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ゆりかご日記
230820 だっこでクンクン レトリバーのハーネス自作(SW清掃、SP交換) [2023年08月31日(Thu)]

犬のぬいぐるみ Web予約から 2023年8月20日

「のう診療所」=能生児童館にて入院預りしたおもちゃ、金属のギヤBOXが使われている珍しい年代物。

230820_nou_inuWAN (1).jpg



【電源スイッチ】

まずは、電源スイッチの分解整備で電源復旧までの診療状況は、次のとおり。

犬のぬいぐるみ IWAYA 年代物
症状:全く動かない、ワンワン音が出ない
   「昔、おじいちゃんが修理してた」とのこと。
治療:スイッチ部分の分解洗浄、磨き、
   接点洗浄スプレーで動きは回復。
   だが「ワンワンと鳴く」声が出ない
   胴体を分解、背中に電子基板を発見
   リレーを使った本格的な制御基板か?
   本来の機能が分からず、情報収集中
退院:長期入院が必要、今しばらくお待ち下さい

単2×2本、新品アルカリ電池を装着
230820_nou_inuWAN (3).jpg

直角にひねる、ターン・オンSW式
230820_nou_inuWAN (4).jpg

清掃、金具変形を補正して導通回復
230829_inuWAN (3).jpg

このタイプのスイッチは、初期のイワヤ こいぬの ドンちゃん で診療記録あり。


【スピーカー】

実は、のど元の黒い筒の中にスピーカが内蔵されていた。
基板側から配線を外して抵抗を測定、無限大(導通なし)。

動くようになったが、まだ声が出ない
230820_nou_inuWAN (2).jpg

背中の電子基板やスピーカは、詳細不明
230822_inuWAN (1).JPG

メカ的な動きは問題なし、声を復活させたい
230829_inuWAN (1).jpg

右が故障スピーカ 29mm 8R 1/4W、新品に交換
230829_inuWAN (2).jpg


【商品情報】

SNSで情報提供を呼びかけ、Instagramコメントで貴重な情報が寄せられた。(感謝)
どうやら、専用ハーネスが付属していることに注目!

だっこで クンクン レトリバー では? (確かに似ている)
yodobashi_product_100000001000185265.png

(参照)某カメラ店の商品情報は、コチラ

(参照)某オークションの出品情報は、コチラ


【基板解析】

ドクター総がかりで治療を進めるが、元の姿に戻すためには本来の機能を知る必要がある。
どんな動き方、鳴き方なのか、治療を中断して情報収集を優先する。

メイン基板には、リードスイッチや電磁リレー、
縦に差込まれたサブ基板は、COBが載っている
230822_inuWAN (2).JPG

シルク印刷の穴には、配線が来ていない
230826_inuWAN (4).jpg

D2はリレーコイルと並列、Q3はS9015
230826_inuWAN (3).jpg

カラーコードで抵抗値が読めるので、助かる
230826_inuWAN (2).jpg

配線は最短距離で接続済、目視点検で異常なし
サブ基板の上から2、4番ピンはNCのシルク
230822_inuWAN (3).JPG

赤はB+とM+、白はM−、青2本はSP
230826_inuWAN (1).jpg

Q1はスピーカ用、Q2はリレー駆動用
Q3は音声スタートの時定数用と推測
230820_inuWAN_Fritzing.png


【専用ハーネス】

基板上のリードスイッチに磁石を近づけると、「クーン、クーン」と甘えるような声が出た。
(元気なワンワンを期待していたのだが、、、)
お客さまの方にも「何も残っていない」とのことで、抱き上げると背中のツボに磁石が当たる仕掛け、最後まで分からなかった。
そこで、専用のハーネスを自作 してネオジム磁石を仕込むこととして、治療を進める。
本来の機能とは違うかもしれないが、お客さまには、当方の動画をご覧いただき、遊び方を覚えて貰うこととする。

赤いハーネスは100均材料で自作、大き目に作って正解
230829_inuWAN (4).jpg

磁石を当てる位置(右肩辺りの背中のツボ)をマークする
230829_inuWAN (5).jpg

ぬいぐるみの上からでも「ツボ押し」に反応し、気持ち良さげ



【早期退院】

本来の機能としては、頭の上下動に連動して三角形フイゴの鳴き笛で「ワンワン」と元気に鳴くはずだが、ぬいぐるみの中、どこを探しても部品が見当たらない。
ドクターじいじ の修理のときに一旦外したものと思われるが、お客さまの方にも「部品は何も残ってない」そうだし、胴体のビス5本も全て抜けてたし、、、。

しかし、この状態でも捨てないで大切に保管されていたということで、おもちゃドクターとしては、貴重な体験をさせて貰い、感謝申し上げる。

もう一回分解するのは、可哀そうだということもあり、このまま退院することになった。
今回は「完治」ではなく、「何とか息を吹き返した」程度の治療だった。


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コメント
過去に修理履歴がある場合は、できるだけ詳しくその内容をお伺いしています。
ただし、なるべく個人情報はお聞きせずに本来の治療だけに集中するのが基本です。
希少価値がある骨董品なら手がだせないなと思いつつ、問診で治療方針の確認を行いました。
基板の改造や作り直しまでは望まない、何とか遊べるようになればとのことで、お引き受け。
「おじいちゃんが一生懸命に直していた。」とのことで、その思いを受け継ぎ、何とか動くようにはなり、内心ホッとしました。
ドクターじいじ に敬意を表し、おもちゃドクターなら既存基板の回路解析まではと、回路図を書いてみました。
Posted by:ToyDr.わたなべ  at 2023年09月02日(Sat) 10:00
昔おじいちゃんが修理していた。とのこと。
不良と診断した振動スイッチをリードスイッチと換装したのでは?
Posted by:むらさき  at 2023年09月02日(Sat) 09:07
お客さまも「でも、動いて音が出たので大満足です。」と、ご了解いただきました。
Posted by:ToyDr.わたなべ  at 2023年09月01日(Fri) 00:00