インクルーシブ保育 [2024年12月16日(Mon)]
発達障害などの子どもを含めた実践に苦戦している園はたくさんあります。多くは心理や発達の基本的な知識がないまま志だけで頑張っていたり、集団活動への強いこだわりがあるのが原因です。 日本にはたくさんの幼稚園・保育園・子ども園がありますが、普通の子どもの心理や発達についてよくわからないまま、日常の保育・教育活動をおこなっている園がたくさんあります。 例えば「言葉の発達」ひとつとっても、言っていることがわかる「理解言語」の段階なのか、自分で言える「表出言語」の段階なのかといった発達段階があります。 言葉の出が遅い子どもでも、「理解言語」が遅れているのか、「表出言語」が遅れているのかによって対応が異なります。 また、家庭の状況によっても子どもの愛着形成に差があることがよくあります。 子ども一人ひとりの心理的安定度によって、靴下を履かせてほしいと甘えてくる子どもの対応が違ってきます。 このような知識がないままだと、管理職は園の運営ができませんし、そもそも職員を育てることもできません。 保育者間でも子ども観や保育観がバラバラでは、振り返りや話し合いをしても時間の浪費になってしまいます。 インクルーシブ保育の普及はとても大切なことですが、志だけで乗り切るのは無理があります。 また、このような園の中に集団活動を重視し、素直に言う通りできない発達障害の子どもに陰性感情をもってしまうところもあります。保育や教育活動に問題があることに気がつかず(目を背けてしまいがちで)、障害がある子どもがいるからうまくまわらないと思い込んでいます。 また、小学校への接続を理由に障害がある子どもを拒否する園も同様です。この場合、就学先の小学校もまた拒否的であることが多く、特別支援学級への転籍を勧めがちです。これもまたある意味では小学校との接続・連携と言えるのかもしれませんが、地域の福祉や教育機関が障害のある子どもに理解がないとも言えます。 「先生」と呼ばれるようになると、どうしても自分の非や勉強不足を認めたくなかったり、心理や発達の知識がないことで突き上げにあうことを恐れ、インクルーシブ保育から距離を置いてしまうのもわからないではありません。 でも、困っている子どもや保護者が現実にいるわけですから、現実を受け止め、意識を変え、心理や発達の知識を身につけ、チームで取り組んでいくことが、本来は公益事業として求められているんです。 そして実際に取り組んでいる園があるんです。 今回はこのあたりについて詳しく解説していきます。 この動画をきっかけに保育実践がより深いものになります。 ぜひ明日からの保育に役立ててください。 |