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悲しい知らせ [2010年02月16日(Tue)]

今日は、ちょっと悲しい話題を書きます。

このブログでも何度か紹介しているヘオディエルの話です。
ヘオディエルは、シネミンガの最初のメンバーであり、これまで一番、私達と深く関わって来ました。
その彼の子ども(1才)が、亡くなりました。実は、去年の夏の話です。
原因は政府軍が飲み水の水源近くで糞尿をするなど、汚れた水を、子どもが飲んだせいです。

ヘオディエル達は、ウイラ山の噴火の兆候があって以来、タフヌという避難所で約2年間、暮らしていました。避難所ですから、インフラも不十分で農地もなく、竹と土で作られた仮設住宅は寒く、生活には不便な場所です。
以前から、子ども達の皮膚病や下痢は、日常的な問題となっていました。(詳しい話はこちらにも書いています)
政府軍の一件は、あまりに子ども達が体調を壊すので、ある時、調べに行ってわかったことだそうです。

私も約1ヶ月程、タフヌに滞在したのでわかりますが、水はフィルターも通してあるので、目に見える程、汚くなかったのと、生水は飲まないので、体調を崩す事はありませんでした。
でも、1才の小さな身体は、バクテリアをやっつけられなかったのでしょう。ヘオディエルは高熱の出た子どもを抱いて、遠くの病院まで行き、あちこち回ったそうなのですが、助ける事は出来ませんでした。

その後、タフヌで暮らしていた人たちは、別な地域の先住民族の土地を借りる事が出来、引っ越しました。
この話題は、今回の旅で、ヘオディエルの家族と会ってからブログに書くかどうか決めようと思っていました。結局、撮影や編集に時間を取られ、子ども達とは再会できずに終わった事もあり、書きませんでした。

今日、書こうと思ったのは、今度は4才になる娘が、同じような症状で体調を崩して入院し、ヘオディエルがしばらく家に戻っていたと聞いたからです。ヘオディエルは、家族と離れてポパヤンのオフィスで単身赴任状態で仕事をしていました。女の子は退院して、命に別状はないそうです。
ここで強調したいのですが、コロンビアの先住民族にとって「病院に行く」という事は、すごく大変な事です。
健康保険のある日本人とは、全く感覚が異なります。そして、彼らにとっては莫大な出費です。

ヘオディエルは、私が言葉に不自由したり、何かに困っている事を察知すると、冗談を言ったり、「通訳してあげて」と気遣ってくれるような、普段は陽気で優しい好青年です。
でも、彼も妻も、家族や親戚の多くを地震や土石流災害で既に無くしており、私には想像もつかない心痛を乗り越えてきました。
そして、先住民族としてコロンビアで生きる事は、経済的にも社会的にも、理不尽な事がつきまといます。

私達は、彼らと一緒にシネミンガという団体を運営し、仕事を作り、経済的にも社会的にも安定して充実した暮らしが出来るようにしたいと思っています。
残念ながら、まだまだ、メンバーの生活を支えるだけの収入には至っていません。
シネミンガの映像制作は「文化や芸術を保存・創作する活動」である以前に、「命・人権・生活」を侵される事なく、「人間として、自活して生きていく事を実現させる活動」です。
今回の知らせを聞いて、悲しい気持ちになりつつも、しっかり頑張らなくちゃ!と、ひきしまった気持ちになりました。
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