就学前に数の学習は必要か。
[2015年11月18日(Wed)]
〇就学前に数の学習は必要か@
入学を控えた園児のお父さんとお母さんは、学校で授業についていけるか心配なことと思います。特に幼稚園や保育園の生活でうまくいかなかった経験が多いほど不安が強くなることでしょう。
ひらがなや数字の事前学習について、小学校の先生の立場から言えば不要という答えが返ってくると思います。誤った書き方を覚えてしまったり、エンピツのもち方に変な癖がついてしまったりがないようにというのがその理由です。また事前に書けるようになったところで、一年もたたないうちに差はなくなってしまうことが多いのも事実です。
また、最近になって就学前教育や幼児教育という考え方が登場してきました。数の学習をどうするかも議論になっています。早い段階で数字を書いたり読んだりできることが必要であるという意見がある一方で、遊びや子ども同士の関わりの中で様々なことに興味や関心をもつことが先であるという意見があります。
もっとも、最近では年長の時期に文字や数の勉強をする園が既に増えてきています。不安を抱えるお父さんとお母さんにとっては、安心ですね。
結局、就学前の数の学習は必要かどうかと問われれば、全員が一律同じ考え方で良いというわけではなく、子どもの個々の発達状況に応じることが必要です。先ほどお話ししたように入学してからでも大丈夫な子どもがいる一方で、やはり事前にひらがなや数字がわかっている状態で卒園したほうが良い子どももいるというのが、現実的なひとつの答えになりそうです。
実際、入学してくる子どもたちの中に、「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク・・・」と唱えることができても、ただ音として暗記しているだけで、数字の「1、2、3、4、5、6・・・」とリンクさせて理解できていない子どもに出会うことがあります。
また数字は書けるのに最初に習う「3+5」のような足し算が、三つのものと五つのものを合わせることだとなかなか理解できない子どもにも出会います。
就学前の数の練習の時、数字を読む練習は見ながら順番に読むことを繰り返しているだけだったり、書く練習では薄く書かれた部分をなぞったり見本の字を見ながら順番に書くことを繰り返しているだけだったりすると、このようなことが起きることがあります。
もし数字を順番に声に出して言うときに、いくつかの数字が抜けてしまったり順序が違ったりしたら、また数字を(順番にではなく)ひとつひとつ指差して読ませても言えない数字があったら、それは音だけを覚えようとしているのかもしれません。
数字を見ながら「イチ、ニ、サン、シ(ヨン)、ゴ・・・」と声に出して読むことは大切なことですし、そもそも始めて習う子どもたちにとって最初はこれで良いと思います。
でもある程度読めるようになったら、今度は「サン」と先生が言ったら「3」が書けること、「サン」や「3」は三つのこと(「〇〇〇」)を表していることを組み合わせて練習して欲しいのです。
また、お父さんがお風呂で一緒に数字を唱え練習している家庭もあるでしょう。10まで言えるようになったら、さらに10より大きい数にステップアップするのではなく、今度は三本の指を見せて「サン」と言える、5本指を見せて「ゴ」と言える練習をして欲しいのです。
同じように、数字を書けるけれども音にすると違っていたり、実際にいくつを意味しているのかがわかっていなようであれば、それは形だけを覚えようとしているのかもしれません。
最初は形だけでも音だけでもかまいませんが、10まで覚えることができたら、一度子どもの様子を見てください。園児向けの知育教材の中には、このような形だけ音だけ覚えてしまうことがないように、形と音と数概念をリンクさせて身に付けられるよう工夫されているものがあります。そうした教材を使ってみるのもひとつの方法です。
実は数字についてあまり知られていないことに、この「形と音と数概念」の関係があります。
数字といっても、
〇目で見て判断する「形」としての役割
〇聞いて判断する「音」としての役割、
〇それぞれの形や音と結びついた「数概念」
の三つの要素があります。
私たちは、それぞれを知らないうちにリンクさせて覚えていくので、学校の授業がわかったり、日常生活で使うことができたりするわけです。
ブロックなどを使って何度教えても、数字だけの計算だとさっぱり積み上がらない子どもがいたら、原因はこのあたりにあるのかもしれません。さらに言えば、このことは数字だけのことではありません。ひらがなも同じなのです。
入学を控えた園児のお父さんとお母さんは、学校で授業についていけるか心配なことと思います。特に幼稚園や保育園の生活でうまくいかなかった経験が多いほど不安が強くなることでしょう。
ひらがなや数字の事前学習について、小学校の先生の立場から言えば不要という答えが返ってくると思います。誤った書き方を覚えてしまったり、エンピツのもち方に変な癖がついてしまったりがないようにというのがその理由です。また事前に書けるようになったところで、一年もたたないうちに差はなくなってしまうことが多いのも事実です。
また、最近になって就学前教育や幼児教育という考え方が登場してきました。数の学習をどうするかも議論になっています。早い段階で数字を書いたり読んだりできることが必要であるという意見がある一方で、遊びや子ども同士の関わりの中で様々なことに興味や関心をもつことが先であるという意見があります。
もっとも、最近では年長の時期に文字や数の勉強をする園が既に増えてきています。不安を抱えるお父さんとお母さんにとっては、安心ですね。
結局、就学前の数の学習は必要かどうかと問われれば、全員が一律同じ考え方で良いというわけではなく、子どもの個々の発達状況に応じることが必要です。先ほどお話ししたように入学してからでも大丈夫な子どもがいる一方で、やはり事前にひらがなや数字がわかっている状態で卒園したほうが良い子どももいるというのが、現実的なひとつの答えになりそうです。
実際、入学してくる子どもたちの中に、「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク・・・」と唱えることができても、ただ音として暗記しているだけで、数字の「1、2、3、4、5、6・・・」とリンクさせて理解できていない子どもに出会うことがあります。
また数字は書けるのに最初に習う「3+5」のような足し算が、三つのものと五つのものを合わせることだとなかなか理解できない子どもにも出会います。
就学前の数の練習の時、数字を読む練習は見ながら順番に読むことを繰り返しているだけだったり、書く練習では薄く書かれた部分をなぞったり見本の字を見ながら順番に書くことを繰り返しているだけだったりすると、このようなことが起きることがあります。
もし数字を順番に声に出して言うときに、いくつかの数字が抜けてしまったり順序が違ったりしたら、また数字を(順番にではなく)ひとつひとつ指差して読ませても言えない数字があったら、それは音だけを覚えようとしているのかもしれません。
数字を見ながら「イチ、ニ、サン、シ(ヨン)、ゴ・・・」と声に出して読むことは大切なことですし、そもそも始めて習う子どもたちにとって最初はこれで良いと思います。
でもある程度読めるようになったら、今度は「サン」と先生が言ったら「3」が書けること、「サン」や「3」は三つのこと(「〇〇〇」)を表していることを組み合わせて練習して欲しいのです。
また、お父さんがお風呂で一緒に数字を唱え練習している家庭もあるでしょう。10まで言えるようになったら、さらに10より大きい数にステップアップするのではなく、今度は三本の指を見せて「サン」と言える、5本指を見せて「ゴ」と言える練習をして欲しいのです。
同じように、数字を書けるけれども音にすると違っていたり、実際にいくつを意味しているのかがわかっていなようであれば、それは形だけを覚えようとしているのかもしれません。
最初は形だけでも音だけでもかまいませんが、10まで覚えることができたら、一度子どもの様子を見てください。園児向けの知育教材の中には、このような形だけ音だけ覚えてしまうことがないように、形と音と数概念をリンクさせて身に付けられるよう工夫されているものがあります。そうした教材を使ってみるのもひとつの方法です。
実は数字についてあまり知られていないことに、この「形と音と数概念」の関係があります。
数字といっても、
〇目で見て判断する「形」としての役割
〇聞いて判断する「音」としての役割、
〇それぞれの形や音と結びついた「数概念」
の三つの要素があります。
私たちは、それぞれを知らないうちにリンクさせて覚えていくので、学校の授業がわかったり、日常生活で使うことができたりするわけです。
ブロックなどを使って何度教えても、数字だけの計算だとさっぱり積み上がらない子どもがいたら、原因はこのあたりにあるのかもしれません。さらに言えば、このことは数字だけのことではありません。ひらがなも同じなのです。
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