谷川俊太郎「急ぐ」に投影する[2010年07月05日(Mon)]
谷川俊太郎「急ぐ」より
こんなに急いでいいのだろうか
田植えする人々の上を
時速200キロで通りすぎ
私には彼らの手が見えない
心を思いやる暇がない
(だから手にも心にも形容詞はつかない)
この速度は速すぎて間が抜けている
苦しみも怒りも不公平も絶望も
すべては流れていく風景
こんなに急いでいいのだろうか
私の体は速達小包
私の心は消印された切手
しかもなお間にあわない
急いでも急いでも間にあわない
今朝(2010.7.5)の毎日新聞「風知草」山田孝男記 の記事を読んで、感銘。
時間があるのに時間もない状態」が精神的にずっーと続いている。誰もが時に感じているのだろうが、常に何かに焦っている自分が、この詩に投影されている。
→写真はイメージ、十和田市現代美術館で撮影