の救助・消火・救護活動の大切さ
・人々の助け合いの「こころ」が大切 各地で助け合いの活動が生まれた
・平素の備えの大切さ
・横断的な連携の重要さ
・情報収集や伝達の重要性
・防災リーダー
講師は現役を退かれた後、この経験を風化させず我々の日常生活における備えとして一般市民の意識向上を図るべく「西神戸防災センター」を立ち上げ、市民の啓発活動に従事しておられる。非常に素晴らしいことだ。
私たちもこの講義を聞きっぱなしにせず柏における防災活動の今後に生かさなければならないと思う。それが「かしわ市民大学」受講生の義務であると思う。
(前田)
3月24〜25日、日本防災士会主催のボランティア活動第7陣に参加してきました。
http://www.bousaisikai.jp/genkyo2.htm#higashinihondaishinsai-title
宮城県の一番南に位置する山元町は、いちご栽培が盛んな場所ですが、聞いたところによると、ほぼ全ての農家が津波の被害にあったそうです。
私は防災士会の活動に初めて参加したのですが、第7陣の今回は、これからビニルハウスを建てるため、津波をかぶった土地をシャベルで掘り起こし、小さなガレキを拾いながら、耕すといった作業を実施しました。
(慣れない作業で、筋肉痛になりましたが、作業後の夕食はおいしく感じ、思わずごはんをおかわりしてしまいました…)
今回の参加者は、約20名、おじさまと学生の混成チームで、ある意味、市民大学のメンバー層と似通っている気がしました。
報道ではボランティアの数が減っているとのことでしたが、春休みに入ったせいか(?)、ほかにも、鎌倉市、神奈川県の団体さん(いずれも学生さん中心のようでした)が大型バスで多数駆けつけてきており、頼もしく感じました。
(他の団体さんより、防災士会の方が、おじさまがピシッと統率して、テキパキとした作業をしていたように見えましたが…、思い込みかな…???)
付近の状況ですが、最寄の常磐線の山下駅はすっかり流されていました。
いちご栽培を復興させようにも、常磐線がどこを通るかまだ決まっていないようで、土地が路線になる可能性があって不安だったりと、色々な障害があるようです。
また、一見きれいに片付いている「ように」も見えますが、がれきがあちこちに積み上がっています。
こういったことからも、復興はこれからといった感じがしました。
短い時間の活動でしたが、何かしら感じたものは多かったように思います。
以前、柏市民の会に参加したときもそうでしたが、必ず別れるときに、みんながお互いに握手するんですよね。普段はバラバラな立場でも、同じ目的に向かって共同で作業したせいなのでしょう。
帰宅後は、お土産のいちごや笹かまを堪能しました…笑
(藤野)