
2.4GHz R/Cクロスカントリー車(ヒューズ交換)[
2021年06月21日(Mon)]
糸魚川にも トレンドおもちゃ が、やって来ました!
症状:前進・後退ができないとのこと
プロポからの送信電波確認済
ステアリングはフルアクション動作確認済
治療:いよいよ、本体側も分解点検を実施
受信機の回路解析中、故障原因を発見
FETに電源を供給するヒューズが焼損
より安全なポリスイッチに置き換える
【受付】のう病院では 随時受付

2.4GHzトイラジ が、ついにやって来た(当クリニック初)
おもちゃリサイクル回収箱「ゆりかご」は、糸魚川市内5か所に常設
2021年5月、「のう病院」=能生児童館に持込みで診察依頼があったもののうち、これは、2.4GHz R/C クロスカントリー車(いわゆる ラジコンカー)
おもちゃなので、通称「トイラジ」と呼ばれる
【問診】by Dr.Toy-zawa
大型ラジコンは走らない(ハンドルは効く)、とのこと
プロポ送信機と充電アダプターも一緒に、セットで預り入院決定
【検査1】by ToyDr.わたなべ
おもちゃドクターの "診察手順" を守り、理論的に手順前後しないよう留意
新米の頃は本体から分解したくなるが、まず、送信機からスクリーニング検査
ステアリングは、フルアクション機構
前進・後退は、プロポーショナル操作

スロットル部は、5Kオームの可変抵抗あり
操作角に応じてモーター回転数をコントロール

操作角に応じて 抵抗値が変化することを確認
送信用 ICは SOP16 、型番がなく詳細は不明

前進・後退は、プロポーショナル操作

スロットル部は、5Kオームの可変抵抗あり
操作角に応じてモーター回転数をコントロール

操作角に応じて 抵抗値が変化することを確認
送信用 ICは SOP16 、型番がなく詳細は不明

続いては精密検査、2.4GHz 帯を検査するためには、チェッカーが必要
目に見えない電波を捉えて、可聴音やオシロ信号を出力してくれる
人間でいえば 聴診器 みたいな役目をする、ドクターの必須アイテム
今回のラジコンはメイドイン・チャイナ、メーカー不詳、2.4GHz だけの情報
送信機のスイッチを入れてから、車体側のスイッチ・オンで、ペアリング完了
RFチェッカーからは、スティック操作に応じて(検知音の)音が変わる
右折・左折のほか、前進・後退も、それぞれ別々の音程に聴こえるので
一応、送信側は正常だと仮定して、本体側の診察に向かうこととする
【検査2】いよいよ、本体側も分解点検
前進・後退は FET(CMP50N03・CMP40P03が 2対)搭載
ニッカド充電池で 9.6V仕様。シルク印刷で 2.4Gとの表示

RF受信+デコーダは 型番不詳、ステアリング用は MX622A
AMS1117(レギュレータ)で、RF部に 3.3V を供給している

ニッカド充電池で 9.6V仕様。シルク印刷で 2.4Gとの表示

RF受信+デコーダは 型番不詳、ステアリング用は MX622A
AMS1117(レギュレータ)で、RF部に 3.3V を供給している

今回のラジコンは「ハンドルは効く」という症状から、RF回路は正常と推測できる
続く精密検査で、3年前のおもちゃドクター養成講座(実践編)で製作の
「ラジコンモーター回路検査具」を使いたいが、使用手順が思い出せない
先輩 Dr.(おもちゃ病院 鴨島診療所の Dr.大西さま)に相談
今度は別の空きケースに収め、何とか臨床検査の環境を整備
-thumbnail2.jpg)
受信機の回路解析、FETドライブで抵抗数が多い
(真ん中あたりのポリスイッチは既存ヒューズの代替)

FETに電源を供給するヒューズが、何と 2.5Mオーム
長時間の連続走行に耐え切れず、焼損したものと診断
過電流を遮断する、安全なポリスイッチに置き換える

取りあえず応急処置して、動作確認の途中だが
ここでお客さまに、治療状況を動画で中間報告
H-ブリッジが正常なら、チェッカーのLEDが4個とも半点灯
プロポ操作では、操作角に応じて、LEDの明るさも追従変化
何度見直しても(原理は分からないが)良くできたチェッカー
今度は別の空きケースに収め、何とか臨床検査の環境を整備
-thumbnail2.jpg)
-thumbnail2.jpg)
【治療】
受信機の回路解析中、故障原因を発見
受信機の回路解析中、故障原因を発見
受信機の回路解析、FETドライブで抵抗数が多い
(真ん中あたりのポリスイッチは既存ヒューズの代替)

FETに電源を供給するヒューズが、何と 2.5Mオーム
長時間の連続走行に耐え切れず、焼損したものと診断
過電流を遮断する、安全なポリスイッチに置き換える


取りあえず応急処置して、動作確認の途中だが
ここでお客さまに、治療状況を動画で中間報告
H-ブリッジが正常なら、チェッカーのLEDが4個とも半点灯
プロポ操作では、操作角に応じて、LEDの明るさも追従変化
何度見直しても(原理は分からないが)良くできたチェッカー
【退院】
この動画のあと、慎重に組み上げて、実機にて最終チェック
その結果、スロットルレバーで、前進・後退することを確認
さらに、レバー操作角に応じたスピード・コントロールも、確認済
お待たせしました。これにて治療完了
ドクターから連絡があり次第、退院のお迎えに来てください
【ダウンロード】
2.4GHz帯の R/C おもちゃは、当クリニックでは初めての症例
いざ、患者さまが来てから準備開始とは、毎度、お恥ずかしい限り(反省しきり)
今回も、先輩ドクターの皆さまからアドバイスを受けつつ、何とか治療完了までこぎつけた
あらためて感謝申し上げるとともに、さらなる精進を重ねることを誓う
今回の診療にあたって集めた資料は(感謝を込めて)、当方の共有フォルダで公開する
【
A ラジコン、赤外線、リモコンの最新記事】