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ゆりかご日記
240415 ウルトラマン目覚まし時計、電池液漏れ修理 [2024年04月15日(Mon)]

シュワッチ! 懐かしい声が復活

おもちゃドクター技術研修のため、フリマで "訳アリ" のウルトラマンの目覚まし時計を格安で入手して、分解点検してみた診療報告
先ずは、治療完了後の雄姿をご覧あれ

セイコークロック社のウルトラマン目覚まし時計
型番JF336から、マイナーチェンジ前のもの
240415_Alarm (0).JPG

症状:時計、目覚ましの機能不能
   電池液漏れが配線伝いに浸潤
   音声基板や時計まで被害拡大
治療:腐食した基板パターンをバイパス配線
   リード線は新品に交換する
   時計ムーブメントを代替品に交換
退院:4月15日、医局会で治療報告
   ドクター全員で情報共有する

【分解点検】

"訳アリ" の理由は、時計、目覚ましの機能不能だとのこと

フェノール片面基板の下に時計ムーブメントがある
カラータイマーのウラの白い部品は、LED付きSW
240415_Alarm (1).JPG

足元の電池BOXは見るも無残にボロボロ
電池液漏れが配線にも浸潤しているだろう
240415_Alarm (2).JPG

音声基板をひっくり返して、目視点検する
電池液漏れ被害は基板パターンにまで及ぶ
240415_Alarm (7).JPG

時計ムーブメントの方も無事では済まない
配線を伝って基板パターンが侵されていた
240415_Alarm (11).JPG

電池BOXのマイナス端子は全滅!
裏の方まで回り込んで結晶している
240415_Alarm (14).JPG

これは、おもちゃドクターの臨床研究としては、まさに典型的な症状である
研修教材となったウルトラマンに感謝をもって、誠心誠意の治療を尽くしたい


【納得診療とは】 (インフォームド・コンセント)

すぐに分解したくなる気持ちを抑えて、本来の動作仕様や他病院での治療記録などで情報収集しておくことが、大事なステップ
本当のお客様からの依頼だったら、ここで診療方針やリスクを説明して同意をいただくべきところ
当クリニックのモットーは、 "納得診療" であることを肝に銘じておきたい
特に大手術になりそうな予感がするときは、セカンドオピニオンも採用する覚悟が必要


【治療状況】

面白いなと思ったのは、目覚まし音声と同時に胸のカラータイマーが光ることが特徴的
最初は青の点灯、続いて赤の点滅で「ピコン、ピコン」、昭和世代には懐かしい
そして、カラータイマーを押すと音声がSTOP、「よく起きたね。シュワッチ!」とウルトラマンの声で褒めてくれるとのこと
子どもたちは、大喜びするに違いない


電池BOXと電極版をアルコール洗浄、研磨清掃
電極版はステンレス素材だったので、ピカピカに
240415_Alarm (15).JPG

芯線まで真っ黒な電源配線は、新品に張り替え
基板の腐食したパターンは、バイパス配線する
240415_Alarm (16).JPG

100均の目覚まし時計から、ムーブメントを移植する
移植ムーブメントの電源極性が逆なので、接続に注意
240415_Alarm (17).JPG

一見、修理不能と思われる症状でも、諦めず何とかしたいと、おもちゃドクターは日頃から情報収集や技術向上に努めている
そして「創意工夫」を凝らして、何とか元どおりに(又は少しでも遊べる状態に)したいと苦労するわけだが、実はこれが楽しい からこそ長続きする(ハマる)ことになる
メーカー修理では絶対にあり得ない手法で、しかも、安価に安全にリサイクルすることができる「おもちゃ病院」という存在を知ってほしい

【治療総括】

幸いにも、元の音声基板が息を吹き返したので、オリジナルのキャラクター音声が復活
動作仕様も元どおりに機能することを確認したが、残念ながら完治とは言えない
ムーブメントを交換したためギヤ構造の違いから、じこく合わせ・アラーム合わせ のツマミが背面に出ていない

ためしならし 状態で、おもちゃ病院の受付でマスコット
要分解のため、時刻設定はおもちゃドクターにお任せあれ
240421_ultra_ALARM.JPG

時計ムーブメントの交換は、以前の技術研修でも経験あり
その際の回路解析が、今回の治療でも大変役立った

アラーム接点を引き出すため、時計基板を要改造
COBと切離し、接点信号は音声基板に正論理入力
221011_DisnyClock_24.png


こうしたバーチャル診療を積み重ねることで、確実に治療技術が向上することを実感

さらに今後のため、オリジナル音源を録音しておこう
これで、COB故障しても「マイコン換装」で、何とか復元する道が開ける

(参照)ウルトラマン目覚し時計の録音音源は、コチラ
※クリックで再生(音量注意)、右クリックでダウンロード

今回は技術研修のため、簡単な音声再生プロジェクトを利用して、実際に代替基板を試作
代替基板の試作報告は、次の記事 をご参照あれ)


【余談】

なお余談ではあるが、当クリニックでは修理済おもちゃをイベントなどで売ることはしない
お世話になっている保育園や施設などに寄贈することはあるが、それは必ず相手先が特定できて、迅速なアフターフォローが可能だからである
もしも、フリマ出品者が売却後のおもちゃが転売されていることを知れば、(格安になっていても)気分が良くないし、万一、悪意を持った良からぬウワサが広まれば、おもちゃ病院界隈にとっても好ましいことではないはず

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