パラモで映画撮影 [2009年01月28日(Wed)]
2007年、初めてカルロスがタフヌに行き、幾度目かの訪問で、
先住民族と一緒に映画撮影を始める事になりました。 先住民族の間では、火山活動は人間の暮らしと自然環境との相関作用で起こると信じられています。 ウイラ山は、地元では「White beard mountain(白ひげの山)」と呼ばれ、人々を見守る山です。 今回の噴火は「内戦、開発で人間が環境を壊している事」などで、火山が人間に危険信号を送っているサインであるといいます。 ![]() 約1年前に、火山噴火の兆候が始まった頃、人々は「小さな昆虫が高い所へ行き始めた」「おじいさんとおばあさんが噴火を暗示する不思議な夢を見た」などの、体験をしました。 映画製作に参加する事になった先住民族の人々とカルロスは、そんな「本当に人がみた夢」と「先住民族の知恵」をモチーフに、ストーリーを思いつきました。 ![]() 主人公は9才の少年。少年が見た不思議な夢と、ナサ民族の日々の暮らし、避難生活、新天地への移住などが描かれるフィクションです。 これに新アイデアで、実際の土石流の映像や、先住民族がおかれている状況を加えた、ドキュメンタリーを加える事にしました。 30分〜1時間以内ぐらいの作品にしようかと考えていますが、何ぶん、避難生活や日々の様々な事をこなしながら、時間を見つけての撮影なので、なかなかスムーズには進みません。 今回の訪問では、2シーンだけ撮影できました。学校のシーンもあったのですが、学校が始まらないので、撮影出来ませんでした。 その1つが少年の夢。高山・パラモに少年が迷い込み、おじいさんとおばあさんが大地から吹き出る煙(火山からの煙)を、「もう押さえきれない・・・」と言ってるのを見るシーンです。 ![]() キャストは、全てナサ民族のコミュニティから採用。主人公の少年はヘオディエルの9才の長男です。 朝3時に起きて、5時出発。2時間かけてパラモに到着しました。 すごい霧で、視界は殆どゼロ。メディスンマンが霧が晴れるように儀式をしてくれました。 しばらくすると、本当に霧が晴れて来たので、撮影を始めました。 ![]() 小道具で、「火山口から煙が出る」事を象徴するものを作りました。小麦粉にペンキを混ぜて油で揚げたもの。なかなか上手くできました。 撮影中は、ナサ語のエキスパートに方言指導をしてもらい、メイクアップもし、なかなか「映画撮影らしい」雰囲気で、キャスト・スタッフ一同楽しく仕事をしました。 かなりのゆっくりペースですが、今年中には、作品を仕上げたいと考えています。 ![]() |