1)法人の全体像とミッションをかたちづくる A [2020年11月09日(Mon)]
「一人ひとりのやりたいことを、きちんと叶えることができる組織であるために」
前回「どんな大きな組織も、最初は一人の想いから始まる」と書きましたが、日頃の活動が忙しくなると、そのことを忘れがちです。 代表者の発言がそのまま通るのが当たり前になったり、毎年やっていることだからと、その事業の意味や意義を話し合わずに取り掛かってしまうと、メンバーの中に、もやもやした気持ちが芽生えたり、取り残されたような感情を抱く人も増えてしまいます。 それが積み重なると、活動への参加人数が減ってきたり、特定個人の負担が重くなるなどの悪循環となってしまいがちです。 企業など営利法人では、働くこと、会社のために時間を費やすことは金銭的な報酬が保証されているため、人々は毎日ちゃんと仕事場に向かいます。 しかしNPOの場合は、行政の手の届かないところ、きちんとした見返りが見込めずに企業が手を出さないところで活動する場合も多く、すべてを金銭的な報酬で支払うことができない場合もあります。 また、NPO活動に参加しようとする人は多くの場合、金銭的な報酬だけを求めるのではなく、自分の提供するもので得られる、何かしらの『心の報酬』を求めている人が多いのです。 そう思えば組織の運営者は、メンバーや関わってくれる人が、充分な『心の報酬』を得られるように心を配ることのほうが、事業をうまくこなすことよりも、優先順位が高いのではないか、と考えます。 そうすることでメンバー個々の自発性が高まり、事業進行に積極的に係わっていこうとする人も増えて、組織の中に好循環が生まれます。 そうなれば、運営側の数人が必死で事業や組織を廻していかなければならないような状況には陥らないのではないでしょうか。 |