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おもちゃ修理「電子カルテ」

このブログは、個人的な おもちゃ修理の備忘録
見習い研修医から現在までの歩みを、電子データで公開
失敗しながらも前を向こうとしている 等身大の おもちゃドクター 体験談


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ゆりかご日記
AVR電子オルゴール 事始め(スターターセットのファームを刷新) [2024年09月12日(Thu)]

AVR電子オルゴール 事始め
(スターターセットのファームを刷新



【AVR事始め】

名張市つつじが丘おもちゃ病院 さんの「STM32スタートアップセット頒布」の告知に刺激を受け、私も、できる範囲でマイコン換装スターターセットの頒布を始めたところ、これまでに数件の頒布依頼があった

まずはtiny404と変換基板とSPIメモリ(サンプル音声データ入)
そしてtiny1614と変換基板
そして初心者向きに8ピンAVR2個セット
の3種類のセット(いずれもアンプ用Hブリッジ付き)

AVRマイコンを使う際には、必ずヒューズビット(チップの動作条件設定)を確認する必要があるが、当方の頒布セットでは内部発振器の動作周波数を16MHzに設定するヒューズビットを書込み済

いつも、つつじが丘おもちゃ病院 さんの 公開済みファームウェア を使わせていただいているが、そのファームウェアは日々進化している(最新版は下記URLをご参照あれ)

当方の共有フォルダで公開している、AVR電子オルゴール 事始め用のサンプル・プロジェクトも、ご本家オリジナルの最新版に対応すべく回路図とファームウェアを全面的に見直し刷新したので、あらためて告知する
なお、スターター頒布セットの内訳個数や 頒布条件に変更はなく、引き続き頒布依頼を受付けている


【回路図を刷新】
(追記:10月1日〜郵便料改訂に伴い値上げしました)

チップ部品は使わずに、ユニバーサル基板で試作できる
ブレッドボードで試作可能だが、いつまでも半田付けが苦手だと言ってはいられまい
いざというときに自信を持って治療ができるよう、平時から経験を重ねておきたい

頒布セットA:(電子オルゴール/音声再生)¥322.-
まずは、書き込み済の電子オルゴール回路で動作確認
orgel_SW_404_test.png

電源は単3電池2本、極性に注意すること
ここまでなら、SPIメモリの配線は不要
orgel_SW_404_test_pb.png

プログラムを書き換え、頒布セットAの完成
SPIにはサンプル音声データを書き込み済
orgel_SW_404_starter.png

SPIの向き注意、回路図と上下反転している
音声データを書き換えれば、他にも応用できる
orgel_SW_404_starter_pb.png

頒布セットB:(電子オルゴール+音声再生)¥322.-
オルゴール演奏をメインとするプロジェクトである
orgel_SW_1614_test.png

デモ演奏曲を書込み済み、動作確認後に選曲し直す
音声再生とコンカレント動作もカスタマイズできる
orgel_SW_1614_test_pb.png

頒布セットC:(電子オルゴール/音声再生)¥322.-
初心者向きに8ピンAVR2種類セット、変換基板なし
orgel_SW_402_test.png

402_test 回路で「メリーさんの羊」など 短い曲演奏を確認
当方のAVRセットでは、HVP(高電圧書込)は必要ない
orgel_SW_402_test_pb.png

202_starter 回路は402と共通、SPI音声再生を確認
3線SPIは、部品点数が少なく、コストと手間が省ける
orgel_SW_202_starter.png

SPIメモリには「トイストーリー」の音源を書込み済
チップ部品は使わずに、ユニバーサル基板で試作できる
orgel_SW_202_starter_pb.png

オプション品:(USBーシリアル変換器)¥150.-
(上記に加えて送る場合に限る)
240601_FT232RL.JPG

AVRDUDEのマニュアル によれば、
書き込みアダプタは、簡単に自作可能
AVR_UPDI_adapter.png


【開発環境】

AVR開発環境は、私は Microchip Studio ver7.0 を使っている

書き込みソフトは、新型tinyAVRのUPDI対応のものが必要
つつじが丘おもちゃ病院さんの、下記ブログのダウンロードに同梱されている
\AVRdude\ISP\bin\avrdude.exe というGUIソフトが使い易くて便利
なお、当方のAVRスターターセットでは、HVP(高電圧書込み)は必要ない

【スターターセットの内訳】

頒布セットA: AVRスターターセットA(電子オルゴール/音声再生)
(セット内訳)  ¥322.-(送料込み)
 ATTINY404-SSN 1個、 DIP変換基板14ピン用 1枚
 HブリッジMX612E 1個、 DIP変換基板8ピン用 1枚
 メモリW25Q32FV 1個 (ICの足が折れやすいので注意)

頒布セットB: AVRスターターセットB(電子オルゴール+音声再生)
(セット内訳)  ¥322.-(送料込み)
 ATTINY1614-SSN 1個、 DIP変換基板14ピン 1枚
 HブリッジMX612E 1個、 DIP変換基板8ピン 1枚
 (内部メモリを使うため、外付けメモリ無し)

頒布セットC: AVRスターターセットC(電子オルゴール/音声再生)
(セット内訳)  ¥322.-(送料込み)
 ATTINY202-SSN 1個、 ATTINY402-SSN 1個
 HブリッジMX612E 1個、 (変換基板は付属しない)
 メモリW25Q32FV 1個 (ICの足が折れやすいので注意)

オプション品: USB-シリアル変換器(上記に加えて送る場合に限る)
(セット内訳)  ¥150.-
 FT232RL(非純正品) 1個
 (ピンヘッダは一旦抜いた状態で送るので、到着後に半田付け必要)

240601_setA_B (1).JPG

240601_setC_Opt.JPG


【問い合せ、留意事項】

数量は、1人1セットで、当面20セットを予定している
先着順で、無くなったら、この代金額での頒布はお終い

頒布依頼やお問い合わせは、メールでのみ受け付ける
(下記アドレスの@を半角に置き換えること)
記事へのコメント投稿で頒布依頼を書いても対応しない
toydr.watanabe[@アットマーク]outlook.com

頒布セットは郵便書簡で送り、封筒自体が納品書を兼ねて支払案内を記載している
頒布代金は、到着後2週間以内に、ゆうちょ銀行の指定口座あてにお振込みいただきたい
振込手数料は頒布先負担とする
若しくは、頒布代金合計分の切手を、当方あてに郵送して貰っても良い

頒布の条件は、当ブログの善良な読者であること。その判定は当方の主観による

スターターセットはジャンク品扱いであり、その機能や性能等を保証しない
返品や返金等にも応じないことを、ご承知あれ

郵送に関わるトラブルについては当方は一切の責任を負わない

【ダウンロード】

今回のAVR電子オルゴール 事始めでも、段階的に試作して動作確認できるようにサンプル・プロジェクトを用意、当方の共有フォルダで公開する

このマイコンも廉価な シリアル変換器 で手軽に書き込みができる
さらに、ご希望に応じて サンプルプロジェクト を書き込んで頒布することも可能だ
なお、これらのプロジェクトは開発者の意向により、複製・改変・再配布は自由である

チップへ書き込む hexファイル は、プロジェクト別のReleaseフォルダ内にある

 \orgel_SW_404_test\Release\orgel_SW_404_test.hex(書込み済み)
 \orgel_SW_404_starter\Release\orgel_SW_404_starter.hex
 \orgel_SW_1614_test\Release\orgel_SW_1614_test.hex(書込み済み)
 \orgel_SW_402_test\Release\orgel_SW_402_test.hex(書込み済み)
 \orgel_SW_402_starter\Release\orgel_SW_402_starter.hex
 \orgel_SW_202_starter\Release\orgel_SW_202_starter.hex(書込み済み)

AVRの書き込みで懸念されるのは「ヒューズビットの書き込み」関連だと思われるので
今回は、あらかじめ電子オルゴール用のヒューズビットを書き込んで頒布する

チップへ書き込むヒューズビットファイル(AVRDUDEを使う場合)は、
 共通して、プロジェクトフォルダ内のReleaseフォルダ内にある

  \Release\AVRDUDEfuseUPDI.hex(書込み済み)

サンプルの回路図や部品配置図は、ドキュメントフォルダにある

今回はスターターセットなので、音声データはDIPタイプの SPIメモリ に書き込み済
メモリに書き込み済のSPI音声データの hexファイル は、

 \voice_ToyStory\W25Q32_8ksps.hex


【オマケ】

発展的な応用事例として、前回に紹介した「踊る獅子舞」プロジェクト も、オリジナル版では3線SPIのスピード化に対応して最新版に進化更新されている。

そこで今回は「ゴジラの鳴き声」プロジェクト の記事を紹介する

プロジェクトは、ご本家オリジナルのダウンロードファイルに、同梱されている

ゴジラのデモは orgel1_2_Godzilla


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コメント
記事で紹介したGUI操作画面を使えば、AVRスターター頒布セットの書込みには間に合いますので、とりあえず試作ツールとして、便利に使わせていただきます。
ありがとうございます。
ただし、今後ともAVRをメインに使い続けるなら、AvrdudeのGUIは、世に認知されているものを使った方が宜しいとのことです。
福岡のおもちゃドクター、トドお父さんのブログで、紹介されているAVRDUDESSが使えそうでしたので、「エイヤッ」とやってみたら上手くいきました。
ATTINY202/402のFUSEビットをAVRDUDESSを使って書く方法
https://ameblo.jp/powpher/entry-12863906067.html
(コメント欄にもご注目)
Posted by:ToyDr.わたなべ  at 2024年09月23日(Mon) 18:00
Dr.岸井さま、コメントありがとうございます。
SPIの書き込み器は、私はCH341Aを使っています。
https://ja.aliexpress.com/item/33054397283.html
必要に応じて、SOP8-DIP8のICソケットも重宝しています。
昔は自作派の先輩ドクターも多かったのですが、自分の技術力では無理と判断。
なので残念ながら深堀もできません。
Posted by:ToyDr.わたなべ  at 2024年09月10日(Tue) 17:00
突然失礼いたします。

滋賀県長浜市のおもちゃ病院に月一で勤務している69歳のドクターです。当病院では、殆ど機械的・物理的な修理が多く、電子回路におけるCOB故障に対しては修理不能で返品している状態です。貴病院並びにつつじヶ丘おもちゃ病院のドクターのブログ等に感銘を受け、マイコン換装をやってみようと始めましたが、思ったように出来ませんでした。ハード側の作成については、何とか作成できる環境を構築しているので良いのですが、ソフト面で分からないことが多く、四苦八苦している状態です。現在CH32Vによる電子オルゴール演奏までは出来ましたが、フラッシュメモリへの音声録音の部分で止まっています。皆様の努力のお陰で、壊れたおもちゃを蘇らせるという、素晴らしい修理方法を生み出しておられるものと思います。過去のブログや投稿内容を紐解けばわかるのでしょうが、中々辿り着けません。また当おもちゃ病院の先輩方に相談してもそこの域に達しておられる方は皆無です。多分フラッシュメモリにはArduinoIDE等を使って単体に書き込みをしておられるのかと思いますが、そこの部分の深堀をしていただけると大変ありがたいです。MounRiverStudioでCH32Vマイコンへの書き込みだけではオルゴールしか演奏されません。何とかmp4等の音声をしゃべらせたいので、ご教授をよろしくお願いいたします。
Posted by:岸井清和  at 2024年09月10日(Tue) 16:47