
骨董のお店[2022年06月07日(Tue)]
私は骨董品が好きだ。眺めるのが好きなのだ。とある人からお店の名前を聞き、地図で調べると実は家からすごく近いことがわかった。でも、その地図の道は何度も行き来している道だ。通りにそんなお店があったかなあと半信半疑で歩いて確かめた。実はその店は線路際にあり、ほとんどわからない。週に3回しか開けていないのもあって、なかなか出会いにくい。調べて電話すると「木曜日から土曜日までやっています」とのこと。木曜日を狙って、私はその店に赴いた。この日は駐車場に看板が立てかけられていて、すぐにわかった。なんだか入るのにドキドキするなあと思うのは、古い物がたくさん置いてあるせいだ。ほのかに暖かいランプがいくつか見える。店に入ると奥まで抑えた明かりが続いている。店の中は古い棚が並び、そのガラス戸には古いのであろうくすんだ透明のガラス瓶が並ぶ。時に、ガラスの色が青だったり青緑だったりするその色を目を開いて眺め続けた。何とも言えず、その透明の瓶に惹かれる。ずっと立っていると店の奥から主人の方から声をかけられた。「その青は珍しいんですよ。ガラスは腐らないので、何度でも見に来てください」その声で我に返り、確かにこの中から一つを選ぶことなどできないなあと思った。店の奥にはさらにいろんな骨董が並び、ディスプレイにしばらく酔っていた。結局、見ただけでお店を出てきたけれども、その後、私は何度か店を訪ね、ガラスでなく金属の大なべや水差しを買った。そして店の主人とこれが素適だとかこの形がいいとかいう話をした。骨董のお店がいいのは、少し古いという年代が物を熟成させている所だ。もう同じものが作られていないと思うと、レトロな物達は際立って貴重に感じられる。
