
Snapで新型AVRにHVPが成功した(IR送信機を改造)[
2024年02月10日(Sat)]
Snapで 新型AVRに HVPが成功した
当初投稿のタイトル 「240209_赤外線リモコンカーの送信機改造(AVRマイコン換装)」 を変更し、記事のカテゴリも変更する。
タイトル変更の理由は、世の中にはHVPで悩んでいる人が思った以上に多くて、今回タイトルのとおり、「Snapで新型AVRにHVPが成功した」事例は、それほどエポック・メイキングなニュースだと知ったからだ。(先輩ドクターからのアドバイスに感謝)
特に、記事後半の 技術情報 に 目からウロコのトリビア情報 が掲載されているので、お見逃し無く!
(なお、記事内容は変更なし)
赤外線リモコンカー、車体なし 越年課題が解決
今回の患者さまも、おもちゃドクター手持ちの赤外線リモコンカー、ボタン電池入れっ放し(反省しきり)で、ギリ液漏れ寸前。
リモコンの相手が紛失してしまったコントローラに、新しい命を吹き込むマイコン換装の治療状況を、失敗談も含めて写真多め(くどい説明は少なめ)で報告する。
REALDRIVEnano赤外線リモコンカー
おもちゃDrの技術研修材料として入手
1セットは送信機と車体が揃っている
残るは送信機だけ、今回の技術研修用
機能別に片面基板が分かれている
Q-STEERより、改造スペースあり
REALDRIVE nano(2024 診療記録より)
症状:赤外線リモコンの車体が紛失
残された送信機を有効活用したい
治療:AVRマイコン換装で4ch対応の
互換送信機に変身させる大手術
退院:2月9日、輪廻転生して動作確認済
当クリニックの広報活動に活用する
【改造START】
4chに対応できるようにしたい
改造の主役はATtiny202
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SnapからUPDIでtiny202に
(インターフェース基板で)HVPに成功
既存基板のウラにtiny202を貼付け
DIP変換基板上の部品コストは約85円
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ところが設計ミスで、最初の改造は大失敗!
SW入力には、プルダウン抵抗が必要だった
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【方針変更】
片面基板で簡単な回路だと甘く見ていたのが、失敗の原因。
焦って手直しの途中でも、セラコンを過熱ショートする医療事故が発生し、さすがに失敗の連続で治療中断して頭を冷やす羽目に。
やはり私には、確認のためのルーチンで回路図の作成が必要と痛感した。
Q-STEER と違いch設定は固定されている
その分、配線はシンプル、SW入力は正論理

なるほどch切替えSWなし、その他は
Q-STEER と同じ回路構成であると確認

抵抗増設よりSW論理を反転させる方が簡単
SW5個の共通端子をローサイドに接続する

【改造再開】
改造基板上のマイコンは、回路に組上げた状態でファームウェアを書き直すことができる。
いつもながら、ファーム開発者の素晴らしい設計に、感謝する。
さて改造再開では慎重に確認しつつ配線変更
SW共通端子をGND側に配線(黒色)接続
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過熱ショートさせたセラコンは交換するも
マイコンの電源端子間にもセラコンは必須

基板上のマイコンにUPDI配線を接続、
Snapから(非公認の手法で)HVP成功
【輪廻転生】
これ1台で4ch対応の万能送信機が完成。
完成した万能送信機を使って、Dchの実機GT−R車体を操縦できた。
記事の後半では、Snapから 新型AVRに HVPが成功した 手順を詳しく紹介する。
【技術情報】 おもちゃドクター向け
廉価なワンチップマイコンでの換装は、COB故障おもちゃ修理に好適だと思う。
マイコン換装のハードルになっている要因をあげると、(私自身の経験では)半田付けの未熟さが一番のネック(練習で克服するしかない)、PICでは開発環境の高価格化、AVRではHVPの壁に降参、R8Cでは安価なデバイスが在庫限り。
最新のWCHではSOP8で何とか試作成功に至ったが、いずれSOP16でもファーム開発に期待したい。
ご参考までに、SnapからUPDIでtiny202に(インターフェース基板で)HVPに成功した手順を紹介する。(※ただしメーカー非公認の方法であり自己責任で)
AVRは電源条件が幅広く、待機時の省電力性能は特筆に値すると思う。
今後はおもちゃ病院界隈にも、AVRマイコン換装がもっと普及することを願う。
tiny0系データシートの記述で、HVP開始手順の一部を抜粋(クリックで拡大)
日本語ではあるが、プログラミング初心者には理解困難。
今回も、ご指導いただいた先輩ドクターに解説していただいた。
・HVパルスでピン機能がUPDIに切り替わる。
GPIO駆動はピンに出なくなる、
・HVプログラミングの前にPOR発行を推奨する。
「推奨」であって「必須」ではない、
以上のことから、CPUがRUN中にいきなり12Vを印加し
ても、GPIO駆動と衝突するのは12Vの立ち上がりの瞬間
だけで、その後は衝突では無くなる、
と僕は理解しました。 とのことである。
周辺回路によるが、Snap本体から電源をいただく手法は、ネット情報多数。(コチラも非公認)
なので今回の基板は、Snap本体の3V3スルーホールから基板のVDD及び昇圧元にジャンパ配線し、(デバイス単独で)読み書き可能を確認済。
SnapをAVR対応に改造する(公式の改造指南書あり)には、内部のプルダウン抵抗を撤去する手法と併せて、10Kオームで確実なプルアップが指南されている。
(それを念頭にインターフェース回路も再考、POR用SWとプルアップ抵抗を追加)
ヒューズビットやプログラムの読み書きも
MPLAB X IDE画面で、実行できる

読込後、設定変更できるようになる
画面で必要項目を編集後に、書込む

リセットピンを設定変更するとHVP必須となる
12Vを「チョン押し」印加した後に、書き込む

Snap公式の改造指南プルアップは基板に実装
VDDと昇圧元の電源入力は、ジャンパ線が必要

HVP書込みの際には、確認が要求される
翻訳サイトと首っ引きで、英語のお勉強を

【参照ブログ】
今回も、素晴らしいファームウェアを公開されている「つつじが丘おもちゃ病院」のDr.大泉さまにご指導をいただいた。あらためて感謝を申し上げる。
先ずは、HVPのやり方が目からウロコの、「チョン押し」方式の記事は必読である。
末尾の 【おまけ】 も含め、多くのドクターが喜んでいる姿が見えてくる。
これで、AVRマイコン換装によるおもちゃ修理が全国に普及すること、間違いなし!
(必読記事)tinyAVRプログラマーは、コチラ
(参照)赤外線リモコン送信機・受信機製作(tiny202追加)は、コチラ
(参照)Toy赤外線リモコンの信号フォーマットは、コチラ
【ダウンロード】
この記事で使った改造ファームウェアを含む、関連資料一式は、当方の共有ドライブで公開する。
GUI操作画面では直感的に操作ができるので、コマンドライン操作に
不慣れな私でも簡単に使えますね、重宝いたします。
ご本家からもコメント投稿をいただき、弱小おもちゃ病院のブログ記事
もステータスが大きく上がりました。
これからも、各地のおもちゃドクターの活動を見守ってくださいませ。