ポパヤンで初レクチャー [2010年06月19日(Sat)]
6月14日に、再びコロンビアにやってきました。
今回は、6月下旬に4日間、カリという街の大学でドキュメンタリーに関するレクチャーをするのが目的だったんですが・・・ 大学の予算の事情で、急遽、追加のレクチャーを頼まれ、シネミンガのオフィスがあるポパヤン市内の「カウカ大学」で5時間、話をしました。 私が話せる事といえば、日本のテレビや映画からアメリカやコロンビアの市民メディアなど、様々な種類のドキュメンタリーに関わってきたという事なので、「ドキュメンタリーにも色々あって、それぞれに意味や役割があると考える」という、私なりのドキュメンタリー論を話しました。 シネミンガの相棒・カルロスも通訳を手伝ってくれました。 生徒さんは20代を中心に80人ぐらい。聞いてみたら、半分ぐらいがジャーナリスト志望、3分の1ぐらいがインディペンデントのディレクター志望、テレビ局で働きたい人は2人でした。 日本の作品を期待されていたんですが、急だったので、カリの大学の翻訳が間に合わず、翻訳がなくても大丈夫かなと思って、私が日本にいるときに作った「京のわらべうた」という京都の古い町並みの風景の中で、子どもが遊びながら、わらべうたを歌うという作品を見せる事にしました。 コロンビアは四季がないので、春夏秋冬の京都の風景は珍しかったのか、翻訳のサブタイトルがないのに、みんな興味深く見てくれました。(ホッとしました) もう一作品の希望があったので、某テレビ局でニュースの特集用に作った「児童虐待」をテーマにした8分ほどの作品を上映しました。これは日本語しかないので、DVD を時々止めながら、いちいち翻訳・・・という、かったるい方法で見てもらいました。 さすがジャーナリスト志望、どのようなプロセスで作ったのか?という事に興味があるようでした。 ほかに、私がアメリカで所属しているDCTV(ダウンタウン・コミュニティ・テレビジョンセンター)の中から、HBOで放送され、エミー賞を4つ取った「バグダッドER」、障がい者の人たちがチームで制作するプログラム「ConnecTV」、中高生がチームで作る「Pro-TV」を上映し、私が知ってる範囲の事を説明しました。 最後に地元コロンビアのシネミンガの作品2つを上映しました。 1つは、先住民族リーダー「ローバー・グアチェタ」さんの殺人事件に関するドキュメンタリー(詳しい内容はこちら)、 もう1つは、最新作の「マニュエル・キンティン・ラメ」 (詳しい制作の課程は、ブログのコロンビアのプロジェクトのカテゴリーでご覧頂けます。) 生徒さん達も、大学の担当の方もシネミンガの事は知らなかったらしく、特に、地元ポパヤンでも撮影 したキンティン・ラメのビデオには、興味を示してくれました。 コロンビアは、2つの民放局と1つの国営局があります。アメリカで市民権を得ている「パブリックアクセスチャンネル」はなく、先住民族チャンネルを含む市民メディアチャンネルも、私が知る限り、活発ではありません。 コロンビアのジャーナリストの卵たちと、メディアに関して対話が出来た事は私にとっても勉強になりました。 「市民の目線で作る」「巨大な組織・マスメディアとは違った役割のドキュメンタリー」という所に、落としたかったのと、シネミンガの活動を知って欲しかったのですが、なんとかこの日の目的は果たせたかなと思います。ポパヤンはシネミンガの拠点でもあるので、大学生や学校と関係が出来た事も良かったです。 カリでは、1日かけてシネミンガの事を紹介したいと思っています。 |