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ゆりかご日記
221118 踊るクリスマスツリーが 踊らない(ギヤ歯欠け) [2022年12月07日(Wed)]

おもちゃドクターの診療状況を画像で紹介

おもちゃクリニック ゆりかごは、おもちゃドクター3名の診療体制だが、先進おもちゃ病院との連携医療により最先端の治療を提供している。
ここでは、分解点検から故障原因究明までの手順も含めて、画像で詳細説明。

能生保育園からクリスマスツリーが入院
RISING SUN Made in CHINA のタグ
(以下、画像クリックで拡大)
221118_XmasTree_00.jpg


この季節になると必ずと言っていいほど現れる患者さま、今シーズンの第1号は「踊るクリスマスツリー」だが、全く踊らずに静止したまま、クリスマスソングが鳴るだけ。


まずは故障原因の究明から

両腕の針金芯を上に上げてバンザイさせて
ツリーのぬいぐるみを脱がすことができる
221118_XmasTree_02.jpg

ホットボンドを除去し、4本のビス外して
底面の電池ボックスネジも外して分解
221118_XmasTree_04.jpg

ギヤボックスは外側からビス2本を外し
ボックス自体は4本のビスで分解する
221118_XmasTree_06.jpg

ギヤボックス内のグリスが固着していた
バラバラに分解して洗浄後、グリスアップ
221118_XmasTree_08.jpg

アルコール洗浄した1番ギヤに異常あり
10Tピニオンと30T平ギヤの複合ギヤ
221118_XmasTree_10.jpg


治療過程でヒビ割れ

「踊るクリスマスツリー」が踊らないので、分解点検
故障原因はモーター直近の2段ギヤの1歯欠けだった
221118_XmasTree_12.jpg

金属ピンで差し歯をしても、ギヤ自体がモロくて
治療の過程で、ギヤに複数亀裂が入ってしまった
221118_XmasTree_14.jpg

現物を採寸、外径 16.0〜16.2mm
平ギヤ厚 1.8〜2.0mm 全厚 6mm
221118_XmasTree_16.jpg


この1番ギヤだけは、透明な軟質素材(ビニル、ナイロン系)が使われている。
この理由として、(私見であるが)次のようなメリットが考えられる。

・モーター起動時の大きなトルクを瞬間的に吸収するため、
・連続動作中の振動ノイズを低減するため、など。


ところが、元々は弾性を持っていた素材が、経年劣化とともに可塑剤が抜けて(蒸発して)、モロく変質してしまったのか?


先進おもちゃ病院との連携医療

いずれにしても当クリニックの技術では、このような軟質透明ギヤの最適な治療手段がなく、今回は最新の3Dプリンタでのギヤ復元ができるかどうか、先進おもちゃ病院に照会してみた。
何としても、クリスマス前に完治退院を目指す。

当クリニックも含めて、日本おもちゃ病院協会に登録して活動中のおもちゃドクターは、現時点で1,700名以上とのこと。
今回のような重症患者さまには、全国ネットワークで、適切な医療を提供できるようにしたい。

日本おもちゃ病院協会のサービス、
先進病院での最新技術を享受できた
221130_3D.jpg

3Dプリンタでのギヤ到着を受け、
仕上げは、当院で責任を持って実施
221204_tree.jpg

早速リハビリ開始、ダンスと歌のお披露目



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