公開講座2013:第7回 (地球っ子教室) [2014年03月02日(Sun)]
*文化庁委託事業 第7回 「日本で暮らす外国人に学ぶ」シリーズWその2 「子どものライフコースを意識した日本語学習の場」 日時 2014年3月2日(日) 13:00~16:00 場所 あーすぷらざ 研修室A 講師 樋口万喜子先生 (横浜国大留学生センター 講師) ![]() 2013年度の公開研修講座もいよいよ最終回を迎えました。 今回は、外国につながる子どもたちの様子をビデオで見ながら、 それぞれが抱えている問題についてケーススタディの手法で学び、考えました。 |
まず、Aくんのケース
両親とともに1年半前に来日しましたが、両親は多忙で、夜は一人。
学校へ行く前の朝だけが親と顔を合わせる時間です。
ボランティア教室に来ても、勉強を途中で投げ出し、うろついたり、じゃれたり。
思わす一人の支援者が「勉強しないなら帰りなさい!」と言ってしまうと、
さっさと帰ろうとしました。
しかし、その地域は繁華街で、そんな中に一人で帰してはいけない、と
必死に引き留めようとする別の支援者とAくんの様子をビデオは捉えます。
家庭訪問してのインタビューでは、一人で時間をつぶしているけれど、
何もすることがなくなると早く寝てしまう、とか。
ポツンと「さみしい」という言葉も出ました。
次にBくんのケース
母親から呼び寄せられて来日したけれど、日本人の継父と言葉がわかりあえず、
コミュニケーションがうまくとれないBくん。
こちらも「日本に来たくなかった子どもたち」です。
そして、Cさんのケース
中国語が話せない息子と日本語が話せない母親。
母親と簡単な意思の疎通はできても、込み入ったことは通じず、
「通じなくて涙がぽろぽろ出てくるから話したくない」と言うCさん。
など、家族とのコミュニケーションの問題が、
大きく子どもたちにのしかかっていることがわかりました。

アイデンティティの問題もあります。
どの子も揺らいでいます。
「親がベトナム人だからといって、子どももベトナム人とは限らない」
という子や
「『なんとなく』日本人になりたい」
という子。
「自分の国に誇りを持ちなさいと言われても、小さい時に来たので
言われてもわからない。君の国はここじゃない、と言われているのと同じ」
と言った子もいるそうです。
この子どもたちには、もう少し時間が必要なのかもしれません。
(前回の第6回で話してくれた若者たちのことを思い出し、そう感じました。)
一方、子どもたちがこれから育っていく日本社会で、
多くの人は在日外国人をどう思っているのでしょうか。
その本音が出てくるテレビ番組の一部も見ましたが、
まだまだほんとの理解に至っていないというのが現状だと思いました。
「ここに参加している皆さんは少数派ですよ。」という講師の言葉に
現実を思い知らされたように思います。
上記の本音トークの中に
「日本でやっていくなら日本に歩み寄る姿勢が必要」
という発言もありましたが、
「受け入れ側にも、それ相応の準備や覚悟も必要、
なんとか地域から多文化共生の社会を作っていきたい」
という講師のお話に共感すると同時に、
子どもたち一人一人の背景や「ライフコース」を意識した関わりができるよう、
心していきたいと思いました。
押野
両親とともに1年半前に来日しましたが、両親は多忙で、夜は一人。
学校へ行く前の朝だけが親と顔を合わせる時間です。
ボランティア教室に来ても、勉強を途中で投げ出し、うろついたり、じゃれたり。
思わす一人の支援者が「勉強しないなら帰りなさい!」と言ってしまうと、
さっさと帰ろうとしました。
しかし、その地域は繁華街で、そんな中に一人で帰してはいけない、と
必死に引き留めようとする別の支援者とAくんの様子をビデオは捉えます。
家庭訪問してのインタビューでは、一人で時間をつぶしているけれど、
何もすることがなくなると早く寝てしまう、とか。
ポツンと「さみしい」という言葉も出ました。
次にBくんのケース
母親から呼び寄せられて来日したけれど、日本人の継父と言葉がわかりあえず、
コミュニケーションがうまくとれないBくん。
こちらも「日本に来たくなかった子どもたち」です。
そして、Cさんのケース
中国語が話せない息子と日本語が話せない母親。
母親と簡単な意思の疎通はできても、込み入ったことは通じず、
「通じなくて涙がぽろぽろ出てくるから話したくない」と言うCさん。
など、家族とのコミュニケーションの問題が、
大きく子どもたちにのしかかっていることがわかりました。

アイデンティティの問題もあります。
どの子も揺らいでいます。
「親がベトナム人だからといって、子どももベトナム人とは限らない」
という子や
「『なんとなく』日本人になりたい」
という子。
「自分の国に誇りを持ちなさいと言われても、小さい時に来たので
言われてもわからない。君の国はここじゃない、と言われているのと同じ」
と言った子もいるそうです。
この子どもたちには、もう少し時間が必要なのかもしれません。
(前回の第6回で話してくれた若者たちのことを思い出し、そう感じました。)
一方、子どもたちがこれから育っていく日本社会で、
多くの人は在日外国人をどう思っているのでしょうか。
その本音が出てくるテレビ番組の一部も見ましたが、
まだまだほんとの理解に至っていないというのが現状だと思いました。
「ここに参加している皆さんは少数派ですよ。」という講師の言葉に
現実を思い知らされたように思います。
上記の本音トークの中に
「日本でやっていくなら日本に歩み寄る姿勢が必要」
という発言もありましたが、
「受け入れ側にも、それ相応の準備や覚悟も必要、
なんとか地域から多文化共生の社会を作っていきたい」
という講師のお話に共感すると同時に、
子どもたち一人一人の背景や「ライフコース」を意識した関わりができるよう、
心していきたいと思いました。
押野

Posted by
認定NPO法人地球学校
at 17:33