230805 ミニマリオカート RC ピーチ姫、充電できない(取説を熟読)
2023年8月5日、「おもちゃドクター体験会」に参加した小学生が持ってきた 京商のミニマリオカート R/C ピーチ姫。
充電できず全く動かない ということで、まずはサポート担当ドクターに使い方を説明。
1年以上前に、購入してから3日目で動かなくなり、ずっとそのままだったという。
一生懸命に不具合を伝えようとする姿に、おもちゃへの愛着を感じる。
同シリーズの別のキャラクターのミニカーもあるが自宅に置いて来たとのことで、急遽、お母さんが自宅まで帰って、もう1台の マリオ を連れて戻ってきてくれた。
手のひらサイズの全長7cmで、何しろ小さい!
子どもドクターは、興味津々で見入っていたが、内蔵 リポ電池 の消耗が疑われるので、結局、入院預り、あとは担当ドクターにお任せあれ。
【おもちゃドクターからのアドバイス】
このおもちゃに使われているのはリチウムポリマー電池(通称リポ電池)で、こんなに小さいので、30分で充電満了で、たった7分間しか遊べない。(取説より)
お母さんに、リポ電池の充電方法をレクチャー。
「基本的に 取説を熟読 願います。特にリポ電池は、遊んだ直後は高熱になっていることが多く、すぐには充電しない方が良いようです。(30分後、通常温度まで待つことと)取説に書いてあります。」
【入院治療】
当クリニックとしては、リポ電池を使ったおもちゃに関する勉強不足、治療経験不足を痛感した症例だった。
診療記録としては、入院治療で翌日に完治退院となったが、技術的な課題も見えた。
果たして今回の治療で正しかったのか、そもそも治療しても良かったのかとの疑問さえ残る。
今後のためにも、ここはぜひ、全国のおもちゃドクターに「お知恵を拝借」したいと思う。
お気づきの点があれば、ぜひコメント・フォーム入力にて、ご指導いただければ幸いである。
5 マリオカート R/C ピーチ姫 京商
症状:全く動かない、充電できない
治療:リポ電池の消耗も考え、入院預り
充電端子と基板との導通アリ
接点清掃後にも、短時間しか充電しない
時間を空けて短時間ずつ、数回充電
休眠バッテリーが復活、充電満了
ペアリング後、コントローラで動作確認済
退院:翌8月6日、まちや病院にて退院済
【技術情報】
すでに退院したのだが、残された課題点を挙げてみた。
すべて、内蔵リポ電池に関する項目。
リポ電池の充電管理(温度管理も含めて)は、重要事項ながら、おもちゃユーザー向けの注意喚起が少なく、このおもちゃの取扱説明書も入手困難。
後日のためにも、似たようなおもちゃの取扱説明書をダウンロードできないだろうか。
次回の医局会では、リポ電池の取り扱いについて研修会の題材としたい。
(以下、上記サイトから抜粋)
過充電や過放電を防ぐために、充電回路側、またはバッテリー側に電圧を監視する保護回路が必要です。
熱がこもる場所や、寒気にさらされる場所にバッテリーを配置しないよう注意が必要です。
LiPoバッテリーの実装にはスペース的な余裕が必要です。
捨てる時に、ゴミ箱に捨ててはいけません。
京商の商品説明は次のとおりだが、公称電圧は本当?
本体バッテリー:Li-Poバッテリー 3.2V? 35mAh (内蔵)、
充電時間:約30分、走行時間:約7分
ちなみに、大手通販サイトでも同様の記述となっているが、京商のコピペだと思われる。
このページでは、むしろ 商品レビューにも注目 したい。(特に批判的な感想)
リポ電池の型番表記について、日本おもちゃ病院協会の会員専用ページでタイミング良く情報交換があり、数字が左から2桁ずつ厚さ*幅*長さになっているとの情報で、良い勉強になった。
ちなみに今回のリポ電池では 「351213」であり、容易に入手できる代物ではないことが分かる。
リポ電池の廃棄方法について、ネット上では「塩水に数日間漬け置いてゴミとして捨てる」などの記述が散見されるが、本当?
ちなみに、糸魚川市では一般ごみ収集の対象外、「指定の拠点回収」扱いで、電気店などに自分で持ち込むことになっている。
市のゴミ収集業者にしてみれば、「どんなに安全に処理されていようと外見からは判別不能」なので、厄介者でしかない。
楽しかった、おもちゃドクター体験
この日は猛暑の中で開かれた、「2023まちや病院・夏」&「おもちゃドクター体験会」の1日目。
今回の体験会では、第1クールの3人姉弟(とお母さん)の1家族のみの参加だったが、主催者から「今回(クリニックと体験会)は、成功だったと言えるのではないか。こうした活動は継続することで認知度が上がってくる、できるなら来年も。」との総括をいただいた。
体験会の終了後に会場の「旧・倉又茶舗」の看板と一緒に記念写真(こどもドクター用のエプロン姿にも注目)。
<当日リポートから抜粋して紹介>
上のお姉ちゃんの「たまごっち スマート」は、充電不可でした。
ご自分の手で、充電端子に接点洗浄剤をスプレー、見事に復活させることが出来ました。
真ん中のお姉ちゃんの「京商 ピーチ姫 2.4GHz R/C」は、内蔵リポ電池の消耗が疑われるので、入院預り。
下の弟さんの「プラレール」は、ギヤの引っ掛かりを除去して、動くようになりました。
3人とも、とても楽しくて嬉しかったと、喜んでくれました。