朝6時半、奥州市の宿を出発して大船渡市へ向かいます。
今日は大船渡市へ向かうのだが、近くで宿がとれなかったんです。
多くの宿が震災後、営業ができなくなっているとのことです。
そんなわけで朝いきなり奥州市から2時間半の移動です。
大船渡市の作業所に10時にお伺いする約束です。
余裕をもって1時間前に着くようにして向こうで朝食を摂るかあ。
と思ってカーナビをセットして出発しようとすると
「移動時間4時間11分」の表示。
なんでー!
到着時間10時41分?
これじゃあ遅刻だ!
とりあえず出発しよう!
30分後…
車を飛ばして近づいてきたのがなぜか花巻空港
花巻空港は方角全然違うじゃーん!
(この辺はすごい焦っていたので写真は撮ってません。残念!)
あれーなぜ花巻空港?
よくよくナビ画面をみるとUの字を描いて大船渡市に向かう変なルート!
「一般道優先」
「有料道路優先」
「別ルート」
いろんなボタンを試しましたが全部同じルート。
どうして?昨日コンピュータで調べた時にはまっすぐ直進できたじゃない!
しょうがないのでカーナビは無視して道路標示を見ながら運転します。
うーん一番安いレンタカーを利用したからでしょうか…
カーナビは見たこともないメーカー製です。
車の外装はネジが外れてパカパカ外れるのでガムテープで補強しております。
不安だなあ。
今回はいつも同行してくれるジャンボさんがいなくて一人の移動です。
笑うも一人。
泣くも一人。
大船渡市へ続く国道を見つけてずっと走っているのですが
カーナビはそこを道路と認めてくれません。
「リルートを開始します」
移動時間あと5時間になっちゃいました。
大船渡市に入ったのに!
社会福祉法人大洋会 朋友館に近づいてきました。
朋友館は岩手県の福祉施設が集まる「福祉の里」の中にあります。
うわー福祉施設がいっぱいだあ!
私、元福祉施設職員なので福祉施設がいっぱいあると大興奮です。
社会福祉法人大洋会は昭和30年から続くかなりの老舗です。
規模も大きいです。
児童養護施設、4つの作業所、デイセンター、相談支援センターなどなど
岩手県の福祉の大きな部分を担っております。
朋友館に着きました。
10時ギリギリセーフです…
(ここまでもの凄い焦っていたので写真を撮る余裕がありませんでした。申し訳ないです)
朋友館の館長、米田さんに館内を案内していただきました。
米田さんは震災時はこの福祉の里にある「福祉の里センター」におりました。
福祉の里は小高い山の中にあるため、朋友館にいた方は全員無事でした。
でも水産過加工所に実習に行っていた3人の利用者が行方不明になってしまいました。
職員も4人が家を流されてしまいました。
大船渡市といえば500人近くの死者行方不明者がでてしまったところです。
大船渡駅北側の大船渡保育園付近では津波の高さが10.8mもあったそうです。
社会福祉法人大洋会も、地域活動支援センター星雲高田サテライト「まつぼっくり」とグループホーム「第1もみじ」が津波で流されてしまいました。
震災後、朋友館は4月11日に運営を再開いたします。
クリーニングの機械が無事でした。
クリーニングの仕事から再開いたしました。
震災直後に減っていた受注作業も今はもとに戻りつつあり、
商品の注文も県内外から沢山入り活気のある生活を送っているそうです。
「朋友館ではどん菓子をつくってるんです」
どん菓子って何ですか?
米田さんがどん菓子の製造場に案内してくれました。
「こちらでどん菓子をつくっているんです」
「この機械をつかうんです。ガスで温めて、中の圧力を上げます。それでドーン!と」
ああ、ポン菓子ですね!
ああ、懐かしいなあ。
このあたりでは「どん菓子」というんですね!
「これが米のどん菓子です」
「保育園に機械を持って行ってドーン!とやると人気でねえ!」
「震災後は避難所でドーン!ってやってみんなに食べてもらったよ」
「どん菓子は子どもが大好きでしょ。でも食べる時にポロポロこぼれるので、おこしにして食べやすくしたんですよ」
うわあ!美味しそう!
これならポロポロこぼれないで食べやすいですね!
「米のどん菓子の他にアーモンド、クルミ、マカロニなどのどん菓子もありますよ」
「さあて」
「館内も案内しましょう」
「新しく皮製品の製造をはじめたんですよ」
「彼が一人で商品の開発、製造を行っております」
うわーすごいですねえ!
「まだまだ始めたばかりですから、これからの事業ですけど」
いやー仕上がりきれいですね!
高級感あるし!
これはブランドとして売り出しましょうよ!
「そしたら大山さんがつくる、大山ブランドだな」
いいですねえ!
皆さん、「大山ブランド」ミーンナDEカオウヤ!
「そういえば、大船渡港で今うちの法人の作業所が商品の販売をやっているよ」
おお、それは見にいかないと!
早速行ってきます!
ありがとうございました!
車に乗り込み朋友館のある福祉の里を降りてゆきます。
港に向かいます。
港のほうは津波の傷跡が痛々しいですね…
地盤沈下の影響でしょうか。
線路下の道路が水没しております。
大船渡市は−73cmもの地盤沈下があったそうです…
港に着きました。
おお!なんでしょうか!
すごい大きな客船が停泊しております。
この客船を利用するお客様にむけて販売のテント並んでおりました。
あった!菓子売ってた!
大洋会さんのテントです!
おや、どん菓子以外にもいろいろありますねえ。
「こちらは社会福祉法人大洋会、星雲工房という作業所です」
へえーそうなんですか!
味噌パン!味噌クッキー!美味しそうですねえ!
…
…
「…よかったらご試食どうぞ…」
え!いいんですか!
ありがとうございます!
いただきまーす!
え?あれ?美味しい!
すごい味噌が美味しい!
「この味噌パン、味噌クッキーは陸前高田の八木澤商店の味噌をつかっているんです」
八木澤商店ってあの被災して大変だった、無添加の味噌と醤油が有名なあの八木澤商店!?
糸井重里さんが絶賛している!?
そりゃ美味しいわけだ!
八木澤商店webページこの味噌パン!味噌クッキー!是非ともミンナDEカオウヤで販売させてください!
「実はもう、ミンナDEカオウヤには販売を申し込んであるんです」
それは素晴らしい!
全国の皆さん!
岩手県大船渡市でつくられる、あの八木澤商店の味噌でつくられる絶品味噌パン!絶品味噌クッキー!ミンナDEカオウヤ!」