260613 トイラジコン2台目も治療完了(接着剤と補強を併用)[2026年07月03日(Fri)]
おもちゃ修理工房みやま 6月13日
偶然か、入院預り2点とも トイラジコンだったが、これにて2台とも治療完了
(もう1台の治療報告は、下記リンクをご参照あれ)
【初診状況】
症状:まず送信機も接触不良あり
後輪軸ごと外れ激しく破損
治療:送信機のタクトSW隙間から
接点復活剤で安定動作を確保
車体の後輪軸部の取付けは
修理不能も含めて後日連絡する
退院:もう少々、お待ちください
当クリニックでは、一見して 修理困難かも と思われるおもちゃも、一旦、預り入院で受付け
廃棄寸前の患者さまを目の前にすれば当然だが、丁寧な問診とスクリーニング検査の結果でトリアージ(診療手順の方向性)を判断
【入院治療】
・送信機の整備から
見た目にも、車体側の後輪サスペンション機構と駆動輪が激しく破損しているが、おもちゃ修理においては、先ずは送信側(コントローラー)から点検整備を行うのが、この界隈のセオリー
ということで送信機から整備、基板上のタクトSWに接点洗浄スプレーで動作安定
・車体側も治療開始
@ 車体側も分解点検で破損状況を確認、根本原因 と治療方針を検討
A 接着剤だけでは強度不足は明らか、素材や状況に応じた 適切な補強手段 を併用
【退院までの道のり】
ほぼ元どおりの機能を回復して、これで治療完了
次回の医局会にて他のドクターから動作確認して貰う予定で、検査待ち
お客さまに、「あっぱれ!」 と申し上げたい
破損した欠片やスプリングを全部しっかり保管され、内蔵電池を全て取外した状態で来院されたことが、手術成功・完治につながったものと思われる
【参考情報】 おもちゃドクター向け
ABS同士の接着は、専用の接着剤(溶剤)を使うのが最も強力かつきれいに仕上がることは当然だが、ちょっとしたコツ があるようだ
@ ABS同士の強力な接着(溶着)
有名な商品では タミヤセメント(ABS用)、セメダイン ABS用など
おもちゃドクター愛用の アクリルサンデー、プラリペアなども仲間
1) 接着面の汚れや油分をしっかり拭き取ること
2) 両方の接着面に接着剤を薄く塗り、数秒〜十数秒ほど放置して 少し表面を溶かす ← ココが重要!
3) ズレないようにギュッと圧着し、そのまま完全硬化まで(約1日)動かさないように固定
私は、プラリペア(や 100均化粧品)を(肉盛りでなく)接着剤用途で使うときは、アクリル粉末を混ぜる前に、プラリペアの リキッド(液体)だけを 筆やニードルで ABSの断面に直接塗って、数秒〜数十秒待つ
ABSの表面がヌルヌルと溶け出してきた頃合い(=母材が溶けてウェルカムな状態=化学結合しやすい状態)になったところへ、通常通り粉末を混ぜた球状のプラリペアを乗せて圧着すると、これで完全に一体化する
※なお、接着面を溶かして一体化させる「溶着」になることで強度がしっかり出るので、金属や他素材とABSを接着する場合は使えない(瞬間接着剤やエポキシ系接着剤を使用すべき)
A その他の接着剤(瞬間・多用途)、他の素材との接着
例えば、アロンアルファ / 瞬間接着剤は、手軽で素早く接着できるが、衝撃にはやや弱い
スーパーX / ウルトラ多用途SUは、ゴムのような弾性(柔軟性)を残して接着でき、少しの隙間埋めにも使える
B 注意点
一般的なプラモデル用接着剤(スチロール樹脂用)では ABSは接着できないので、必ず「ABS用」と明記されたものを使用する
また、溶剤を使用する場合は 換気を良くして作業 しよう

