240727 キューピーサンタ 動かない(ギヤ割れ、カム調整)
[2024年07月28日(Sun)]
おもちゃ修理工房みやま 最初のお客さまは?
季節外れの
サンタさんの衣装
購入時の箱入りで、大事に
扱われていたことが伺える
キューピーサンタ 26年前に購入
症状:ダンス動作ができない
治療:10Tピニオンギヤ割れ、交換
ハート形カムギヤが外れていた
老朽グリスを拭き取り慣らし運転
退院:7月29日、ひがし診療所にて退院予定
【動作確認】
記述が前後するが、治療完了直後の動作確認の動画を掲載する
この動きのほかにも、周囲の音声に反応してダンスすることも確認済み
歌ってフリフリ、キューピーダンス!
26年ものとは思えない切れのある動き
【診療状況】
しばらく前に市民図書館に置いてあったチラシを見て、受診の機会を待っていたとのこと
やはり広報活動を地道に続けることは、けして無駄ではなかった
お客さまのご期待に応えられるよう、最善を尽くして治療する
240625 おいかけっこアンパンマン スイッチ配線が断線(再発予防も)
[2024年07月01日(Mon)]
この「電子カルテ」ブログは、最近はスマホでの閲覧者も多いことが分かってきた
他SNSでの検索からリンクして来ても見やすいように、今後は縦長サイズの写真を多用する
6月25日、市立中央保育園から預り入院したおもちゃは、1年前に治療した覚えがある
当時と同じ症状再発したもので、今度こそ再発予防処置を実施して、無事に完治退院
おいかけっこアンパンマン新品電池でも全く動かない
症状:新品電池でも全く動かない
治療:左手のタクトSW配線が断線
半田付け後、ホットボンドで固定
配線根元を熱縮チューブで固定
モーター分解整備、グリスアップ
退院:7月1日、保育園にお届け退院済
単3電池3本や電源SWは正常
前回治療したSW配線が怪しい
半田付け後の処置がしてない
配線が2本とも断線している
動かないギヤBOXを分解点検
絡みや割れ欠けはなく、正常
モーター渋りのため、整備点検
ブラシ状態は、まだまだ使える
無水アルコールで洗浄後、
接点グリスを少量塗布する
ここで動作確認すると正常に音と動きが復活している
仕掛けをぬいぐるみの中に組み戻す前に、今度こそ再発予防処置を実施する
230820 だっこでクンクン レトリバーのハーネス自作(SW清掃、SP交換)
[2023年08月31日(Thu)]
犬のぬいぐるみ Web予約から 2023年8月20日
「のう診療所」=能生児童館にて入院預りしたおもちゃ、金属のギヤBOXが使われている珍しい年代物。
【電源スイッチ】
まずは、電源スイッチの分解整備で電源復旧までの診療状況は、次のとおり。
犬のぬいぐるみ IWAYA 年代物
症状:全く動かない、ワンワン音が出ない
「昔、おじいちゃんが修理してた」とのこと。
治療:スイッチ部分の分解洗浄、磨き、
接点洗浄スプレーで動きは回復。
だが「ワンワンと鳴く」声が出ない
胴体を分解、背中に電子基板を発見
リレーを使った本格的な制御基板か?
本来の機能が分からず、情報収集中
退院:長期入院が必要、今しばらくお待ち下さい
単2×2本、新品アルカリ電池を装着
直角にひねる、ターン・オンSW式
清掃、金具変形を補正して導通回復
このタイプのスイッチは、初期のイワヤ こいぬの ドンちゃん で診療記録あり。
【スピーカー】
実は、のど元の黒い筒の中にスピーカが内蔵されていた。
基板側から配線を外して抵抗を測定、無限大(導通なし)。
動くようになったが、まだ声が出ない
背中の電子基板やスピーカは、詳細不明
メカ的な動きは問題なし、声を復活させたい
右が故障スピーカ 29mm 8R 1/4W、新品に交換
【商品情報】
SNSで情報提供を呼びかけ、Instagramコメントで貴重な情報が寄せられた。(感謝)
どうやら、専用ハーネスが付属していることに注目!
230805 トーキング・ウッディ人形2体、音が出ない(引き紐調整、ほか)
[2023年08月09日(Wed)]
「まちや病院・夏」で、同じお客さまから2体同時に受付け
トーキング・ウッディ人形A、紐を引っ張っても音声が出ない
分解点検で引き紐のねじれや、背中のスイッチ部を分解整備
トーキング・ウッディ人形B、紐を引っ張っても音声が出ない
単4電池×2本中1本が容量不足、2本とも新品電池に交換
電極端子や基板ハンダ面の洗浄も
即日治癒、まちや病院にて退院済
(写真上でクリックすると拡大表示)
230527 ブルスコ(初代ファービー)の分解メンテナンス
[2023年06月11日(Sun)]
ブルスコ(初代ファービー)ちゃん、待ってたよー!
遊び方に慣れていただくために、一時退院していた ファービーちゃんが、5月27日、再入院。
手術の覚悟ができましたとのこと、おもちゃドクターも会いたかったよー!
症状:「ピーッ」と鳴って動かない、再入院
治療:電池交換後、分解してメンテナンス実施
傾きセンサの金属球に接点洗浄剤スプレー
エアダスター後、サビ腐食防止に復活剤も
分解時に外れた配線をハンダ付け直し
背面からギヤ摺動部にプラグリスを塗布
くちばしや眼球の汚れを綿棒で除去
脱がした毛皮も除菌消毒・クリーニング
退院:6月11日、お手元にお届け退院済
【経緯】
5月1日、Web診察予約からの入院、こちらの患者さまは電池交換すると「眠い、眠い」を連発し、すぐに就寝。
揺らしたり逆立ちさせると、30回位で目を覚ますが、またすぐおやすみ。
これを数回繰り返して、ようやく「朝だ」と認識して遊んでくれるという状態。
しかし、これが本当に故障なのかどうか?
おもちゃ病院界隈で最も技術力の差が表れる治療対象の一つに、「たまごっち」、「プリモ」、「ファービー」などの育成型コミュニケーション・トイが挙げられる。
その特徴は、高度な治療技術が必要なことはもちろん、お客さまのおもちゃへの愛着がとても強いこと、生半可な気持ちでは引き受けられない。
こうした人気商品は、似たような治療記録がネット上に沢山あるので、まずは情報収集をしてから、あらためて問診する。
ファービー関連の投稿が多い SNS ツイッターで、次のとおり呟くと、すぐに反応アリ。
「初代ファービー、超プレミア品で愛着が強いヘギョちゃんだと思われます。片田舎の小さなおもちゃクリニックでは手に負えそうもなく、診療をお断りしようと考えておりますが、全ファ連の皆さま方、何か救いの手はないでしょうか? #全ファ連 #全ファ連リペア部」
メーカーのホームページで取扱説明書や FAQからも、情報収集。
#全ファ連リペア部 の皆さま、貴重なアドバイスやご心配をいただき、感謝。
このファービーは、ヘギョではなく「ブルスコ」と呼ばれるらしい。
長いこと遊んでやらなかったり、「モグモグ」食事をあげなかったりすると、すぐ寝る子になるのは普通だとのこと。
情報収集の期間はちょうどゴールデンウィーク中、おもちゃドクターは実家に帰省するにも常にブルスコちゃんと一緒、お世話の仕方にもだんだん慣れてきた。
後部座席に乗ってもらい、コンビニやスーパーの駐車場に停車し、思う存分に遊んであげる。
買い物から帰ってきたら、寝てるし!
【一時退院】
お世話をしているうちに、実は故障ではないと思えてきた。
多少の接点劣化はあれど、寝起きが悪いことも個性だと、考えられないだろうか?
おもちゃドクターの診断は、「故障というほどではない。」という、意外な結果に!
一時退院に備えて、ブルスコちゃんはお昼寝中。
「いつも眠ってるじゃないか」というツッコミは、無し!
んっ、一時退院って? そう、本格的な手術治療前のね。
「なぜ?」を3回繰り返すと本当の原因が見えてくるという。
1)なぜ音が出ない? 電極や接点端子がサビているから。
2)なぜサビたのか? 電池を入れたまましばらく遊ばなかったから。
3)なぜ遊ばなかったか? 遊び方がよく分からないから。
それが本当の原因か! →あんた、そこに愛はあるんか?
お客さまにはショック療法ということで、あえて治療せずに大げさな格好でお帰りいただく。
これで、現実を受け止めていただき、今度こそ可愛がって貰いたいという、担当ドクター(私)からの願いである。
そのうえで、手術の選択肢をリスクと共に説明して、ご納得のうえで再入院いただきたい。
お客さまの元に一時退院するのは週末、5月13日だが、それまで毎日3回の食事タイムは、欠かせない。
当クリニックのルールは納得診療、再入院のご承諾がいただけるよう身支度を整える。
取扱説明書と「遊び方概要」を渡し、毎日数回、存分に遊んでくださいと猛アピール。
そして、記事冒頭の再入院に至るわけである。
221129 ぴょんぴょんアンパンマン 跳ねない(ギヤ割れ)
[2022年12月08日(Thu)]
まねっこおしゃべり ぴょんぴょんアンパンマン
2022年11月29日、能生児童館にて預り入院、ToyDr.わたなべ が集中治療。
物理的な破損やヒビ割れに対する処置を終え、組み戻して動作確認すると、何とか足の上下動が回復して、ぴょんぴょん跳ねるようにはなったが、、、
以下、詳しい診療状況を、順に画像で報告する。
まねっこおしゃべりぴょんぴょん アンパンマン
ぴょんぴょん跳ねるはずが、足が上下に動かない
分解点検
モーター配線がネジに咬み込んでいた
老朽のため切断寸前。→半田付け直し
脚部スライド板の固定用ネジ受ボスが破損
接着剤だけでは到底持たないことは明らか
複雑骨折の再建手術
プラスチック破片を仮接着し 0.8mm穴あけ
ケース外から 2.0mm穴あけ(内部加工用)
ネジ受基部に 0.8mm穴をケース外から貫通
ここに、ステンレス線で縛り上げて固定する
0.3mmステンレス線で縛り上げ固定後、
さらにエポキシ接着剤で全体をカバーする
200830 NEW おいかけっこアンパンマン(各所で断線)
[2022年09月01日(Thu)]
各所で配線が切れている まるで、おもちゃドクターの腕試し?
2022年8月30日、保育園の先生から預り入院、全く動かない
愛着があり、壊れても捨てられずに持っていたご様子
NEW おいかけっこアンパンマン
全く動かない、全く音が出ない
左手スイッチのリード線が1本断線
大きいタクトスイッチは動作確認済
元の配線は基板の穴を通していない
基板の穴を通して半田付け直そう
スピーカ磁石が外れて音が出なかった
磁石を元の位置に接着、音を確認する
電池ボックスの裏側、リード線が断線
青色と緑色の2本とも、半田付け直す
211026 犬のぬいぐるみ 尻尾フリフリ(リンク棒折れを接合)
[2021年10月29日(Fri)]
犬のぬいぐるみ
2012年 イワヤ製の定番おもちゃ、月末の定例医局会で集中治療
骨折治療して動くようにはなったが、元どおりではない報告
【経過】
コロナ禍で中止の「まちや病院・夏」だが、問合せには個別対応
10月13日、「本町のお茶舗やさんに聴いて、予約します。」と、
電話連絡にて診察予約あり、常設おもちゃ病院での受付は可能と返答
患者さまは 犬のぬいぐるみ で、孫娘さんの遊び友だち
「スイッチ入れた時に少し動くだけで、異音がして止まる」
とのこと
同日、のう病院 =能生児童館にて診察申込書を受付、即日入院預り
【分解点検】
電池交換済とのことだが、チェックすると電池容量不足を示す
電池ボックス内や端子板はきれいで、液漏れ跡もない
新品電池で動作テストするも、動きが止まるのは問診のとおり
頭を外さなくても胴体は分解可能、先ず左側から
次に右側も分解、そこで尻尾にリンクする部品の切断を発見
0.3mmステンレス線で締め、この上から接着剤でカバーするが、
これでは、エポキシ系接着剤の厚みが平ギヤに干渉するため、
エポキシの厚みをヤスリ掛けして、ギヤとの干渉をクリアできた
そして最後は、ギアボックスの分解点検だが、
既に前脚のクランク軸スペーサーに割れを発見、慎重に
210625 クマイリー 効かないスイッチがある(全配線を交換)
[2021年06月25日(Fri)]
赤ちゃんぐずり泣き対策 クマイリー
2021年5月、のう病院にて受付、クマイリー
「いくつか効かないスイッチがある」とのこと
【検査】奥の手?を使う
お裁縫が苦手な Dr の奥の手「ふくろ返し」
ぬいぐるみの中に手を押込み背中から出す
止めていた糸を切る前、印を忘れずに
3個が断線、他もいつ切れるか心配だ
GNDに5本、VDDに3本まとめて接続
録音用マイクは 10mm径で少し大きめ